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孔子 国際政治ゲームと仁

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人種流転する春秋時代、その後期に出現した孔子。 その「仁」の思想と、当時の国際政治ゲームの関係を解き明かして行きます。
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【孔子】 孔子の略歴(1):「野合」の子

【孔子】 孔子の略歴(1):「野合」の子

1、孔子の出自孔子は、魯(ろ)の昌平郷(しょうへいきょう)の陬邑(すうゆう)の地に生まれた。

春秋時代の後期、襄公二十二(前五五一)年のことである。
先祖は、宋(そう)からの移民である。
そして、魯に移住した孔子の家系は、孔子の曽祖父である防叔(ぼうしゅく)から始まる。

【曽祖父】防叔→【祖父】伯夏(はくか)→【父】叔梁紇(しゅくりょうこつ)→孔子

そして、父である叔梁紇が、顔氏の娘と“野合

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【孔子】 孔子の仁と、臨淄の遺伝子

【孔子】 孔子の仁と、臨淄の遺伝子

孔子といえば、「仁」である。

「仁」とは、なにか。『漢辞海』第4版には、「ジン・ニン」という音読みはあるものの、定まった訓読みは示されていない。
ところが、古典の邦訳に、「まごころ」と言う訓読みを見ることがある。
だが、「まこごろ」の漢字は、「真心」となるはずである。
つまり、この読みは、後世の日本側訳者の苦心の読みにすぎない。

もう一つ、代表的な訓読みとして、「ひと」という読み方がある。

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