Vol.042 脱資本主義②
リハラボ 「予防医療ノート」 Vol.042
2020/06/19配信 (2020/8/28まで限定公開)
目次
①今週のテーマ
②予防医療ニュース
③予防医療論文
④今週の名言
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①今週のテーマ
予防医療などに関するテーマについて、気になったことや感じたことを書くコーナーです。
テーマ「脱資本主義②」
①信用創造
②1%の資本家と99%の市民
③デリバティブ残高6京円&赤字国債8000兆円
本日は、②の1%の資本家と99%の市民について考えていきます。
資本主義のルールは、一言で言うと勝者総取りです。独占したもの勝ちます。
ボードゲームで人気のモノポリーは、物件を独占した人が勝つゲームです。独占した人はずっと勝ち続けるように出来ています。モノポリーのルールは、まさに資本主義の本質を表してます。
トマピケティの「21世紀の資本論」によると、上位1%の高額所得者は、GDPの20%以上にのぼる、という結果が出ています。
このように、1%の資本家に独占されると99%の市民は何も抵抗できずに搾取されてしまう構造になってしまいます。
これが、我々の住んでいる地球の根底にある、資本主義という考え方です。
僕は、資本主義は最適な考え方ではないと思うし、早く新しい主義の社会が出現してほしいと願ってます。
それでは、資本主義のなにがおかしいのか考えていきます。
僕は、資本主義の中の「%のマジック」「複利」「市場操作」「自社株買い」「タックスヘイブン」という、この5つのキーワードが、1%の資本家を作り出していると考えます。
まず「%のマジック」についてです。
資本主義には、%が付きまといます。利回りが1%の場合、元本が100円では1円で、100億円では1億円が手元に入ります。
当たり前ですが、元本が大きければ大きいほど配当も大きくなります。
この、割合を表す「%」を使ったものが資本主義のルールですから、元本が大きい人はますます大きくなります。
99%の市民は1円が手に入り、1%の投資家は1億円が手に入ることになるのです。
次に「複利」です。
「複利」とは、元本によって生じた利子を次期の元金に組み入れる方式であり、元金だけでなく利子にも次期の利子がつくことを言います。
例えば、元本100億円で1%の利回りがついて、1年後には101億円になり、2年後には102億100万円円になりますが、30年後になると134億7849万円に膨らんでいきます。これが複利のパワーです。
投資家は、元本が大きく「%」のマジックで配当も大きくなる上に、「複利」のパワーがありますから、お金持ちがますますお金持ちになり、貧乏人は貧乏人のままになってしまうことがわかります。
次に「市場操作」です。
大物の投資家は発言力があります。投資家の発言一つで、株価が大きく変動します。影響力があるからです。
一般投資家は、大物の投資家に影響されますので追随しようとして買い増しをしたり、売りに出したりします。
アメリカの大物投資家が、航空会社の株を売る、と報道があれば、それに続いて航空会社の株が大きく売られる傾向にあります。
日本の大物投資家が、抗体検査の検査キットをばらまく、と報道があれば、抗体検査の関連企業の株が急激に上昇する傾向にあります。
1%の投資家は、このようにして市場を操作できます。
大物の投資家は、情報を流す前に、株をたくさん仕込んでおいて、情報を流して株価が上昇したら、あとは空売り(先に売って後で買い戻す手法)を仕掛けて株価が戻るのを待てばいいだけです。
市場操作は二度おいしいのです。
次に「自社株買い」です。
近年、大企業は、自社の利益を自社株を買うことに使う傾向にあります。それが一番利益が大きいからです。
自社株買いをすることで、自社の株式数が減少し、「PER」「PBR」「ROE」が改善されるため、自社の株価が上がるためです。
大企業の利益は、1%の投資家の利益に繋がるように、「自社株買い」を通して還流しています。
このように、大企業は市場を独占し続けますし、投資家もますます肥えていくのがわかります。
最後に「タックスヘイブン」です。
「タックスヘイブン」とは、「%のマジック」「複利」「市場操作」「自社株買い」などを駆使して荒稼ぎした利益を、租税回避地を経由することで節税する方法を指します。
「タックスヘイブン」には二種類あって「ダッチサンドイッチ」と「ダブルアイリッシュ」があります。アイルランドやオランダを経由した節税スキームを指し、GAFAなどの独占企業が使っている手法です。
大企業ほど、荒稼ぎをする一方で、節税はしっかりしています。
このように、「%のマジック」「複利」「市場操作」「自社株買い」「タックスヘイブン」などを駆使して、1%の投資家は独占し続けています。
これでは、99%の市民はついていけません。
市民は常に支払いますし、投資家は常に受け取る構造になっているからです。
このように資本主義の欠陥を見てしまったことで、資本主義が行き過ぎた感があると、僕は思います。
長い歴史から俯瞰して見ると、今の資本主義の状況はなにかおかしいと感じるし、長くは続かないだろうな、と感じます。
持続不可能な主義であるし、国民を幸せにしないです。
「脱資本主義」
これからは、国民一人一人が脱資本主義について考えていくキッカケになると思われます。
