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息子へ。

あなたが生まれて3ヶ月と13日が経ちました。
しあわせな毎日をくれてありがとう。

人間は忘れてしまう生き物だから、
どんなに幸せな毎日を過ごしていても、
些細なことは忘れてしまう。
でも、些細なことにこそ、幸せは詰まっていて。

だからあなたが生まれてきてくれて、
母と父はどれくらい嬉しかったかを、
書き記しておこうと思う。

2020年は東京オリンピックが開催されるはずの年で、
あなたはオリンピックベイビーになる予定でした。
でも、新型コロナウイルスという新種のウイルスが世界中で広がってしまって、
オリンピックは延期になり、世界的に経済がひどいことになりました。
マスクがなくなったときは、洗ったりもしながらマスクを確保しました。
あなたが生まれた後に使うためのガーゼもお店から消えてしまいました。

病院に行くこともなかなか大変で、
あなたが母のお腹の中にいたときの健診、父は1度しか一緒に行けませんでした。
生まれる前の日も、入院のお部屋に僕は行くことができませんでした。

細かいことを言えばもっといろいろあって、
なかなか大変だったのです。

そんな中、本当によく生まれてきてくれた。
ありがとう。

あの日、9月16日9時くらいから、父は母を手術室へと見送ってから、
無事に手術が進み、あなたが無事に生まれ、父のもとへと運ばれているのを
祈るような気持ちで待っていました。心配と楽しみが入れ代わり立ち代わり襲ってくる不思議な時間でした。
そして10時7分。生まれたばかりのあなたが僕の元へと運ばれてきたのです。
よく、出産に立ち会って泣いたという話を聞いていたので、
僕も泣くのかなと思っていたんですが、そういう時に限って泣かないものです。
目の前のあなたが僕の子供と言われて、喜びの前にどんな反応をして良いのか分からず、ぽかーんとしていたところに「写真撮らなくていいですか?」と看護師さんに言われて我に帰りました。

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パシャリとiPhoneのシャッターを切ったらすぐにあなたは扉の向こうへと運ばれ、父は窓越しにあなたをジーッと見ていました。

後で知ったんですが、モロー反射というらしいんですが、
父はあなたが万歳しているように見えて、嬉しかった。
生まれたぞー!イエーイ!って喜んでるのかな?って。

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ほどなくして今度は母が手術室から戻ってきて、
ただ麻酔があまり効かないまま手術したらしく、
とっても痛かったみたいで疲れていました。
「お疲れ様、ありがとう」とだけ伝えて、
母もまた扉の向こうにある病室に向かっていきました。

それから1週間、退院の日、とても小さくて軽くて温かいあなたを抱っこした時の感覚は今でも忘れずにいます。

ちょっとでもニコッとしてくれればとても嬉しいし、
オムツを換えるのもすごい楽しいし、
泣いてもかわいいなって思っちゃうし、
何も話せないし、動ける範囲なんて限られているのに、
あそこに行きたいとか、あれしたいとか、すごい考えてしまう。

仕事好きだけど、毎日早く帰りたくて仕方ないし、
出張だってできれば日帰りしたい。

母は今まで見たことのない可愛い笑顔を見せてくれます。
父はそれを見て幸せな気持ちになっています。

もうすぐ2020年が終わります。
あなたのおかげで最高に幸せな一年になりました。
どんな人生を歩むか、それはあなたが決めたらいい。
とにかく元気で生きてくれたら母も父も最高です。

いろんなところへ行こう、
いろんなことをしよう。
一緒に居られる時間はびっくりするほど短いだろうから、
一瞬を大切にしていこうと思う。

生まれてきてくれてありがとう。

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