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ミツメカクとは?

私たちが現在、長万部町という道南で進めているプロジェクト「ミツメカク」 とは一体何なのか?ということをこれまでの活動と合わせて、今回の記事ではお伝えしたいと思います。

ミツメカクプロローグ文章

私たちとは何者か。

まず私たちとは言うものの、誰なのか。
そこに関してまず書いていきたいと思います。
この「ミツメカク」で制作する人物は主に二人。
伊藤 碧(イトウ アオイ)山鼻 涼(ヤマハナ リョウ)です。

北海道教育大学 3年 伊藤 碧

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普段はグラフィックデザインやリキッドライトと呼ばれる空間演出を手がける。

北海道教育大学 1年 山鼻 涼

山鼻リョウ

しがない絵描き、文字書き。油絵や壁画を描き、戯曲などを書く。

どこで何をしているのか

 私たちがプロジェクトを進めているのは、渡島半島の付け根であり、古くから交通の要衝で栄えた長万部町と言う場所です。

そして描いていく場所は、
4年前に閉じてしまった長万部唯一の書店であった「かとう書店」

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町にただ一つの書店、「かとう書店」町民からは「かと本」の愛称で親しまれていた。

 そのような場所で何をしているのか、それは壁画制作。多くの人々にとってはてなマークが付くでしょう。これから説明していきますので、興味を持ってくださった方はご安心を。

壁画について

初めに手短にですがこれから制作する壁画についてのにチーフについて書いていていきたいと思います。
ずばり、「長万部と人」
私たちは長万部という土地と、そこにいる人間のあり方を描き出すことにこの企画の意味があると思います。ただ具体的にどのようなものを描写するかはまだ二人の間で固まり切きってはないのです。
「海」「列車」「立ち尽くしている」「線路」「分岐」「眼差し」etc… …
今考えているモチーフは多くありますが、描いていくのはこれからです。正直に言って下絵もまだ完成していません。もう少しポジティブに言うのであればこれから変化していくのです。ゆえに見守ってもらえると嬉しいです。

この活動に至るまでの経緯と
「かと本」のこれまでとは何か

 私たちがこの長万部町に来たのは、今年の9月。
きっかけは地域おこし協力隊の佐藤りかさん(後ほどこの方については書かせてもらいます)が立ち上げた空き店舗プロジェクト*1の中で、壁画を描く壁を提供でき、表現の場を求めているのであれば是非来てもらいたいとの話を聞き、私たち二人はその話を聞いて長万部に早速向かいました。

*1 この空き店舗プロジェクトの基本的に目指すものは「みんなの夢が叶う場所づくり」とのこと。私たちがここに来れたのも、その理念が大きいです。りかさんの活動について、詳しくは下記のリンクで!https://hokkaidofan.com/katobookstore/

第一回目:2021年 9月21日〜25日

 初めて訪れる長万部は、何というか私たちにとっては掴みきれないものでした。

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とりあえず壁画を描くと言って意気込んできたものの何を描こうか、そもそもこの長万部に壁画というものを描く意味とは何なのか、そのようなことを探らなければいけない。

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だから私たちは長万部をめぐり、その意味を探しいきました。というより何を描くべきなのかということを探していました。

町の人に話を聞いていく中で、いくつかの言葉を繰り返し聞くようになりました。

「カニ」「温泉」「鉄道、国鉄」「移住者」「ここにいてしまった」etc......

それらの話を聞いていく中で、
私たちは「長万部の人々はこの土地に対して、どのようにあるのか?」という疑問を感じるようになりました。


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多くの時代の流れに左右されてきた長万部町という姿と、今現在ここに暮らす人々から発される「ここにいちまった」「いい町とは言えない」「なんとか暮らしてきた」「昔はよかった」などの言葉たち。

全く掴みきれない町と最初言いましたが、実をいうと私たちは長万部町に来てから、そうは言ってもここには暮らしがあるわけだよね、とたびたび二人で会話をしていました。

「その暮らしはどのようなものなのか。
本当にここに『いてしまった』のか。
もしそうであるのならば『いてしまった』とはどのような在り方なのか。」


すごく気になりました。

或いはこう信じたいのかもしれない、

「何か私たちにも、誰にも見えていない、そしてとっても大事なものとして町の中の人々の在り方があるのではないか。」

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そのようなことを考えたのです。ではどのような壁画を構想し、描き上げるのかを考えるにあたって、そのことを徹底的に描き出したいと思いました。

そして町に住む人々に対してその問いと対話を投げかけたいと思いました。

特にこれは社会的な意義があるものなのかは分かりません。

ただきっとこの町に何かあるのではないかと函館からきた余所者の二人と、壁画と、長万部に住んでいる人々とで勘繰り、見つめ直すことはきっと各々にとっては無駄ではないことなのではないかと同時に私たちは思ったのです。

