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私の気持ち

「noteでエロい記事があるといいなあ、って思うんだけど、自分がそれにスキしたって知られるのが恥ずかしいからスキをできないの」
 彼女は僕にそう言った。
 僕と彼女は喫茶店でコーヒーを飲んでいる。
 ときどき会って、こうしてコーヒーを飲んで、他愛のない話をする。そんな関係だ。
 
「気に入った記事があってスキするんだけど、コメント欄に他の人が書いたコメントがいっぱいあるからコメントできないの」
「うん」
「好きなnoterさんがいて、メンバーシップに加入したんだけど、その人が好きだって知られるのが恥ずかしいからメンバーだって言うことを隠しているの。ねえ、これって私が好きだっていう気持ちが伝わっていないわよね?」
 そう言って彼女は僕の顔を見た。
「最後のは伝わっていると思う」
 僕はそう答えた。
 
「じゃあ、いつもLINEをしていて、ときどき喫茶店とかで会ったりして、それがすっごく楽しいんだけど、そんな気持ちは隠していて、それだけでいつも終わっちゃって、そういう関係なんだけど、これって私が好きな気持ちが伝わっていないよね?」
 彼女は少し不安そうな表情をして僕を見ている。
「うん。それは伝わらないよ」
 僕はそう答えた。
「そっかー」
 彼女はがっかりした。

「なんかさ、勇気が出てきた」
 僕は唐突に言った。
「え?」
 彼女は不思議そうな表情をする。
「言う気はなかったんだけど、勇気が出てきた」
「何、それ?」

「僕は君が好きだ。僕と正式に付き合ってくれないか?」
 僕がそう言うと、彼女の目から涙が溢れた。

「はい。お願いします」
 彼女はそう言ってうなづいた。

おわり。

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