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役立った「和」のデザイン参考書5選

以前紹介した以下のノベルティ制作含め、和のテイストを表現するために参考にした書籍を紹介しておきます。

可愛らしい和柄などの見本帳は多く出版されていますが、伝統的で本格的な日本の印象を扱うものは多くない印象です。お役に立てば嬉しいです。

日本の装飾と文様

用途:史実と実例の確認

縄文時代から江戸時代まで、国内で生み出された装飾品、日用品、芸術品、建築物などの意匠が実例とともに紹介されています。

とくに作品が生み出された背景まで詳しく記されており、現代でも使われている文様などのルーツを知ることができる秀逸な書籍です。

「なんとなく和柄」から脱却に重宝します。

新しい和を魅せる!

用途:パッケージデザイン参考

タイトルに「パッケージ&グラフィックデザインコレクション」と銘打っているように、和のテイストのパッケージ事例集です。

主に食品系の美しいパッケージが集められており、実際の写真で紹介されているため、平面デザイン以外の部分(帯の巻き方、紐の結び方、梱包の仕方など)も学ぶことができる貴重な本です。

和のデザイン 美しいレイアウトの仕組み

用途:グラフィックデザイン参考

こちらではポスターやフライヤーなどのグラフィックデザイン物の実例が紹介されています。

作品ひとつひとつに見どころや使用されている色が詳しく書かれており、特に写真を素材に使っている実例が多いのが特徴です。和のテイストは柄や色味によって成立させている場合が多いため、それらと実写をどのように融合して昇華させるのか貴重な情報が載っています。

巻末にロゴ、和の色、和柄の一覧も掲載されているので、実際にアイデアを出す際にとても重宝します。色はCMYK数値、RGB数値も掲載されています。

冒頭で紹介したこちらの作品作りでにおいて、最も参考になった書籍です。特に細かな枠線の扱い方、テクスチャ、グランジ加工等の表現手法(あしらい)を確立することができたのはこの書籍のおかげです。

ジャパンモチーフ グラフィクス

用途:作品閲覧

こちらはポスターなどの平面デザインから、パッケージ、扇子や御守りといった小物までを揃えた作品集です。

ひとつひとつ細かな解説はなく良質な作品が掲載されているのみですが、多くのアーティスト・デザイナーがどのように和を表現したのか、それらの違いを楽しむことができる書籍です。

発行年が比較的新しく、何より数が豊富であるためアイデアや表現手法の取集にとても役立つと思います。特に商品の訴求や広告として優秀な作品を多く扱っています。

家紋と苗字

用途:家紋研究

和を特徴づけるうえで最も印象的で決定打となる家紋について、ルーツが詳しく載っています。苗字別に多い家紋や、苗字の由来まで扱っています。

先ほど紹介した作品では、すべてオリジナルの紋章を作成しましたが、「現実世界にないもの」である必要があったため、こうした書籍はとても参考になりました。

家紋はシンプルながら色彩に依存せず、細かな図形の組み合わせで成り立つ高度なグラフィックだと思います。和から離れたテーマを扱う場合でも、ロゴ制作などの素養になるはずです。

何か少しでもお役に立てば嬉しいです。


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