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地球はどの様に成り立っているのだろう?(大和言葉で読み解く古事記)

続いて、神世七代です。

前回の記事は、こちらからご覧下さい。

先に結論を言いますと、ここの神世七代には、地球の成立過程が書かれています。

冒頭に宇宙のはなしで、続いて地球の成立のはなしとなって、太古の人々は人としてスケールが大きいなあと感じます。
いや、現代人が小さくなりすぎているのでしょうね。

現代社会において、大宇宙を感じることのできる感性を養っていきたいと思う今日この頃です😊

それでは、以下が読み下し文です。

次に成れる神の名は、國之常立神。次に豊雲野神。この二柱の神もまた、獨神と成りまして、身を隱したまひき。
次に成れる神の名は、宇比地邇神、次に妹須比智邇神。次に角杙神、次に妹活杙神。次に意富斗能地神、次に妹大斗乃辨神。次に淤母陀流神、次に妹阿夜訶志古泥神。次に伊邪那岐神、次に妹伊邪那美神。
上の件の國之常立神以下、伊邪那美神以前を、并せて神世七代という。

多くの神様の名前ばかりで、意味が良く分からないと思います。
順番に少しづつ解説していきます😊

次に成れる神の名は、國之常立神(クニノトコタチノカミ)。

前回は、アマノトコタチでした。アマに対してこの神様は、クニとなっています。
クニとは、長い時間をかけて組み組まれて結合し、醞釀され似てきた場所ということでした。
ここでいうクニは、地球のことを表しています。
トコタチですので、

「地球は、ずっと安定して存在している」

となります。

次に豊雲野神(トヨクモヌノカミ)。

トヨ 豊富である
クモ モは微細なものの集合です。微細なものが組み組まれたものをクモといいます。空の雲です。
ヌ 一様にする(ヌルヌル、ヌメヌメ)

ということで、微細に結合したものが豊富にあり一様になっている様を表しています。

「地球は、とても豊富な物質の結合によって構成されています。」

この二柱の神もまた、獨神(ヒトリガミ)と成りまして、身を隱したまひき。

「クニノトコタチとトヨクモヌの神様も、陰陽の対の神様ではなく、目には見えません。」

ということです。

次に成れる神の名は、宇比地邇神(ウヒヂニノカミ)、次に妹須比智邇神(イモスヒヂニノカミ)。

この神様から陰陽で対の神様となります。対の神様で一代と数えます。
イモが付いている神様が陰の働きを持つ神様です。

この陰陽の神様は、地球の呼吸を表現しています。

ウヒヂニとスヒヂニですので、違いはウとスです。
ウは、閉じる意味がありましたので息を吸い込む方です。
スは、スーッと吐き出す呼気となります。

「長い時間をかけて吐き出したり、吸い込んだりしながら一様になってきました。」

次に角杙神(ツヌグヒノカミ)、次に妹活杙神(イモイクグヒノカミ)。

地球が固まっていく様子を表しています。

ツヌグヒ 積もる、続くということで時間をかけてゆっくりと固まる様子です。

イクグヒ 勢いよく、グイグイと力強く固まる様子です。

「ゆっくりと時間をかけつつ、また、時に勢いよく地球が固まっていきました。」

次に意富斗能地神(オホトノヂノカミ)、次に妹大斗乃辨神(イモオホトノベノカミ)。

縦と横に大形成されていく様子です。

オホトノヂ チは、血筋のように縦に継続するものを表します。縦の大きく形成される様子です。
オホトノベ ヘは、へりとから舳先のように横に伸びていく様子ですので、横に大きく伸びて形成されている様子です。

「地球は、縦横に大きく形成されていきました。」

次に淤母陀流神(オモダルノカミ)、次に妹阿夜訶志古泥神(イモアヤカシコネノカミ)。

オモダルは、遂に面(オモ)が満ち足りた様子を表しています。

アヤカシコネ アヤは感嘆です。カシコは、恐れ多いとか巧妙であるという意味。素晴らしいと感動している様子を表しています。

「表面が充実してとても素晴らしい地球になった!」

次に伊邪那岐神(イザナギノカミ)、次に妹伊邪那美神(イザナミノカミ)。

ここでようやく多くの方に馴染みのある神様が登場します。

違いはキとミです。

イザナキ キツく力強く誘う働き
イザナミ 優しく誘う働き

「誘う誘われる誘引活動によって、地球上に様々なモノゴトが成立し活動していきます。」

そしてこの後、イザナキとイザナミによって国生みが行われ、様々な神様(目には見えない本質)が作られていくことになります。

上の件の國之常立神(クニノトコタチノカミ)以下、伊邪那美神(イザナミノカミ)以前を、并せて神世七代(カミヨナナヨ)という。

一、クニノトコタチ(地球の存立)
二、トヨクモヌ(地球の構成要素の豊かな結合)
三、ウヒヂニ、イモスヒヂニ(流動状態下地球の呼吸)
四、ツヌグヒ、イモイクグヒ(地球の固成化)
五、オホトノヂ、イモオホトノベ(地球の縦横内部にわたる大形成)
六、オモダル、イモアヤカシコネ(地球の表面の充足と賛美)
七、イザナキ、イモイザナミ(地球生命体の相互誘引活動)

これらを”神世七代”と名付けました。

まとめますと

地球を常に成り立たせている目に見えない力が存在しており、地球が進化していくために豊かな構成要素によって結合されています。
最初は、ドロドロした状態で呼吸がおこなわれていたものが、次第に固まっていき、更に、大形成されていきました。
そして次第に表面が充足され満ち足りた状態となり、とても素晴らしい状態になりました。
地球は、誘い誘われる誘引活動により、生命体としての活動を行っています。

という感じです。

古事記冒頭の「別天つ神五柱」とこの「神世七代」は、私の知る限り解説している本は参考文献のやまとことば伝説だけです。多くの古事記の本は、この後からはじまるイザナキとイザナミの国生み神話から始まるのが一般的です。

しかしながら、こうして大和言葉を用いて素直な感性で紐解いて行くと、地球の成立を示していると読み解くことができるのです。

すごいですね。

日本人の感性って本当にすごいなあって思います。

最後までお読みくださりありがとうございます。

続きは、伊邪那岐命と伊邪那美命のおはなしに入っていきます。
お楽しみに😊

【参考文献】
古事記 倉野憲司校注 岩波文庫
縄文のコトダマ 林英臣著 博進堂
やまとことば伝説 林英臣著 博進堂
大和言葉の世界観 河戸博詞著

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