そして今回の2回目の長万部滞在(10月17日〜19日)の中でもその思いは強くなりました。おそらくそのように作品を作っていくのだと思います。

「かと本」の成り立ち

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私たちは当然ながらその壁画を描く場所、つまり今回ならばかとう書店という場所ですが、その文脈というものに対してなるべく応えるものをつくりたいと思っていました。
加藤書店の成り立ちに関して少々長くはなるかと思いますが書いていきたいと思います。

かとう書店は長万部駅前の商店街で50年以上も書店業を営んできました。
町民からは「かと本」の愛称で親しまれましたが、さまざまな原因もあり4年前に、店主の加藤さんは苦渋の判断で店を閉じました。その決断の背景には段々とシャッター商店街となる長万部駅前ですが、その状況に抗いたいという思いがありました。なので店を閉じると言っても誰かに活用してもらいたいという思いは強く、その思いは三年前から始まり、今に至る旧かとう書店の空き店舗プロジェクトにも流れています。


加藤さんが店を閉じたのは4年前ですが、背景にある思いに触れ、その空き店舗を活用したいと関わり始めたのが現在長万部の地域おこし協力隊として活動している佐藤理華(サトウ リカ)さんです。

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佐藤理華さん:3年前から長万部町に関わり、2020年6月から地域おこし協力隊として活動しています。現在は旧加藤書店の空き店舗プロジェクトを進めていて、私たちと町を繋いでいただいています!

彼女は3年前にかとう書店の空き店舗プロジェクトを立ち上げ、1年前からその旧店舗のリノベーションを始めました。彼女はその空き店舗を「みんなが夢が叶う場所づくり」を目指して作り直しています。

そして「ミツメカク」にも町とつないでもらう役割として関わってもらっています。


プロジェクト概要

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今回のプロジェクトの目的

最初にも述べたように、長万部の旧加藤書店の正面と裏面に「長万部と、長万部に住む人々は、どのようなここに生きているのか。」ということをテーマに壁画を描き抜きたいのです。そして私たちと作品、住民との対話を見据えたものでもありたい。

制作プロセス

基本的に流動的なものではあるのですが以下のようなものを考えています。

制作前:町の人とのつながりを作る段階。町について知り、私たちの活動を町の人々に知ってもらうことを基本的な目的にしており、具体的には多様な媒体での広報物や、聞き取り調査、下絵段階での住民との話し合いなどを行なっていきます。
制作中:現実的かどうかはやってみないことにはわからないことが多いのですが、単なる制作者と傍観者ではなく、それ以外の例えば批評家のようなあり方での関与の仕方などを構想し、固定的な主体と客体の関係を崩しながら制作していくことを目的とします。例えばワークショップなどを考えてもらえれば!
制作後:その作品を対話の問いを投げかける装置として、活用していきたい。また、そこを皮切りにシャッター商店街での制作活動を進めていきたいです。

今現在、この中でできているのは制作前の一部だけです。理由としては私たちが常に長万部にいることができないこと、単純に人手が足りないことなどが挙げられます。

 noteを読んでくれた皆さんへ

ここからはこの記事を見てくださっている皆さんへのお話となります。

私たちはこれまでここまで大きな壁画を描いたことはありません…。

ゆえにわからないことや困って立ち尽くしてしまうこともあると思います(事実これまでもいっぱいありました!)

そのようなときはいろんな人に助けを求めると思いますので、その時は、どうぞよろしくお願いいたします。

またこれはさらに重要な話なのですが、この「ミツメカク」に何らかの形で関わりたい、もっと言えば長万部に興味のある方、何か活動してみたい方がいればぜひご連絡ください!!

Twitter Instagram

活動報告もこちらでして行くので見てみて下さい!

おまけに

最近でいうと、佐藤華林(サトウ  カリン)さんという関東を中心に芸術祭や美術館運営などに携わっていた方にアドバイザーのような形で関わってもらっています。

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佐藤 華林(サトウ  カリン)さん:関東を中心に美術館運営やその広報、芸術祭などの企画に携わる。今回のミツメカクではアドバイザーのような形で一緒に作っていければと思います!

メッセージ


最後になりますが、私たちはこの先も長い目で見て、長万部に関わっていくつもりです。

どこかで見かけることもあるかもしれませんし、いろんなところに勉強をしにいくかもしれませんが、そのときはゆっくりとお話ししましょう!!

(もちろん遊びに来てもらったら大変に喜びます!)

それでは、これからよろしくお願いします!

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