見出し画像

新入社員128名に向けてMicrosoft Teams・Zoomを活用して8日間導入研修をやり切って分かったこと。

1. オンラインツール、何を使う?大前提は『社内で使い慣れているかどうか』。当社はTeams。

【私たち三井物産人材開発は、日々多くの方が発信してくださる情報を業務や学びに活かしています。ありがとうございます。少しでも還元できたらと思い、お役に立てるかわかりませんが、情報発信をはじめて参ります。今回、初投稿です!】

例年、新人導入研修は10日間集合研修で実施してきました。その中で今回のコロナウイルスの影響もあり、3月16日に急遽集合研修のオンライン化が決定されました。
会議や研修もオンラインが急速に進む中、さまざまなオンラインツールが巷には溢れています。
その中で何を使うのが良いのだろう?先日まで行われた新人導入研修でも同じ迷いに陥りました。

まずは社内でなにが主流として使われているのか?を確認することが大事。
研修事務局とIT関連部署で密にやり取りを行ううちに、社内ではTeamsが主流に使われていることが分かりました。

新人導入研修では講義の多くに「社内講師(現場部署の社員)」が登壇します。
そのため、社内講師が初めての取り組みに抵抗なく取り組んでもらえることがKeyになります。

そのため当社ではTeamsを軸に研修を構成することに。
ただ、巷で大人気のZoomも気になる…。

結論、当社では「TeamsとZoomの合わせ技」としてニーズに合わせて使い分ける選択をしました。
実施した中で見えてきたProsとCons、気を付けた方が良いことを自らの経験を交えて共有していきます。

2. Teamsが良かったポイント。資料の共有・保存、数日間にわたるグループワークにはもってこい。

「TeamsとZoomの合わせ技」という選択をした当社。
やっていく中で見えてきたTeamsの良いところを4つに纏めてお伝えします。
①なんといっても“落ちにくい”こと。
オンライン研修での担当者の最大の心配はWifiなど接続環境が悪く、研修を受けられない人が発生しないか、という点です。
この点に関して、ITインフラにMicrosoftを採用する当社環境では、Teamsはとても「安定的」でした。8日間の研修で接続できなかった、途中で落ちてしまったという人は数人いましたが、外部サービスであるZoomと比較すると相当少ない数です。
一方、1か所から多くの人数でZoomに接続する際は注意が必要。寮などの同じWifi環境からアクセスが集中すると落ちる人が続出。それぞれの携帯電話でテザリングを行う、分散ログインするなど工夫することが大事。
また、万が一ずっとZoom接続から弾かれてしまい参加できない場合の対処は…?
実際にその事象が発生しました。「何度やってもZoomに繋がらない。」受講者から泣きそうな声で電話が…。
そこでは両方使っているからこそできる荒業で難を逃れました。事務局がTeamsで受講者と接続を行いZoomの画面を共有するという対処法です。どちらか1ツールに頼らずバックアッププランを立てておくことが大切です。
また、音声はそれでもうまく繋がらなかったため受講者同士LINEで音声を入れてもらいました。

②資料の共有・保存・格納が簡単。
そもそもTeamsはリモートプロジェクト支援ツールです。メンバーが参照できる目的別のフォルダを作成し、その中に資料の共有・保存が可能なため、研修終了後に「改めて見直したい」「復習したい」というのが容易にできます。
資料や課題を新人が提出する際もTeamsにフォルダを作成すればそこに誰でも格納することが可能。このような点からもTeamsをメインプラットフォームにしました。
Zoomにおいても資料共有はできるものの、研修終了時にZoomも終了してしまうため自身のPCへのDLを行う必要があり、自身で資料を整理する手間も発生します。

