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再野生化計画


いきなりキャラじゃないタイトルっぽく見えますが、身体の労わり方について、とてもためになった「GO WILD」という本について紹介したいと思います。

40代になると体の衰えを強く感じます。健康のための備えが必要だと感じて手にした本です。

この本は「脳を鍛えるには、運動しかない!」という本の続編にあたるため、食事、睡眠、運動、瞑想などの行動と脳の働き、体、認知の関係が例をあげて紹介されています。この前作がかなりベストセラーだったらしいのですが、私は知りませんでした。すみません。

まず、食事に関してですが、パレオダイエットという食事の改善方法が紹介されています。パレオというのは「狩猟採集民の」という意味で、肥満もがんも鬱病もない狩猟民族の生活にヒントを得て、体を限りなく自然体の状態に近づけようとするダイエットです。基本は、ほとんど炭水化物を食べないようにする低炭水化物を推奨しています。パレオダイエットは食事量の制約は特にありませをわが、人工の調味料は使用せずに原始時代のように素朴な調理をするのが特徴的です。特に加工品や砂糖が入っている飲料は、絶対とってはいけないと言われており、結構厳しい制約があります。また、エネルギーは脂肪で取るべきという、極端な意見も紹介されています。

人間には生来、治癒力がそなわっていて、体は自ら病気を治せるのだ。つまり体には恒常性維持機能(ホメオパシス)──生活上の労苦やストレスから体を回復させる複雑に入り組んだ機能──がそなわっている。それこそが、本書が言う「ゴー・ワイルド」の根幹である。

パレオダイエットは、セットポイント理論と呼ばれる理論をベースにしていて、簡単にいうとこのホメオパシスの仕組みをつかっています。つまり、体重がこのセットポイントを超えると、体は体重をさげるように働き、体重がセットポイントを下回っていると体重を上げるように体は働きます。
私は運動して油物を控えても、なかなか中性脂肪が減らなかったのですが、炭水化物取りすぎの状態になっていたと推測されます。

実際に炭水化物を控えるようになって感じたことは、空腹感をしっかり感じるようになったこと。あとは、家で食べるものが見つからなくなってしまったこと。つまり、身の回りには炭水化物ばかり溢れているということです。間食も含めてとめどなく体に炭水化物が入ってしまっていたのだと思います。

迷走神経優位の状態に気がつく

改めて気がついたことですが、私たちのからだは、循環、消化、免疫、神経、ホルモンといった、連動する複数のシステムで構成されています。これらのシステムはそれぞれ独立して必要なエネルギーを持っているわけではなく、システム間でエネルギーを貸し借りしながら、効率よくエネルギーを使おうと脳は制御しています。
しかしながら、迷走神経優位の状態、つまり「闘うか、逃げるか、立ちすくむか」というような状況にある場合には、消化系と免疫系が停止して多くのエネルギーを筋肉に回そうとします。
つまり、常にこういった緊張状態にある場合、消化系、免疫系に問題が生じる可能性が高くなってしまうということです。

この原理が示唆するのは、体の不調や病気を、ただ一つのシステムの故障として修理しようとしてもうまくいかないということです。

心の問題が消化系の問題になり表出することが代表的な問題ではないかと思います。

本書でしきりに「動くこと」を推奨していますが、それは、この迷走神経有利の状態は、呼吸の乱れというシグナルで検知することができ、リズミカルに体を動かすことで、まず呼吸の状態が回復して、呼吸が正常に戻ると脳の状態をニュートラルに戻すことができるかららしいです。
さらに驚くべきことに、音楽のリズムにのることでも同様の効果を得ることができるということです。
なので、音楽を聴きながら物理的に体を動かすとストレスが軽減するということなんです。
大事なことは、考えることではなく行動することということが何度も本書では強調されています。

面白かったのは迷走神経は騙すこともできるという話です。目の端のシワにも迷走神経はあって、思い切り顔がくしゃくしゃになるくらい、笑顔になると前述の「闘うか、逃げるか、立ちすくむか」という状態から回復したというふうに脳が解釈して、気持ちが楽になるらしいです。

楽しいから笑うのではなく、笑うから楽しくなるという言葉を聞いたことがありますが、これは科学的にも正しかったということになりますね。

森林浴効果を活用する

本書では、何度もトレイルランを強くお勧めしていますが、その理由は森林浴効果がプラスアルファでよい影響を与えてくれるからです。
森林からはフィトンチッドと呼ばれるストレスキラー成分が分泌されており、ストレスホルモンと呼ばれるコレチゾールを抑制してくれる効果があると言われています。もともと体を動かすだけでも健康にはよいのですが、森林を走ることでさらに効果は上がるそうです。あと走るときにはなるべく素足に近い感覚がよいらしく、ミニマリストシューズという靴が紹介されてました。どうやら、このミニマリストシューズはベアフィットシューズと呼ばれるシューズのようです。このベアフィットのシューズについて説明があったのですが、これって地下足袋の考え方そのものだなぁと先人の知恵に感心したりしてました。

オキシトシンの意外な副作用

コレチゾールを抑制し、幸福感を高めると呼ばれているオキシトシン。この本でも、子どもに無関心だった人が子どもを大事にするようになるなど、驚異の効果が紹介されていたのですが、意外なことに副作用があるそうです。

それは、大切にする身内は大事にする一方で、外部の人に攻撃的になってしまう事例があったそうです。万能ホルモンと思えるオキシトシンにも、懸念するところはあるみたいで、人間の身体は奇跡のバランスで調整されていることに驚異を覚えました。

まとめると

結局これから何をやるかという話ですが、

  • 炭水化物を極力減らして、加工品を回避するセミパレオダイエット。

  • 森を走るトレイルランニング

  • 楽器の演奏を含む音楽活動

上記の活動にチャレンジしてみたいと考えてます。
ではまた。

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