やり残した宿題

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絵を描く者なら一度は通る道かもしれないが、かつての自分は漫画家に憧れていた。美大に入った若き日の自分は、美術的な基礎を習得したうえで漫画家になるという遠回りな夢を抱いていた。だが到底無理だった。技術的にも精神的にも、漫画を描く土壌が全く育っていなかった。(そもそも覚悟が甘っちょろくて話にならなかった。)あれから十数年が経ち、いつも心に引っかかるものがあった。

学校を卒業しCGアニメーション業界で働き始めてからも一貫して「中世日本の武者」というテーマでイラストを描きつづけ、たまに指名でお仕事を頂けるようになったが、何か物足りないというか、やならくてはならない事から逃げている感じがしていた。

自分は中世日本の武者の何を描きたいのか。彼等の世界観、死生観である。それは1枚の絵で表現するよりもやはり漫画として表現したかった。だがコマを割る事がどうしてもできない。描きたいシーンはあるが、ストーリーに落とし込めない。

色々試行錯誤してようやく漫画を描き始めたのが2018年の年末だった。それから1年かけてひとまず「1話目」として漫画を描き上げた。本当は初心者のルールに乗っ取り読み切りを描くべきだったが、脳内のストーリーは読み切りの範疇に収まらなかった。タイトルは「兵(つわもの)死すべし」。中身はタイトルのまんまのバイオレンスな作品である。どこで見せるかも決めずに描きたいように描いているので、とりあえずpixivにアップした。https://www.pixiv.net/artworks/82275996

noteでは漫画「兵(つわもの)死すべし」を描く中で色々思う事を綴っていきたい。






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