脂質活用能力とチートデイ

ケトン体の血中濃度は食事を変えると比較的すぐに高くなる、だけど、スポーツパフォーマンスはすぐに高くならず、少なくとも半年程度はパフォーマンスが下がってしまう。
この事から考えられるのは、ケトン体の血中濃度とパフォーマンスはイコールではないということ。ファットアダプトという観点ではケトン体濃度よりもどの程度体がケトン体を利用できるかという脂質活用能力の方が大事なのではないかという仮説が出てきます。

ウェブでは糖質制限原理主義みたいな主張も多く、糖質を少しでも摂ると努力が水の泡になる、みたいな印象を持つ人も多いのではと思います。もちろん糖質を摂取すると優先的に糖質が使われるのは事実の様ですが、だからといって脂質活用能力が下がるわけではありません。
小谷修平さんの書籍『超訳 脂肪燃焼ランニング』にも「10日くらい普通の食事をしても脂肪が使える感覚はなくならなかった。」という記述があります。また、週1日チートデイを設けながらもファットアダプトの結果を出しているというブログ記事もあります。これは自分の実感としてもそうで、週1回100g程度の糖質をとっても、その後の空腹ランで記録を更新し続けています。

要するに、体には糖質活用か脂質活用かといった切り替えスイッチがあるというものではなく、糖質活用能力と脂質活用能力は併存可能な能力で、脂質活用能力もトレーニング期間を空けなければ能力は落ちないと考えるのが自然かと思います。これは筋トレみたいなイメージですね。胸筋を鍛えたからといって上腕二頭筋が使えなくなるわけではない、という感じで、少しばかり糖質で活動したからといって脂質活用能力には影響ないと言えるのではと思います。

ただ、糖質をとると脂質活用は後回しにされるというのは確かな事の様なので、日常的に糖質を多く摂っていると脂質は使われず、その状態が続くと脂質活用能力は下がっていくものと思います。筋トレをサボると筋肉も縮小していくのと同じですね。

ファットアダプトを目指すならやはり日常的には糖質制限をしておき、運動時にケトン体で動ける状態にしておくのが大事かと思います。そして、連続していなければたまに糖質を摂るのも問題ないのではというのが色々見てきた知識と最近の実感を合わせた仮説です。

いわゆる「チートデイ」を週何回作っても影響無いのか、脂質活用とスポーツパフォーマンスという観点から科学的な検証がされるといいなぁ。

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