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たいせつな本のこと

タラブックスを知っていますか。
インドのちいさな出版社。美しい手づくりの絵本を作っていて、世界中で人気のある出版社です。

ヤナギモトが「タラブックス」を知ったのは、結構最近のこと。
新木場にあるCASICAで開催された『TRACING THE ROOTS〜旅と手仕事〜』を訪れた際、戸棚のなかに『インドのちいさな出版社、まっすぐに本をつくる タラブックス』という本を見つけたのがきっかけです。なんとなく存在は知っていましたが、その本には、タラブックスの本が一冊一冊大切に作られる過程や彼女たちの信念が丁寧に書かれていて、この人たちのことをもっと知りたいと思いました。

タラブックスとおなじインドからやってきたまるみのある陶器のうつわとちいさな真鍮のスプーン、それにその本を購入。外の心地良いテラスでぱらぱらと頁を捲りながら、タラブックスの本に触れてみたい!どこに行けば見られるのだろう?とインターネットで探しているときに、ふと過去にタラブックスの絵本と出会っていることを思い出したのです。

それは、静岡の“クレマチスの丘”にある“NOHARA BOOKS”。アートを身近に感じられるお洒落な空間で、何時間でもこの場所にいたいと思えるようなミュージアムショップでした。

何冊も並ぶ本のなかから、偶然手に取った絵本。開いた瞬間に感じられる独特の匂いと、厚みのある優しい紙質と刷られたインクのもったり感。すっかり、その絵本の世界に引き込まれました。
表紙を見ると、1冊ずつ手仕事で作られた本だとキャプションが付いていて、ああそうなんだ、だからこういうぬくもりがあるのだなあと思うと同時に、この本を手元に置いておきたいと強く感じました。そのときは自分のところに迎えても仕舞い込んでしまうかもしれない…と後ろ髪をひかれながらも諦め、それがタラブックスのものだとも知らずにそのまま忘れていたのです。

あの絵本を手に取ったときの喜び、このぬくもりをずっと感じていたいと思ったこと、ミツトリヒトギも誰かにとってこういう存在になりたい…。
色々な想いが湧き出てきて、居ても立っても居られず、携帯を取り出しました。タベイにタラブックスって知っている?とメッセージを送ったところ、すぐに「知ってる!持ってる!!!」という答えが。

そこからは、盛り上がる一方。
タベイが持っているのは『夜の木』。絵本の手触り、ほのかな香り、すべてに興奮して、この本は手元に置いておきたいと思ったそうです。
勝手ながら、タラブックスとミツトリヒトギは似ているところがあると感じています。まず2人の女性が立ち上げたこと。そして、作品の作り方。タラブックスのハンドメイドの本は、手漉きの紙に1頁ずつシルクスクリーンで刷り、手で製本するという工程を取っています。ミツトリヒトギは、実寸大の紙に手で描き出したデザインを、静岡で織られた生地に職人さんが手で刷り上げ、さらに手仕事で縫製をしているのです。
私たちがタラブックスの本を手に取って感じるようなことを、ミツトリヒトギとしてどうお届けできるのか。日が暮れるまで、2人で話し合いました。

それから数日後、ヤナギモトの家のポストに『水の生きもの』が届きました。第二子の出産祝いとして、タベイがプレゼントしてくれたのです。
普段は棚に飾り、子どもが寝静まった夜に手触りを楽しんでいます。すっと心が落ち着く瞬間。たからものです。

違う場所にいても、同じものを見て同じように気持ちが高ぶるという偶然は、本当に嬉しいこと。だからこの2人でヒトギは構成されているんだなあとしみじみ感じるところがあります。

私たちが興奮するタラブックスの絵本。
ぜひ、みなさんも手で触れて感じてみてくださいね。


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アートディレクター柳本真穂とデザイナー田部井眞子の2人からなるデザインユニット。 「育ちゆくもの」をテーマに、今にも動き出しそうな生命力を感じるデザインを生み出しています。
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