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異国の地メキシコで先発QBとして挑んだシーズン

シーズンが中盤から終盤になっていく頃、僕は前回の試合出場のプレーを認められ先発QBとして試合に向け練習していたのでした。
迎えた先発として出場する試合はメキシコシティにあるメキシコ国立工科大学(通称:IPN)だったのでバスで片道22時間かけての遠征でした。チームによって飛行機での遠征もあるのですが、僕のいたチワワ州立自治大学(通称:UACH)はアメフト部の予算が限られていたのでバスでした笑。メキシコシティに着く頃にはお尻が痛かったのも今ではいい思い出です。

そんなこんなで迎えた試合当日、対戦相手であるIPNはチームの歴史もあり優勝候補だった為
IPNサイドの観客席は超満員でした。そんな雰囲気に珍しく緊張した僕は行きのバスで初めて試合前に母親に電話しました。(恥ずかしい笑)

電話したおかげもあり、いつも通りリラックスして試合に臨みましたが相手は優勝候補。試合は望むような形にはなりませんでした。序盤味方のミスで先制された僕たちは勢いに乗るIPNのオフェンスを止めることも、相手ディフェンスから得点を奪うこともできませんでした。終わってみれば56−0の大敗。僕のメキシコでの先発デビューは苦いデビューとなってしまいました。

次の試合はホームのチワワでヌエボレオン州立自治大学(通称:UANL)は前年度のチャンピオン。厳しい試合日程が続きます。この試合も先発に起用された僕は元チャンピオンのディフェンスに激しいプレッシャーをかけながらも、王者相手に必死に食らいつきました。一時は勝ち越していたものの、最後には自力の差を見せつけられ24−10で敗戦。試合が終わった後に相手のディフェンスコーチから、「お前が走ったり、投げたりするから止めるのに苦労したよ」というお褒めの言葉を頂くことができました。負けはしたものの多くの収穫があった試合でした。

2019年最後の遠征はメキシコ州トルーカにあるメキシコ州立自治大学(通称:UAEM)は今まで勝ち星がないチームで勝てるチャンスがある対戦相手でした。しかしながら、僕以外の先発メンバーの多くが学校の試験の影響で遠征に帯同できなかったので、試合は接戦になってしまいました。試合慣れしていない控えメンバーとのコミュニケーションがうまく取れず、ミスが多発。勝てると思っていた試合も残り2分で相手の劇的タッチダウンで逆転負け。21−22でまた勝ち星をつけることができませんでした。
帰りの24時間のバスの中で、悔しさと3試合先発して勝てていない自分の不甲斐なさを感じ泣いたのを覚えています。もうこんな悔しい思いはしないと心に誓い、シーズン最終戦の準備をするのでした。

シーズン最終戦の相手はホームでメキシコ国立工科大学(IPN)のもう一つのチームとの対戦。(ここの大学は同じ大学なのにキャンパスが違うだけで、二つのチームを持っているそうです)プレーオフの道は完全に絶たれてしましいましたが、チームとして勝ちたい試合でした。
試合当日のチワワの気温は2℃とかなり寒い気温にもかかわらず、多くのファンが試合に来ていました。序盤は完全にホームである僕たちのペースでリードして試合を進めて行きます。この試合では僕自身の調子が出ず、RBにボールを渡すプレーが多いランニングゲームに作戦変更して試合を進めていました。次第に相手も対応できるようになってきてオフェンスを思うように出来なくなったため、前半終了と同時に交代を告げられてしまいました。

後半はベンチで出場している選手達のサポートをしていましたが、21ー16で惜しくも敗戦。シーズンを通して勝ち星を手にすることができませんでした。僕がチワワに着いてチームに合流した時、期待してくれていたファンの人達に申し訳ない気持ちでいっぱいでした。

初めての異国の地で臨んだシーズンですが、思ったような結果を出すことができませんでした。次の年にリベンジを果たすべく、シーズン途中で痛感した課題の一つであるメキシコ人とのフィジカルの差を埋める為、オフシーズンでフィジカルアップをして次のシーズンではチームとしても個人としても納得できる成績を出せるように固く決心するのでした。

2019年のハイライト動画 


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