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輪島の河童、能登の人魚

ここしかない、というタイミングで10ヶ月ぶりの能登。
おそらくこれが今年の夏休み。
今回は教え子の制作会社勤務二人が有給を取って参加。
能登は海水浴出来ますか?と訊かれたので出来るよ!と即答したのに、
現地に着いたら7月16日解禁と知る。
が、泊まっていた宿の人によると、一箇所だけ出来るところがあると。
ただ、一般の外来客は入られない。現地の人だけ。
シャワーも着替えるところもないから、と。
そこが輪島市鴨ヶ浦浜だと。

勝手知ったる輪島。海水浴場は知っていたが、ここは知らなかった。
ただ、「能登の花ヨメ」(2008)のシナリオハンティングで訪れた海士町の近くなので、夏場はこういうことになっているとは知らずに通り過ぎていたのかも知れない。
海士町は文字通り海女の町。

7月1日にアワビ漁が解禁、海士町の海女さん達は秋の禁漁日まで舳倉島に移り住む。

どういうことになっていたかというと
こういうことに

岩の高さは10mくらい

中学生くらいか。
深いはずの海を自在に泳ぎまくっている。
そしてマウントの取り合いのような高い岩からの飛び込み。
より高く、より深く。

崖をよじ登っている少年達に注目

なんか心洗われたよ。
こんな元気いっぱい、キラキラな人間、久しく会っていなかった。
僕らもこんなだったよ。
こんな高い崖じゃなかったけど、山間の滝壺に飛び込んだものだ。
即座に思い出したのが、都会の電車の中で俯いてスマホでゲームしている若者たち。脳裏に浮かんだその映像が目の前の風景とカットバックした。

ずっと見ていたかったが、そうもいかず、停めてあった車に向かおうとしたら、何度も飛び込んでいた女の子がタオルで髪を拭きながら小さな声で「さよなら」と声をかけてくれた。
その優しい声が耳にこだまして、目の前の波濤が煌めいた。
これからは人魚の魔法を信じよう。

何年かしたらあの子も海女になるのかな。

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