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青山で、富山をTabiする。

食材もまた、人と同じように、誰と出会うかで人生が変わる。

富山県が、鳥羽周作シェフに出会ってしまった。
富山に住む人でさえ体験したことのない、富山が生まれた。

ミシュラン1つ星レストランSioのオーナーシェフ、
鳥羽周作さんが設計から関わってできたオールダイニングレストランHotel'sでは、Tabiという企画をやっている。よくある地方の食材を使って料理します。というやつではないんです。

ロードムービーを撮るように何の計画もなくその地域を旅して、その先々で出会った食材から料理を作っていくという企画。
だからこのTabiで出されるものは、その地域に行っても食べることができないんです。
1回目は佐賀で、それも運良く体験できて、その時も大いに感動したという話はこちらから。

この体験は、佐賀を旅するというか、
佐賀の人も知らない佐賀の本質に触れるという、
とても不思議な時間になりました。

そして2回目のTabiが富山。
僕の生まれ育った町、30年以上住んでいる町です。

富山の食材といえば、やはり魚。ブリや白エビやホタルイカ、あと消費量が日本一で僕も大好きな昆布。
どんなお皿に出会えるのか、分かることは、見たこともない富山に出会えるということ。

最初のお皿は水にフォーカスしたもの。
僕が住んでる黒部市は特に水が豊富で、会社も家も井戸水で、蛇口をひねると美味しい水が出て来ます。なので、水道代はゼロで、下水はひとり1000円/月です。都会の人に話すとかなり驚かれます。

生地にある前名寺の湧水

海の方の生地(いくじ)エリアでは、20箇所以上の場所から水が湧いていて、夏は野菜やスイカを冷やしたりしています。昔はそれこそ洗濯にも使われていたそうですから、湧き水が暮らしを支えています。

そしたこの豊かな水は、3000m級の山々が連なる立山連峰に降り注いだ雪が解けて土に染み込み100年近い時間をかけて湧き出しています。何でしょうこのロマン感。

さて、さすが鳥羽さんチーム、
いち早くこの水を察知して、富山の水と鶏と昆布の合わせだしに。

それからブリ大根が再構築、
Sioのシグニチャである馬肉のタルタルが昆布締め、
ほうれん草のラビオリ、富山豚のスライダー、
酒粕のアイスなどなど、
毎度のことながら想像を遥かに超えた新しい富山を体験させてもらいました。
僕が子供の頃によく夏祭りで食べていた「あんばやし」(こんにゃくを串に刺して味噌で食べるもの)はこれもご当地スタイルを踏襲してルーレットで本数を決めるという、遊び心が憎いです。

あんばやし
ルーレットで本数決め

そして何より心を動かされるのは、
これはHotel'sはじめSioグループのお店すべてそうなんですが、とにかく愛がすごい。
愛なんてのを気軽に使っちゃった日には安っぽさしか残らないんですが、彼らは本当にラブ100%。
だって、このTabiのためにレストラン休みにしてスタッツ全員で富山に来たんですから。
だからもう、料理を説明するたびに富山愛が溢れちゃってるんです。もはや僕より詳しいんじゃないかと思うほど。

料理は技術とか店構えとかだけじゃなくて、
そこで働く人たちの愛で決まるってことが、
これでもかというくらい伝わります。

だから心から美味かったなーって、今でも思い出してしまうほど、今回のTabi体験が体の隅々まで行き渡ってるんです。

それにしても富山は最高です。
次はどんなTabiが待っているのか。

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