2022年ふりかえり
ヨシミツダです。
今年もギリギリになりましたが、2022年を振り返りたいと思います。
家族の大病
1番印象的だったのは、去年からドイツに渡っていた妹がガンになり、家族を喪失するかもしれない恐怖をリアルに感じたことです。
まだ小さい子ども(私にとっては甥っ子)もいて、その子の将来も含めて頭が真っ白なりました。妹は0歳の時に父親を亡くしていて、父親の記憶はありません。このまま命の危機に陥ると、自分の子どもの記憶に残らない可能性もあり、なぜこんなことにと悩んだ時期も長かったです。
しかしながら、医療が進んでいるドイツで無償の治療をうけることができ、今は小康状態になっています。日本で同様の治療を受ける場合、高額な医療費になると思われ、塞翁が馬ともよべる状態であったのは不幸中の幸いでした。
あらためて、普通に命の危機に見舞われる年になったのだなと感じた出来事でした。
興味は人、組織、カルチャーへ
今年は、前半開発マネージャー(EM)からVPoEになり、それから間も無くしてHRBPというロールになりました。
去年、一昨年と自分のキャリア展望を過去の記事などで読み返していて、かなり流動的だなと感じています。例えば転職した時はデータサイティスト職であったのが、AIビジネスデザイナーとしてのプロダクトマネージャー、その後エンジニアリングマネージャーになり、VPoE、HRBP、デリバリーマネージャーもやろうとしています。
今の会社に入社して2年経っていませんが、キャリア的にはとっ散らかってきているので、会社の方には申し訳ないのですが、自分なりの方針も主張させてもらわないと、ただの都合の良い人になっちゃうかもなという危機感があります。
いろいろな役職はやってきたものの、共通項としては、「人、組織、カルチャーへのオーナーシップ」です。逆にテックリード的なテックの尖った部分や、プロジェクトマネジメントに関わる部分は、重心を外していこうかと思っています。
採用活動、入社もそうですが、退職も含めたEmployee Journeyの設計、リテンション戦略、次世代を担うリーダーレベルのサクセッションマネジメント、技術者広報、海外メンバーのベストミックスなどなど、もともと社会科学や心理学が好きな私はこの「人、組織、カルチャー」という領域が自分の人間としての成熟度、興味から考えても合っているような気がしました。
また、もともと興味のあったデータ解析の部分に関してもHRテックという分野はまだまだ未開拓な分野で、そこに絞ることで、結晶性知能を高めていける感触もあります。(AIや機械学習一般の分野はあまりに進歩のスピードが早すぎるため、結晶性知能を仕立てにくい印象があります。なんらか分野を絞ることをしなければ、流動性知能の高い若い人と競うことは難しいでしょう。HRテックの面白いところは、データの解釈自体に経験知的な要素、心理学、社会学的要素があり機械学習のメソトロジーそのものがそれほど支配的ではないところです。)
今年は、経営会議にも参加させてもらいましたが、スタートアップの基本的なファイナンスの知識が足りていないことがわかり、これはこれからの課題だと思っています。
40代の少なくとも中盤は、この「人、組織、カルチャー」部分でがんばりたいと思います。
今はHRBPというロールが気に入っているので、マガジンに2000字程度の記事をまずは50本とおいてます。今は10本くらい書いたので20%程度の進捗ということでしょうか。
インテグラル理論との出会い
今年はケン•ウィルバーのインテグラル理論と出会った記念すべき年でした。
インテグラル理論というのは、さまざまな理論を包括するメタ理論になるのですが、メタ理論であるが故に具体的な例がないと非常に理解しにくい理論です。しかし、より高次の発達状態がどんな状態で、「私たち」の内部、外部象限に影響を受けること、高次の状態と低次の状態が混在するということを意識するだけで、自分の中で解釈できることが増えたのは大きな収穫でした。また、自分の内部状態と外部状態を一致させることをインテグリティを高めるといいますが、人間の成長はこのインテグリティを高めることで達成できること、そして人間の精神的不調は、このインテグリティの欠如により発生することを学びました。
まだまだ、その一部も理解できてないインテグラル理論ですが、もっともっと理解して役立てたいです。
不惑の片鱗を感じた年
V.E.フランクルの「夜と霧」というはるか昔、大学生の頃に読んだ本に、人間が実現できる価値として「創造価値」、「体験価値」、「態度価値」という3つの価値が紹介されていました。
この3つの価値のうち、家族と過ごす中で「体験価値」、「態度価値」の大切さを感じた一年でした。特に子供に触れる中で感じる発見や成長、思いもしない言葉達、すべてが私の中に体験価値として蓄積されていきました。そしてまた、前述のインテグラル理論におけるインテグリティの強化、別の表現を使うと言行一致の態度は、仕事や家庭の様々なシチュエーションで試されている気がしていました。このインテグリティ強化の態度は「態度価値」を向上させてくれたと思います。
「体験価値」や「態度価値」を強く認知するようになった結果、自分の中で価値あること、ないことの線引きがしっかりできるようになり不惑の片鱗を実感できた年でした。
ライフサイクルのスピード感はあがってる
今年体感した仕事のサイクルスピードや、観測できる「組織」の景色はどんどん変わっていき、よくも悪くもライフサイクルのスピード感が上がっています。
これは個人的には、喜ばしいことで、去年と同じではない来年が期待できるということだと思います。まさに、大企業にいた最後の方いつも感じていた「去年と同じような今年を重ねて歳をとって退化して衰えていく恐怖感」はなくなったのではないかと思います。代わりに安寧の立場ということは全く約束されていません。しかし、それもまた生きていることを感じるためにわたしには必要なことだと思っています。
2022年は、人間としての内面的な部分がだいぶ変わった年でした。