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HOPELESS ROMANTICKER バンドをやりたい奴は絶対に読んどけ‼️Vol.36

同郷の未亡人マダムがいるんだが、齢70過ぎの。
ご主人が会社の社長で本人は働いたことがないことが自慢のお金持ちだ。
ま、ご主人は昭和のゴリゴリ社長なもんだから家なんか帰ってこないし、愛人も何人も抱えていただろうが、なくなったらしい。そもそも別居みたいなもんだったので寂しくもなんともないが、そのマダムに金銭的な遺産は残しておらず、マダムが一人で住んでいる高級マンションだけを残したようだ。通常ならそのマンションを2億くらいで売却し、独り身用のマンションに住めば良いのだが、なんてったって人間ってのは自分のステータスを下げることを極端に嫌う。なのでいまだにその高級タワマンに一人で住んでいる。維持費だけでも大変だ。しかし周りの友人にお金がないことを悟られたくはないから、バレー教室も通い続けるし、高級な洋服やアクセサリーも買い続けなくては、セレブ会の会話に遅れてしまうし、いつも同じ物してる!って言われたくなかったりとかなんとかで可哀想なくらい無理をしている。
俺は、社長業をやっているから金持ちってのをよく見る。
そしてわかったことがあるんだが、金持ちっぽい人と、本当の金持ちってのがいる。
金持ちっぽい人は金持ちっぽく見えるように苦労している。そのマダムも洋服を買っては、ユーズドショップに売りにいって、そしてそこで買っている。タクシーに乗っても皆さんが見えなくなると下車してバスに乗って帰る。

人間だけにある感情なのかな?
見栄を張る。
虚勢を張る。
俺はそれを見るのは嫌いではない。むしろ人間臭さがぷんぷんに出ていて面白い。
そんな人だから主人も帰ってこなかったんだろうなと想像がつく

これから君のバンドも大きくなって、今まで扱ったことのない大金を扱うことになる。これは今から意識しておくといい。自分で価値を決められる人になっとけ。
あの靴がいくら、あの時計がいくら、、、、、
そんなのどうでもいい。もちろんそのためには良いモノの価値、見極める力は持っていないといけない。食事にしても、お店にしても、一度は体験し、自分で価値を決める。一人5万の寿司屋に行く価値は、自分で決める。5万だから美味しいんではなく、美味しいから5万なのか、本当に5万の価値がある美味しさなのか。もっと超えていくと、君が持ってるものを欲しがられる、君が持っているから価値があると思われる人になれるといい。
そこに行くには、本物を知らなくてはいけない。モノも味も経験も。
今のうちに自分の中の基準を作れるようになんでも本物を知っておくように

さて、本日も前回の続き

君のバンドも、今くらいの規模になると事務所に所属する、しないの話が出てくる。

バンドをやっていると事務所所属は一つのステータスと思うかもしれないが、絶対に違う!

これは絶対の絶対の絶対だ。
事前の目標に事務所所属があるならそれも1つの手法だから良いが、事務所は絶対に選べ。
入ることがゴールではない。
あくまでも目的を達成するための手段でしかない。
この時点で寄ってくる事務所はやばいとこが多い。
特に、以下の奴らには気をつけろ!
・所属するためにお金を払わされる
・無駄にライブをやらされる
・ファンもいる打ち上げに自腹で参加させられる
・ミーティングだなんだと言って、バンドメンバー全員参加、しかも有料!
・事務所が自宅
・育てたバンドが0
等等

とにかくバンドメンバーから金を搾取する事務所はやめとけ!
チャンスをチラつかせて搾取してくるのは王道パターンだ。君たちが提供するのは音楽という作品だ。金じゃない。
燃え上がっている時はついつい目の前のチャンスに期待してどんどん課金してしまう気持ちは分からんでもない。

俺らはここで大いに躓いた。
後輩の紹介でとあるレーベルに所属した。所属料を4万くらい支払ったかな?動員はある方だったからレーベルの社長も期待してくれて、所属のプレゼンライブは良い時間を割り当ててくれていたが、そもそも出順を良くするために出演料の上乗せ、ライブ後のファンクラブイベントに有料で参加させられる、ファンとの旅行に有料で参加させられるなどかなりの悪徳レーベルだった。

しかし、その時は本人たちは売れたいから必死で、目の前にぶら下げられた人参目当てに支払ってしまっていた。本来の目的を忘れつつあった頃だ。
スーパービーバーは何度か対バンをやっていた。彼らは2年でソニーでメジャーデビュー、その後クビ状態でインディーズに行き、現在またソニーで大ブレイク。
とてつもない苦労してきているからか、音楽番組などで見かける彼らのトークは温度が通い、真っ直ぐな言葉になっている。若手のポッと出の世渡り上手のトークとはわけが違う重みもユーモアもある。
今ならわかる。俺らはアホで独りよがりでカッコ悪かったなって。

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