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ARD「菅新首相–新しい首相は、あまり新しいものをもたらさないようだ」

日本は、コロナ不況の真っ只中で、経済的および社会的に大きな課題に直面しています。 今日選出された菅首相は、新鮮な空気を吹き込むことができるだろうか?

ドイツテレビ局ARDの東京支局、Kathrin Erdmann著2020/09/16

抄訳

菅政権の課題

・経済
日本は、コロナ以前からの経済不況と財政負債問題があるが、コロナによってさらに戦後最大の不況へ突入。国債は国内総生産の238パーセントを占める。

・働き方改革
東京テンプル大学の客員教授ジェームズ・ブラウン氏「政府は働き方改革を謳っているが、依然日本では長時間労働の非生産的な働き方が横行、日本の文化となっていて変化していない。そもそも、新首相の菅氏自体がワーカホリックで、官房長官時代から横浜の自宅にほとんど帰っていないという。」
「菅氏はデジタル化を推進というが、日本のオフィスでは紙と判子が必須で、『リモート』は到底無理」

・女性問題
今回、自民党党首選に女性議員は立候補せず、候補者予想の名前にすら存在しなかった。日本の国会の女性議員の割合は計192か国中164位で先進国中最下位。
ブラウン教授「政治家たちは労働者としての女性の役割は重視しているようです」だが、安倍内閣での女性支援の結果はまちまちで、女性労働力の増加はあったが、実際に女性が就いている職業を見ると偏っている。
日本は人口動態の変更で女性の正社員を必要としているが、働く1人親は貧しく、会社の女性幹部も10%に満たない。企業も努力はしていない。
71歳の男性で8年も家に帰らない菅氏がこの問題を解決できるとは思えない、とブラウン教授は言う。

・中国と韓国
歴史修正主義者の安倍氏によって、前内閣では韓国との関係が大幅に悪化した。ブラウン教授は、菅氏によって韓国との関係は改善する可能性があると言う。実務家の菅氏は、同じ米国の同盟国として理にかなった関係を韓国と結べるだろう。
台頭し、米国と反目する中国とは、難しい外交が迫られる。

・軍事防衛
基本的に菅氏は、安倍政権時代の軍事同盟パートナーシップを継続するだろうと見られる。彼の課題は「独自の武器システムによる防衛の拡大、自衛隊への要求の減少、米国との関係の強化、新しい安全保障パートナーシップの構築、特にインドとオーストラリアで」ブラウン教授談。

・北朝鮮
これも基本的に前政権を引き継ぐとみられる。菅氏は主に拉致被害者の行方に関心があるが、前任の安倍氏は金正恩に相手にされなかった。

・オリンピック
オリンピックはまったく異なる種類の課題であり、日本はその影響力を制限されています。 安倍氏はトーマス・バッハIOC会長と​​良好な関係を築いていると言われていますが、菅氏にはそれが欠けています。しかし、日本はあらゆる理由でオリンピック開催努力を続けることを望んでいます-経済的理由だけでなく、世界中の政治家を日本に集めることにより、日本政府の力を示すために。

・選挙
おそらく、菅氏の最初の大事業は解散総選挙になるとブラウン教授は言う。来年には選挙の期限があるためだ。「菅氏は公共の場で少々無愛想で、男らしさもないのでカリスマ性に欠けます」就任のご祝儀で支持率が高いうちに解散総選挙を実施すると予想される。

・まとめ
全体として、東京のテンプル大学のブラウン教授は新首相からの驚きに期待していません。 彼自身、菅氏が首相に決定して失望した。「日本は素晴らしい国であり、過去10年以上も夢遊病であり、経済成長と国際的重要性を失っているという印象を受けます。 つまり、今の日本に必要なのはたくさんの新しいアイデアです。」 しかし、それらはすでに菅氏の前任者である安倍氏の時から欠落していたと彼は言う。

原文:https://www.tagesschau.de/ausland/suga-japan-politik-101.html




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