③同一グループ、チームで数日間にわたる研修が可能。
今回の新人導入研修では事務局が毎日受講者と行うリフレクションを設定。インプットで終わるのではなく、
「新人同士が8日間同じグループで毎日の学びを振り返ってほしい」との想いがありました。
その際に研修事務局が試行錯誤する中で、Teamsであれば同一グループ、チームで数日間にわたる研修を実施できることに気づきました。
Teamsで研修のチームをつくり、その下にグループ毎のプライベートチャネルをつくりグループメンバーを登録すれば、そのグループ内での振り返り(ミーティング)、チャット、資料共有も実施できる。研修事務局もすべてのグループに登録することで、個々の振り返り(ミーティング)に自由に参加することが可能となり、新人の理解度把握、悩み・不安点の理解をオンラインでも不足なく行うことが実現しました。チャネルごとの投稿、全チャネルへの一括投稿も可能で便利でした。
Zoomでのブレイクアウトセッションを利用した場合、複数日にわたり固定メンバーでのグループワークを小刻みに行う場合、割り当て作業が手間です。また、Zoomではチャット履歴を残すために都度保存を行う必要もありますが、Teamsのチャットは残っているので見返すこともでき便利でした。

④欠席者がだれかすぐに分かる
Teamsでは事前に参加者を登録することで誰がログインしていないかをすぐに知ることができます。
Zoomで同様のことをおこなおうとすると運営負荷が高く、この点でもTeamsの活用は利点がありました。

3. Zoomでしかできないこともある!なんといってもブレイクアウトセッション。そして名前と顔を一致して覚えられる意外なメリットも!

Teamsの良かったところをお伝えしてきましたが、やっぱりZoomも活用した理由を3つに纏めました。
①「ブレイクアウトセッション」
『Zoom=ブレイクアウトセッション』というイメージを持っている人も多いのではないでしょうか?
確かに使ってみて分かったことは「本当に便利!」ということ。
研修内でグループワークを行う際に、Zoomでは何度でも、違うグループを設定することができます。
さらに研修担当者はすべてのグループに入退出してチェックすることができます(複数名の場合は共同ホストにしておくことが必要)。
また、複数回ブレイクアウトを行う場合「先程のグループでもう一度行いたい」と講師が思った場合には直前のブレイクアウトグループが反映されているため可能。(違うグループに変更する場合は再作成を選択すればOK)
任意のメンバーでブレイクアウトしたい場合でも、参加者の名前を「グループ番号+名前」に変更してもらうことで視認性を高め、割り振りの作業効率を高めることができます。
ただ、ブレイクアウトセッションのグループ数の設定や未割り当て者への対応は工夫も必要。またホストが資料共有も行いながらブレイクアウトセッションを実施するのは困難なため、講師とホストは分ける運用をしました。

②受講者みんなの顔を見ることができる(名前と顔を一致して覚えることもできる)
研修担当者の不安には「PCの向こう側でみんなきちんと受講しているのか」があると思います。
Zoomではギャラリービューにすることで受講者を一覧で見ることが可能になる為、画面の向こうでの状況をキャッチすることができます。
また、新人ならではですが、同期同士も研修事務局も「顔と名前を一致して覚えられる」というメリットがあることもやっていく中で気が付きました。実際に新人からも「まだ直接は会ってないけど同期の顔と名前を覚えることができました」との声があがり、事務局の想定を超えた反響がありました。
Teamsでは画面に映る人数が限られ左下に「+○○名」と表記されてしまう。参加者から「ピン留め」を行えば特定の人を見ることは可能になりますが、都度手間がかかります。

③パスワード設定で余計な参加者を追加させない
ZoomではURL発行時にパスワードを設定できる。受講者にのみURLとパスワードを共有することで、参加させたい人のみ招集できる。
Teamsももちろん可能だが、全社内でTeamsが導入されている場合は注意が必要。受講者も参加者追加が可能なため、
誤って検索機能などを使用した際に関係ない社員を招待してしまう場合がある。招待を受け取った社員が承認してしまった場合、
退出させるのにも苦労がかかる。この点は参加者に注意を促す必要があります。実際に受講者が誤って先輩社員を研修に「招待」してしまい、珍客が紛れこむアクシデントがありました。笑

