H5N1 鳥インフルエンザ


 2020年に入ってから新型コロナよりも恐ろしい、H5N1 ウイルス(鳥インフルエンザA)の流行が懸念されているので、情報をまとめてみました。次に学ぶべきは「H5N1の実態」だと考えます。


H5N1

野鳥の間で流行しているインフルエンザA(H5N1)ウイルスによるヒト感染症。


感染経路として以下の2つがある。

①鳥から:ウイルスを保有する鳥の体液や糞、並びにこれらに汚染された環境に触れた手などを介し、ヒトの口、鼻、眼から感染する。また、これらの飛沫や塵埃を経気道的に吸入することで感染する。

②感染したヒトから:稀だがヒト-ヒト感染も起こり得る。
現時点で本ウイルスのヒトへの感染力は弱く、ヒトからヒトへの持続的な感染は確認されていない。しかし本ウイルスは変異しやすいため、ヒトへの効率良い感染力を獲得する可能性が懸念されている。


潜伏期間・主要症状

潜伏期間は概ね2-8日。初発症状はインフルエンザと類似し、ほぼ全例で38℃以上の発熱、咳嗽を認め、呼吸困難、咽頭痛・鼻汁、下痢、筋肉痛、頭痛などがみられる。


予後

致死率は53%と極めて高い。発症から平均9-10日(範囲6~30日)目に進行性の呼吸不全により死亡することが多い。


出典  日本感染症学会

https://www.kansensho.or.jp/ref/d46.html


インフルエンザのそれぞれの型のリスクを表す、
The Influenza Risk Assessment Tool (IRAT)はこちら↓

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出典 CDC

https://www.cdc.gov/flu/pandemic-resources/monitoring/irat-virus-summaries.htm#H7N7



2020年の鳥インフルエンザの動向


2020年2月 
中国湖南省で、H5N1型の鳥インフルエンザに感染した鶏1万8000匹を殺処分。

2020年3月16日
フィリピンのうずら農場において、高病原性鳥インフルエンザ(H5N6亜型)の発生が確認された。

※H5N6は致死率60%


2020年7月以降
オーストラリアのビクトリア州で、鳥インフルエンザが 3 回発生。家畜の七面鳥とエムスでそれぞれ
2 つの低病原性鳥インフルエンザウイルス H5N2 と H7N6 が発生し、ニワトリで高病原性 H7N7 ウイルスが発生する。約45 万匹を殺処分する。

※H5N2 人間の症例報告なし
H7N7 致死率1.1%


2020年9月29日
ロシアのカラチャイ-チェルケシュ共和国で、H5N1型の鳥インフルエンザに感染したとみられる鶏が発見される。
それを受けて、香港は直ちに鶏の輸入を禁止する措置をとった。

2020年10月6日
ベトナムのカマウ省で、H5N1型の鳥インフルエンザに感染したとみられる鶏が発見される。


2020年10月20日
オランダで、H5N8型の鳥インフルエンザに感染したとみられる白鳥が二羽発見される。

※H5N8 人間の症例報告なし


2020年10月25日
韓国の天南で、病原性の高いH5N8鳥類インフルエンザの発生が発表された。韓国では、32か月ぶりの鳥類インフルエンザの症例となった。


2020年10月30日
北海道紋別市の湖沼付近で見つかった野鳥のふんから高病原性鳥インフルエンザウイルスが検出された。


2020年11月5日
香川県は、三豊市内の養鶏場の採卵鶏から鳥インフルエンザの陽性反応が確認されたと発表した。
遺伝子検査の結果、感染力が強い高病原性(H5亜型)の疑いが強いことが判明。県はこの養鶏場の約33万羽を殺処分し、周辺を消毒する。
また、半径3キロ以内をニワトリや卵の移動を禁止する「移動制限区域」に、半径10キロ以内をその地域からの出荷を禁止する「搬出制限区域」に指定する。

出典 NHK  News Web

https://www3.nhk.or.jp/news/html/20201105/k10012695921000.html?utm_int=news-new_contents_list-items_033


H5N1についての内容


日本内科学会雑誌 2013年

https://www.jstage.jst.go.jp/article/naika/102/10/102_2705/_pdf



 今後、H5N1がヒトからヒトへの感染が増えれば、新型コロナウイルス以上に猛威を振るう可能性があります。致死率53%は驚異的で、今まで以上に感染対策が必要となります。

 スペイン風邪では、H1N1ウイルスが世界中の人々に蔓延し、それが原因で約3000万人が亡くなったと言われています。

 もし、今後H5N1ウイルスが世界中の人々に蔓延することがあれば、スペイン風邪と同等かそれ以上の被害になると考えられます。

 世界中に蔓延する可能性は低いでしょうが、今からあらゆる準備をしておくのがいいでしょう。

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