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【ブッシュ・海部会談と日本国憲法、崩壊する連合国の正義】戦後レジームと新世界秩序①(2021年12月30日)

*今日の内容
ちょっと前なんですが、今月12月22日、外務省が外交文書を公開しました。
1990年の湾岸戦争をめぐる記録です。
当時のブッシュ大統領(パパブッシュ)と海部(かいふ)首相の会談の記録です。
産経新聞によると、当時、ブッシュ大統領は、こんな話をしています。

"「憲法上の制約」を理解しているとした上で、「日本が軍隊(フォース)を中東に参加せるような対応が望ましい」"

つまり、ブッシュ大統領は、憲法上の制約を知った上で、日本の海部政権に、自衛隊を軍隊として中東に派遣しろ、ということを言ったわけです。
要するに、アメリカ側が、日本国憲法を無視しろと言っていた、という記録です。
この話を理解する前に、まず前提として、誰が憲法を作ったのか。という点を押さえておきたいと思います。
よく日本国憲法は押し付けられたものか、それとも日本人が自分たちで作ったものか、という議論があります。結論は明らかです。日本国憲法はアメリカが作り、日本に押し付けたものです。
こういうと、この動画のチャンネル主はネトウヨだから、とか思う方もいるかもしれません。ですが、注意していただきたいのは、この 日本国憲法がアメリに押し付けられたという話は、少なくとも、日本の保守系とか、改憲派と呼ばれる人たちが勝手に言っているわけではありません。
では、誰が言っているのかというと、バイデン大統領が言っているんです。

バイデン大統領が、2016年に、こんなことを言っています。(訳はニューズウィーク日本版、リンクより)

"核武装を持てないように我々が日本の憲法を書いたことを、彼は知らないのではないか。彼は学校で習わなかったのか。トランプは判断力に欠けており、信用できない"

これは、オバマ政権時代の、トランプとヒラリーの大統領選の時に、ヒラリーの応援演説で言った言葉なんですが。
この言葉で重要なのは、現在のバイデン大統領が、オバマ政権時代に、「日本国憲法は我々が作った」と明確に言ったこと。そして、それがアメリカの学校教育で習う、常識的な事実として、認知されている、と言うことです。
つまり、少なくともアメリカは、日本国憲法は、我々アメリカや連合国が作った、と自覚していると言えるわけです。

この、バイデン大統領の言葉を踏まえた上で、湾岸戦争をめぐる1990年のブッシュ大統領と海部元首相の会談を見てみましょう。
するとなんと、アメリカ自身が作らせた日本国憲法を無視するように、アメリカ側、ブッシュ大統領が日本に言ってきた、ということが重要な点です。

では、日本国憲法はどのようにして、アメリカが日本に作らせたのかというのを振り返ってみましょう。
日本国憲法は、戦後すぐに制定されました。
その基本となったのがマッカーサー三原則と呼ばれるものです。これが、日本の軍事力の放棄を含んだ、今の憲法9条などの平和憲法の考え方の基本となりました。

そして、なぜ日本が、国家としての権利である軍事力を持ってはいけないのかと言いますと、「平和に対する罪」という考え方、国際法が根拠になっている。
「平和に対する罪」とは、侵略戦争を仕掛けた国を断罪するための国際法で、聞こえはいいのですが、これが極めて問題のある国際法です。

何が問題かというと、これが事後法であるということです。法学に詳しい方であればご存知のように、事後法は原則としてやってはいけないことです。

なぜなら、後出しで、いくらでも人を陥れることができてしまうからです。
ですから、現代において、事後法は原則としてやってはいけないことになっています。ちなみに、日本国憲法もこれを禁止しています。

では戦争が終わった後、アメリカや連合国は、なぜ「平和に対する罪」という後出しの事後法を作ったのでしょうか。それは、東京裁判による戦犯とされる人々の処刑を正当化するためです。
つまり、この「平和に対する罪」という事後法によって、アメリカや連合国による日本への占領政策や、日本国憲法を作ったことが、正当化されたわけです。

話を戻しましょう。
つまり、イラク戦争でブッシュ大統領が海部(かいふ)首相に、日本国憲法を無視するように圧力をかけた、ということは、アメリカ自身が、日本にマッカーサーの三原則を無視するように言った、ということです。
ということは、マッカーサーの三原則の根拠となった「平和に対する罪」という国際法を無視しろと言ったということです。
ということは、アメリカ自身のほうから、アメリカによる日本への占領政策が不当であったと認めたことになります。
今回、1990年のブッシュ・海部会談で明らかになったことは、日本よりも、むしろアメリカが、戦後レジーム(第二次世界大戦後の秩序)の破壊を望んでいたということです。

*素材もと、情報もと
外交文書 ブッシュ氏 湾岸危機で自衛隊派遣に強い期待 12/22(水) 18:10配信12/22(水) 18:10配信

マッカーサー・ノート (マッカーサー三原則)
昭和21年2月3日

具体的な内容はこちら→マッカーサー・ノート (マッカーサー三原則)昭和21年2月3日

バイデン「日本憲法は我々が書いた」発言をどう理解すればいいか 2016年08月18日(木)17時00分
https://www.newsweekjapan.jp/reizei/2016/08/post-856.php

事後法
https://kotobank.jp/word/%E4%BA%8B%E5%BE%8C%E6%B3%95-518769

*以下はwikiより
湾岸戦争
ジョージ・H・W・ブッシュ
海部俊樹
日本国憲法
ジョー・バイデン
平和に対する罪

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