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三島由紀夫の映画

【平成生まれ昭和ヲタ女子の徒然コラム】

昨夜はこの映画を観てみました。
当時の映像で見られる並み居る論客達の鬩ぎ合いはとても見応えがありました。

三島由紀夫氏、三島由紀夫氏に相反する方々、どちらが正しかったのかは作品を観ても私にはわかりません。それを考察する事も私個人としては重要な事だとも思いません。
かねてより三島由紀夫氏に特別興味があった訳でもなく、時代の寵児と呼ばれ歴史に名を残した有名な人ぐらいの認識しかありませんでしたが、人を惹きつけて止まないとても魅力的な男性だったんだなと思いました。
年老いた全共闘の芥氏も登場しますが、現在も鋭さが全くブレていなくて三島氏と同じぐらい魅力的な人でした。
女子なので素敵な男性が次々登場する映画に興奮してしまうのは当たり前ですが、そういう観点からも見応え充分でした。

いいからまた10万円ちょうだいよとか政治家達に文句ばかりいいつつ自分ではこれといった行動を起こしたり声を上げる気概も無い私がそんな事を思うのも烏滸がましいですが、不況だなんだと憂いつつも選ばなけれは仕事もあって毎月携帯代も払えて明日のごはんを心配する程に窮する事もない、頼りなくも豊かなこの国を整えて礎を築いてきたのは、この作品で見られる時代を生きていた人達だったのかな、と思いました。

今日は社用で下北沢に行ったので、駒場東大前で下車して初めて東大を訪れてみましたが、建物が視界に入った瞬間に思わず襟を正してしまいました。
作品の宣材等で見られる「圧倒的熱量」といったキャッチフレーズに反して、極端に過度でドラマティックな演出もなく現在もご健在の関係者の方々が淡々と語る静かな印象の作品でしたが、蝋燭程度の灯火かもしれませんが私の中に消えない熱を残したのかなと思いました。
もしこの時代に生まれていたなら単純な私の事だから、楯の会、全共闘、どちらかはわかりませんが活動に加わっていた事でしょう。
工事用のヘルメットを被って角材のような物を握ったおばあちゃんの若い頃の写真が家に遺っていますが、抗えないレジスタンス的な血が私にも流れているのかもしれません。

三島氏がその後も生き続けていらっしゃればどんな事をしてどんな影響を社会に与えていたのかなとも思いますが、命を断つ事がこの人の表現手段であり宿命だったのでしょうからそれを考えるのは意味の無い事なのでしょう。

観ておいて本当によかったです。
昭和ヲタクでもなければ観る事もなかったのかもしれませんが、私と同じ世代の人達に観て頂きたい作品でした。

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