中1の時にたまたま理想的な射ができて 以来ずっと同じ動きをしてるだけ
弓の名手であるヒロインの言葉。「中る」は「あたる」と読む。
これ自体は、『かぐや様は告らせたい』のメインストーリーとは大きく係らない、「ヒロインの超越性」を示すためのセリフだけど、読んでいて「あ、そうだよな…」と思った。
もしかしたら、「成功体験」と近い言葉なのかもしれない。
言語化できない。だが反復可能である
とにかく数を射つ。
どれかが当たる。
当たった感覚を繰り返す。
僕はバスケットボールの経験があるのですが、最も基本といえるレイアップシュートは、身についた時、まさにこの感覚でした。このタイミングで踏み切って、このように腕をあげ、ボールをこのタイミングでリリースする、という風に言語化して体得したのではなく、「体がこの感覚を覚えれば入る」といった、極めて非言語的な体得でした。ですが、以来右からのレイアップシュートは絶対に外れなくなりました。
あるいは、多くのみなさんの共通体験として「自転車」が挙げられるかもしれません。
自転車の乗り方、バランスのとり方を言語化して覚えている人はいないでしょう。
でも、これからずっと、自転車を乗ることに成功し続ける。
とくにスポーツや手品などの身体的な動作に多いかもしれないですね。
もちろん、弓道のような繊細な技術でこれを為しているのは、漫画に描かれた超絶ヒロインならではのものだと思いますが……。
理想的な射を待つ「反復」もある
何かを反復練習する時、小さな改善を繰り返して「徐々に上達する」というものも確かにあると思うけれど、できる/できないのゼロサムの成果に関しては、成功するまで成長を感じられないものです。
それでも反復を続けられるかどうか。
そんなときかぐや様を思い出して、「今は"理想的な射"を待っている段階」なのだと自分に言い聞かせることができれば、まだ気は楽かもしれません。
始めた当初は永遠にできないと思えるようなことも、ある時急に成功したりする。
理想的な射を待つ反復練習もあるのだと理解しておくだけで、努力が少し上手になるかもしれませんね。
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