腎臓をナメてた話(後編)


結局救急車は呼ばず、現在の病状にあてはまるものがないかひたすら検索していた。


そのとき、膀胱炎が長引いており「病院に行くべきか?」と悩んでいたのでもしやと思い膀胱炎で調べてみる。


「腎盂腎炎」


急性腎盂腎炎の主な症状は、
背中や腰の痛み、高熱、排尿時の痛み、頻尿、残尿感です。慢性腎盂腎炎の場合、はっきりとした症状がないことが特徴です。

(下記ホームページより抜粋)


これだ!!!とすぐさま近くの泌尿器科を探し、自力でそこまで行けそうにないので(本来なら徒歩10分の距離)母に頼み病院へ連れていってもらうことに。

普段の起床時間6時30分に上司に連絡した際、やけにあっさり休ませてくれるなと拍子抜けしたのを覚えている。(当たり前)


近くの泌尿器科では人生の先輩たちが9割を占めていて、20代の小娘はとても浮いていたように思うがそれどころではなかった。

比喩なしに亀と同じくらいのスピードでしか歩けない。

50cm感覚ほどでしか足は前に出ず、激痛に耐えながら進むとところどころで停止し、休憩する必要がある。


やっとの思いで診察をしてもらい、検尿結果を見た医師は

「きっったないおしっこ!!なんで救急車呼ばなかったの?入院だよ!入院!!これあともう少し遅かったら透析になってたよ!?」

と先程の穏やかなおじいさまとは思えないほどテンションが上がっていた。

しかし

入院=お風呂に入れない

のを知っていたことと、他の事情につき入院はできないと伝えると「じゃ、おしりに注射して帰ってね」



大の注射嫌いだったが入院できないのだから仕方ない……と震えて待っているとエロマンガでしか出てこないような極太注射が出てきた。


そんなの医療に使っていいの?


マジで刺すの?



「そんなの……らめえぇえ♡♡!」でしか許されなくない?


「それ……本当に注射ですか?」


「うん!あと3本あるよ!ファイト!」




結局、この症状はまるまる1週間、滞ることなく痛みと高熱が続いた。

不思議なもので、日中は熱が下がり夜にかけて高熱になるらしい。

(それでも38℃〜39℃をうろうろするので、決して低いとはいえない)


未風呂は絶対に阻止したい私が匍匐前進で風呂場へ向かうのを見て家族がどん引きして止めすらされなくなり、長風呂に文句を言われる回数が減ったのも偶然では無いと思う。


この病気になったのは「たかが膀胱炎」と高を括っていたのが一番の原因だと感じている。


「おしっこするとき、わさび食べすぎて鼻がつーんとなる感覚が股間にくる感じです」

と伝えて「はぁ?」って顔をされたのが嫌だったから、などと甘えたことを抜かしてはいけない。


この教訓を糧に、毎日2Lの水分を取り、排泄は1時間に1回ペースで行くようになった。やたらと頻尿だな、と思われても構わないくらい辛い経験だった。



膀胱炎は特に女性がなりやすいらしいので、気をつけてください。本当に辛い。



黒紅


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