4. TeamsでもZoomでも、オンライン研修やってみて気付いた良いところ・注意すべきところ。

Teams、Zoomそれぞれの良かった点をお伝えしました。ツールにかかわらず、オンライン研修をやってみて感じた良いところはいくつもあります。
その中で「研修ならでは」という点を2つ挙げたいと思います。
① 座席に左右されない!誰もが資料を見やすい環境に。
大人数の研修を担当されたことは経験あるかと思いますが、後方の席の人から「資料が見えません!」と言われたことはないでしょうか。実際に私たちの新人研修でも毎年、後方の席の人に申し訳ないな…。と思うこともありました。
ただ、オンライン研修では画面共有をすることで、誰もが資料を見やすい環境になります。
細かい文字が多い資料でも、見やすくなることは受講者にとって大きなメリットだと思います。

② 自分からは話さない人、とも同じグループになって話す機会が強制的に作られる。
集合研修を行っていると新人は時にどうしても仲の良い人、同じ大学出身の人、同じ部門の人で集まる傾向があり、新人研修期間で一度も話さない人というのが出てきます。現場に配属されてしまうと尚更話すことは少なくなります。
オンライン研修ではブレイクアウトセッションを代表に研修事務局で自動的(強制的)にグループ生成され、話さざるを得なくなります。そうすることで新たな出会いに繋がります。

③ やっぱりチャット機能が良い!アクティブになることで講師もノッテくる。
チャット機能を皆さんはどう思いますか?実は私たち研修事務局でも賛否両論ありました…。
「チャット機能なんて使いこなせる?」「個別に私的なチャットをするんじゃない?」「みんなチャットに書きこむかな?」などなど。
しかし実際に使ってみると、新人同士という心理的な安全もあってか、積極的な書き込みが多くありました。当社の場合は、簡単なYes/Noから、質問をチャットに書きこんでもらったり、グループ発表の感想をチャットに書きこんでもらったりと活用しました。講師としては受講者が知りたいところが明確になり、そこに向けての説明に力を込めることができますし、受講者同士では自分が書き込んだチャットにいいね!などメンションがあることで反応も分かりやすく、他の受講者も書き込みやすくなります。
研修全体としても一方的にならずに、双方向の動きが発生することで場も和み、講師もそれにより笑顔になり進んでいきます。スピーカーは講師だけだとしても、チャットという機能で動きを出すことができるのは良いところです。

注意すべきところとしては配信会場の準備や接続が悪かった際のバックアッププランなど様々あります。最も大事な点を挙げると研修内容の準備はもちろんですが、オンライン研修では「講師が使用するツールをどれくらい使いこなすことができるのか」を事前に知っておくことになります。
担当講師がどれくらいTeamsやZoomを使いこなせるのか、どこまではできてどこまではできないのか、をしっかりと事前に掴んでおくことで研修事務局のサポート具合を整理することができます。

5.最後に…学びを諦めてほしくない。

最後まで読んでいただき有難うございました。
今回急遽、新人導入研修オンライン化が決まりました。その際に最初に「(事務局として)オンラインだからこのクオリティでも仕方ない」「(受講者には)オンラインだからここまでしか学べなくても仕方ない」と諦めたくないし、諦めてほしくないと想いました。
諦めない想いを持ち実際にやってみた結果、集合研修と同じだけのクオリティを届けられたと事務局は思っています。
新人研修で初めてのオンライン研修ということで越えなくてはならない壁が多くありながらも研修事務局だけでなく、IT関連部署や社内講師など全社的なサポートがあって取り組めることができました。
オンライン研修の際は「実際に受講者がどう見えているのか」知る為に事務局の誰かが受講者側に入ってみることも大切です。
何十年にもわたって実施していた集合研修がオンラインになることで何か違いは出るのかどうか。
数年後振り返った時に、2020入社は一味違う。と会社の中で、社会の中で、ポジティブに評価される時代が来るよう、これからもオンライン環境でフォローアップをしていくつもりです!