Seventeen's Summer 17歳の最終楽章Ⅱ 第29話
お湯に体を沈める。感情がなくなっていた。水面に天井の照明が浮かんでいる。頭まで沈みお湯の感覚を確認した。今日の出来事を整理していると、3時くらいに息が苦しくなったことを思い出した。あれはケンシの苦しみだったのかもしれない。ケンシが呼んでいたのかも。ケンシの顔を思い浮かべると自然に涙が流れた。ケンシはなぜか笑っていた。
葬儀は1週間後に行われた。ユウキは葬儀の3日前にホテルから寮に戻ることができた。
部屋に戻るとコウタたちが成り行きを説明してくれた。話をするたびに皆泣いていた。
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