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信頼できる世界@タンザニア

ずーっと前に書こうと思ってからだいぶ経ってしまいました。何故このタイミングなのか自分でもわかりません。つらつらと書こうと思います。

タンザニア に行ってきました。

僕は大学4年生の2018年9月にアフリカのタンザニアという国に行きました。期間は丸1ヶ月。バッグパック1つと大学の仲間2人を連れて。 

何故アフリカに行ったのか?「自分が生きる世界と違う世界を見てみたい」というのが素直な理由でした。何故タンザニアだったのか?これは僕の知り合いで当時タンザニアの学校で物理の先生をしていた方がいた事。あと何カ国か行きたかったけどお金がなく断念したという理由でした。ちなみにタンザニアはここ。

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アジアとの違い

大学のゼミの関係で毎年東南アジアにはフィールドワークで訪れていました。タイやカンボジア、台湾、マレーシアを始めとした国々は知っていましたが、タンザニアで見た光景はまた全く違っていました。

何が違うのかというと「マズローの5段階欲求」のレベル。東南アジアはお金や物はないけど家族みんなが一緒に暮らしてて、とっても笑顔で楽しそうな姿に衝撃を受けました。
もちろん東南アジアの最貧国であるバングラデシュや、タイ、カンボジアの危ない地域には訪れてないのであくまで僕の見た範囲の話にはなります。「生理的欲求」と「安全欲求」はある程度満たされており、なんなら「所属と愛の欲求」「承認の欲求」は日本人よりも高いんじゃないかと思いました。(これは今でも思っています)

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先に言うと僕らが触れ合ったタンザニアの方々はとてもいい人ばかりでした。宿のホストは快く僕たちを受け入れてくれたり、ツアーのガイドは坂本九の「上を向いて歩こう」を僕たちの前で歌ってくれたり。(あの時はめちゃくちゃ値下げしてごめんなさい笑)
写真の彼らはキリマンジャロの麓、アルーシャという村を日中歩いて案内してくれた。(チップは支払った)彼らは笑顔で僕らを受け入れ、歩いている時に彼らの家族のことや仕事のことを教えてくれた。1人は地元に家族兄弟を残しお金を稼ぐため出稼ぎに来ていると言っていた。元々はキリマンジャロで登山をする際に必要になる荷物の運搬係、ポーターと呼ばれる仕事についていたが激務な上で給料も安いため、新たな道を模索しているらしい。今でもたまにFacebook見るけど元気にしてるかな。

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タンザニアの現実

しかし日中こんな笑顔が多い場所も、夜は大きく環境が変わり治安が悪く外出はできなくなります。実際に夜9時過ぎの暗い時間帯にバスから降りた際に、十数人の人が大声で「そっちはダメだ、俺についてこい!」と口をそろえ荷物を引っ張ってくるので振り切るので必死でした。夜間のタクシーは強盗の確率が格段に上がり乗車NGなので、宿まで早歩きで向かうと、明らかに素面ではない数人がずっと後をついてきたり(左手に酒瓶、右手には鉄パイプ…)本当に生きた心地がしなかったです。

観光客が集まる都市部は、いろんな部族が出稼ぎで集まり人種が混じることで治安が悪いようです。また故郷を離れて集まってきたとしても、彼らを雇える雇用先が少ない現状があります。殆どがバイクやタクシーで輸送を行う個人事業主のようです。

アフリカ三大凶悪都市といわれるダルエスサラームにも計6泊くらいしましたが、日中でも雰囲気が少し重苦しく路地裏には近づけなかったです。実際タンザニアでググるとほとんど情報が出てこないのですが、たまに出てくるブログに強盗などの被害に遭い身包みを剥がされたなど怖い記事がちらほら出てきます。実際に僕の友達が、僕が訪れた1年後にタンザニアのザンジバル島でタクシーで強盗にあい、クレジットカードの限度額いっぱい下されるATMツアーの被害にもあっています。(その後命は助かりました。よかった…)

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なにが言いたいのかというと、人は自分の「安全の欲求」が満たされない場合、自分又は自分の家族を守るために「人を傷つける」ということです。もちろん必ずしもそういった人たちが、危害を加えるわけでもないし、実際に行動に移すひとは僅かかもしれません。ですが可能性は確実に上がると思います。

信じられなかった

このような社会で生きていると副次的になにが起きるのか。人は危険を避けるために人を疑うようになるのではないか?実際に僕はそうでした。

アルーシャで僕たちをガイドしてくれたガイドの1人が日本帰国する時には「空港まで車で送るから安心してくれ」と言ってくれてました。一度は彼を信用して当日頼む予定でしたが、当日になって僕はふと「本当にこの人を信用しても大丈夫なのか?」と頭によぎりました。タンザニアでの都心でのタクシー予約は強盗の待ち伏せを計画できるため基本NG。


3日ほど僕たちにガイドをしながらタンザニアの色々を教えてくれた彼を疑うのは正直心苦しく、申し訳なく、悔しい気持ちでいっぱいでしたが彼に嘘をつき予約をキャンセルしました。結局無事当日捕まえたタクシーで空港まで向かうことができ、問題なく日本に帰ることができました。しかしタンザニアの旅の最後に「人を疑わなければいけなかった自分」そして「信じることができなかった自分」がずっと自分の心に引っかかっていました。
今になっては本当に危険を回避できたのか、そもそも心配の必要はなかったのかはわかりません。見知らぬ土地に行く以上、リスクを避けより安全な道を選ぶのは正しい選択です。

僕がこの旅を通じて肌で感じたのは①貧困にもレベルがある。そのレベルが低いと②人は人を傷つけ、奪う事可能性が上がる、そのため人は③身を守るために疑心暗鬼になるという事でした。

そして何よりも僕は「信頼する事ができない世界は嫌だ」と強く思いました。彼に嘘をつきタクシーをキャンセルした時、これほど悔しいことはありませんでした。

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終わりに

日本では考えられないそんな世界がタンザニアにはありました。今は途上国の支援などあまり関わる機会が少なくなりましたが、自分のできる範囲とスパンで今後も考えると思います。この話はちょっと長くなるので割愛。僕は途上国の支援だけが、世界をよくするとは思っていないので、今は「人事評価制度」を通じて日本を元気にできればと思っています。(自己実現の欲求を叶えて、他者実現へと踏み出してくれる人が少しでも増えれば嬉しいです)

タンザニアでの1ヶ月間のことはここに記し切れていないので、現地の学校に訪れ生徒たちと触れ合ったことや、野性の狩を目の前で見たサファリ、アフリカで出会ったクレイジーな日本人の話などまた気が向いた際に書きたいと思います。

#アフリカ #タンザニア #バッグパッカー #マズローの5段階欲求 #途上国支援

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