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LINE誤爆して彼のあだ名が本人にばれました

この夏、私は盛大なLINE誤爆をした。
未だかつてない。
私としたことが。

彼と付き合う前、まだ前の彼と付き合っていた(?)頃、今の彼と食事に行く機会があった。その時、私は彼を全く意識していなくて、ただ漠然と「うさぎさんみたいな人だ」と思っていた。それは彼が昔うさぎを飼っていたというからかも知れないが、なんとなく雰囲気がうさぎさんに近い、という印象をもった。

まさかそのうさぎさんと何度か食事を重ねる毎に好きになったとは、口がさけても言えなかった。それは勿論「浮気」に当たると思って、そんな非道なことをできないと思っていたから。
けれど、前の彼には愛情はなく私の意地と我慢と情でなんとか繋がっていたことを認識してしまった。
そう、うさぎさんの登場により。
そして私は意を決して母に相談をした。

それは、母と犬と一緒に母の実家に泊まりに行った時だった。
まだ母とは険悪で、なんとか間を縫って前の彼に電話した時に「なに?今ゲームしてて忙しいんだけど」と冷たく言い放たれた。
少しでも声が聞きたい、話したいと思っていたからなんとか電話をしたのに。
その時に何かが途切れた音がした。
あぁ、無理をしている、と。
私だけが頑張っていて、彼はそれを一切認めてもくれない、と。
悲しさと寂しさと絶望を一人で抱えられるほど、私は強くない。
ましてすでにプロポーズも受けていて返事もしているのに。

帰るまでに気持ちが切り替えらるだろうと思っていた。
そう、疲れているから辛いだけだと。
でも、意に反して新幹線も、電車もずっと悲しい気持ちは変わらなかった。
だから、思い切って険悪な母に話をしてみることにした。誰かに話をすると気が晴れるというから。

心臓のバクバクした音も、手に汗を握る緊張感も、どう切り出そうか迷ったことも、全て鮮明に覚えている。
今だ、と思って切り出したのは最寄駅から家までの通いなれた道でだった。
「私、引っ越しやめようかな」
「どうしたの突然」
「実は、気になる人ができて」

そこからはもう止めることができなかった。
彼に辛く当たられていること、引っ越しをしたくないこと、家探しでのいざこざのこと、もし結婚したとしても不安だということ。
そして、他に気になる人ができてしまったこと。

母は話を静かに話を聞いてくれた。
そして、こう言った。
「私があなたの結婚に反対をしているのは、あなたが幸せになる未来がみえないから。引っ越しは一度延期したら?お母さんが体調が悪いからでも良いし、お母さんに止められているからでも良い。私を悪者にして事が収まるのであればそれで良いから。きちんと不安を解消してからでないと、私も送り出せない」
「あと、とんとん拍子に事が運ばない時は何か理由があるのよ。考え直しなさい」

そして、その時の母の言葉のおかげで、私は今、その時に出会ったうさぎさんと幸せに暮らしている。
母は強しだ。

LINE誤爆の話に戻そう。
そんなことで、私は母に頭が上がらない。万年反抗期だった私の反抗期にも終わりがきて、今は親子として良好な関係にある。
それは他でもない彼に会って、好きになってしまったから。
そのことも母に相談した。もとより恋愛話が好きだった母は、興味津々で根掘り葉掘り聞いてきた。
どういう彼なのか、家庭環境や、性格、写真までも。
母とそういう話ができるようになって嬉しかった私は全てを話した。
雰囲気がうさぎさんっぽいということも。
そして、私と母の間では「うさ」という隠語で彼を呼ぶようになった。

付き合いだしてからも変わらず、母と彼の話をするときは「うさ」と呼んでいる。
そして、そのことを彼は知らない。
普通に考えて男性がうさぎさんと呼ばれていることを喜ぶはずがないと思っているので、彼の前では絶対に出さなかった。

けれど、その日はやってきた。
母にうさとあった嬉しいことを報告した時に、私は間違えて母ではなくうさ本人に送ってしまった。
私は誤爆したことに気付かず、
「うさ?」
という、うさからの返事で気付いた。
誤爆したことに。

ちーーーーん

とはまさに。

おかしい、母に送ったはずなのに、なぜ。
しかもバレてしまった。うさと呼んでいることを。

母にも誤爆したことを報告した。
「素直に経緯を話せばいいんじゃない?怒る人じゃないんだし」

なんと母、とても楽観的。

しかし、この母の読みは当たることになる。
悔しい。


用事を終えて帰ってきた彼。
お布団にくるまって彼の様子を伺う私。

「怒ってない?」
「これはお母さんに送ったつもりのLINEだなってすぐに分かって、勝ちって思った笑」
「悪口じゃなくて良かった。俺の知らないところでならうさって言ってても良いよ。やめてっていってもやめられないでしょ笑」

と、とても穏やかな回答。
きっと彼は薄々気づいていたのだと思う。
心配になるほど優しくて心の広い彼、見た目に反して聡い彼のことだから、きっと。
でも言わなかったのだと思う。
楽しそうだから良いか、と。

とっても長い前置きではあったが、以上がLINE誤爆した現場からの報告です。

私の間抜けさと彼の寛容さが垣間見れるエピソードでした。
私は懲りずに呼び続けるよ、うさと。
だって可愛いじゃん。



Love mitsuha__

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