次回は、デリバティブ残高6京円と世界の赤字国債8000兆円について考えていきます。
資本主義はすでに終わりを迎えていることがわかると思います。
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②予防医療ニュース
今週の気になったニュースをピックアップして、感想を交えながらお届けします。
~ 転載↓ ~
エアビー、国内利用増加 コロナ後の旅は「近・長・清」
【シリコンバレー=奥平和行】新型コロナウイルスで利用が急減した民泊に回復の兆しが出てきた。
仲介大手の米エアビーアンドビーは10日、世界全体の国内旅行による利用が増加に転じたと明らかにした。
利用者は近場を好み、長期滞在や清潔な物件が利用者を引きよせつつある。
旅行もニューノーマル(新常態)への対応力が問われる局面に入ってきた。
以下省略
~ 転載終わり ~
出典 日本経済新聞
https://r.nikkei.com/article/DGXMZO60251470R10C20A6TJ2000?s=3
感想
これからの観光業は、数年はマイクロツーリズムがトレンドになる見通しです。
インバウンドの規模よりもマイクロツーリズムの規模の方が大きく、地元の人をいかにサービスを提供できるかがポイントとなるようです。
医療分野に関しても、当分はメディカルツーリズムは難しいようです。
医療機関は、地域密着で地元民に医療を提供できるかがポイントになりそうです。
新型コロナの影響で、あらゆる分野が「近・長・清」を意識して経営していかなければならないと感じます。
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③予防医療論文
今週の気になった論文をピックアップします。
~ 転載↓ ~
自律神経が紡ぐ新しい炎症抑制メカニズムの解明 -迷走神経を介した感染症・がん・炎症性腸疾患の治療に新たな光-
慶應義塾大学医学部内科学教室(消化器)の金井隆典(かないたかのり)教授、寺谷俊昭特任講師、三上洋平助教を中心とするグループは、同外科学教室(一般・消化器)の北川雄光教授、生理学教室の岡野栄之教授、微生物学・免疫学教室教授の吉村昭彦教授、京都府立大学の岩崎有作教授、九州大学の津田誠教授、金沢医科大学の谷田守准教授、理化学研究所の岡田峰陽チームリーダー、早稲田大学理工学術院の服部正平教授(研究当時)、東京大学の井上将行教授らと共同で、生体には腸管からの腸内細菌情報を肝臓で統合し脳へ伝え、迷走神経反射によって腸管制御性 T 細胞(pTreg;注 1)の産生を制御する機構が存在することを世界で初めて明らかにしました。
今回、マウスにおいて、pTreg の分化・維持に極めて重要とされる抗原提示細胞(APC)が腸管粘膜固有層の神経の近傍に多く存在することを明らかにし、さらに腸管 APC で高発現の神経伝達物質受容体を特定しました。マウスおよびヒトの APC をこの受容体の抗原で刺激すると、pTreg の分化・誘導に関わる遺伝子の発現が亢進し、腸管粘膜固有層の神経からの伝達を腸管APC を介して受け取り、腸の免疫が抑制される仕組みが示されました。
また、マウスの肝臓から脳幹への左迷走神経を人為的に遮断すると、腸管 APC を介して亢進される遺伝子発現が障害されることにより、pTreg 量が著しく減少することを明らかにしました。
さらに、その結果、腸炎マウスモデルでは病態が増悪することがわかりました。
これらの結果から、「腸→肝臓→脳→腸相関による迷走神経反射」が pTreg 量を調整し、腸の恒常性を維持していることが示されました。
この発見は、腸内環境の変化に起因する現代病(炎症性腸疾患、メタボリックシンドローム、うつ病など)、がん、COVID-19 を含む消化管感染症などのさまざまな病気の病態機序の解明や新規治療法の開発に繋がるものとして期待されます。
本研究成果の詳細は、2020 年 6 月 11 日(英国時間)に英科学誌『Nature』電子版に掲載されました。
~ 転載終わり ~
出典 慶応義塾大学
https://www.keio.ac.jp/ja/press-releases/2020/6/12/28-70380/
感想
腸内環境の重要性がわかってきました。
腸は脳と相関関係にあるだけでなく、肝臓とも相関していることがわかります。
お腹には、どうやら人間の本質が隠されているように思うのです。
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④今週の名言
「商人八訓」
一 先ず朝は、召使いより早く起きよ
ニ 十両の客より百文の客を大切にせよ
三 買い手が気に入らず、返しに来たならば、売る時より丁寧にせよ
四 繁盛するに従って、益々倹約せよ
五 小遣いは一文より記せ
六 開店のときを忘れるな
七 同商売が近所にできたら、懇意を厚くして互いに勤めよ
八 出店を開いたら、三ヵ年は食料を送れ
(渡辺 崋山)
江戸時代後期の武士、画家。
三河国田原藩の藩士であり、のち家老となる。
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リハラボ 代表
廣谷迪正(ひろやみちまさ)
リハラボホームページ
https://mkhjwh3.wixsite.com/selfreha
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