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2024/3/18 ざらざらとした粉にまかれる

登校班というものがある。
同じ小学校に通う子どもたちが集団で登校するというやつだ。
この辺りのものは任意の集団で、なんとなく近くに住む子どもたちがなんとなく集まって行く、というゆるいものだったが、まあ大体毎日なんとなく同じメンバーで登校していた。

ほんの数名の集団で、特にけんかすることもなく、それほど気が合わない者もおらず、そこそこ仲良く穏やかな関係である。その中の6年生も明日で卒業だ。聞けば一緒に登校できるのは今日が最後だということで、私も保護者らしく最後に揃った写真なぞ撮ろうと思い立ち、子どもらの集合場所について行った。

6年生の親も出てくる。おはよー、と挨拶して、最初に会った時はみんな幼稚園の制服着てたのにさー、なんて話をして、ささやかなお祝いなぞ渡して、子らを河津桜の下に並べて、スマートフォンでばしばし写真を撮った。

写真を撮られ終わると、子らはだあっと走り出す。移動の基本がダッシュなのはなぜなのか。
母らは世間話しながら帰途(50m)につく。
お互いの目が赤いことに気付いて指摘し合った。

ねえ、空気がざらざらしてない?
目玉と毛穴の奥まで粉が入ってきてる気がしない?
鼻の奥の奥とのどの間がかゆくてたまらなくない?
車乗る時黄色い粉がすごくて絶望しない?

と花粉に悪態をつきながら手を振って別れた。

帰ってすぐ、さっき別れた彼女からLINEが届いた。

「ごめん、今日が最後じゃなかった!明日、卒業生も同じ時間に登校だって!ごめん!」

そういうわけで、明日は彼らの晴れ姿、撮りに行きます。

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