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「金子みすず伝 明るい方へ」神田京子大独演会②

こちらの続きです。

さて、当日は朝からザワザワ。
「とうとうこの日が来た!」とフェースブックやメッセンジャーでのやり取りで盛り上がりが伝わってくる。北海道から、京都から、岡山から、全国各地から有楽町ホールを目指して民俗大移動ですよ!

私も足を骨折してから、初めての電車に乗っての遠出、娘にお願いして付き添いを頼む。

マスターシューフィッターに選んでもらった靴でガッチリサポート

杖をつきつつも、たどり着いた読売ホールはものすごい人!熱気に包まれる。
キャー!と、あちこちで知り合いにぶつかっていっぱい会えてうれしい。なんか、生きてるエネルギーを浴びてる感覚。みんなもこの日を迎えたという高揚感がすごい。
そうかー、お祭りなんだなぁ。

ロビーには、みすずさんの世界を味わう場所が。世界観が広がりますね〜。

みすずさん20歳の写真 デビューされた頃
少女時代の聡明なお顔
仙崎の風景
私も赤と黒と白のファッションでシンクロ

読売ホールを埋め尽くす1000人の熱気(実際には、学生席などで、さらに100席プラス)の中、登場する京子さんの華やかさ。

山口に移り住んだことで東からだけではなく西からも見えるようになったこと
地方の大名たちが支えてきたんだと両方の見え方ができたこと
コロナの頃だからこそ、人に寄り添うような物語を作れないかと思っていたこと
金子みすずが山口出身だということを知った時のこと 調べるほどに、どんどんとのめり込んだこと
そんなことをご挨拶と共に話してくださいます。
今回は学生さんもたくさんだったし初めて講談を体験する人もいるからと、短いものをいくつか紹介してくださる。
出会いのハードルを下げてくれてるんだなぁ、とじんわり。

特別ゲストは落語家の春風亭一之輔さん。
落語は会話のやりとりで進む芸なんだなぁ。
会話を聞いてるだけなのに、景色が浮かんでくる。「初天神」という話。
子どもの生意気さや父親の困るところ、でも、子供心を思い出してどんどんと逆転していくところとか、内容を知ってても話し手さんで見える顔が違って面白い。
団子のみたらしをなめるシーンが好きだと夫も喜んでた。

それから、ブルーベル合唱団の天使の歌声でみすずさんの詩を歌う
うっとり

合唱団によるみすずさんの詩を歌に

京子さんの「みすず伝」は、やさしい太陽の光が見えてくるような仙崎の港から始まる。
鯨の街として知られた港が、真っ赤に染まる鯨漁。お腹の中に残されてた小鯨。喪う人たちの気持ち。
お魚の詩を読むみすず。
海の中での魚の気持ち
かわいそう、という視線
知らない世界を学ぶことに喜びを感じ、
聡明さとやさしさを持って育ち、
たくさん感じることをしてきて、
下関という都会へ出ることで
さらに仙崎の美しさや豊かさに気づくみすず。
文学サロンで、実の弟と一緒に歌を作り、
西条八十の詩を見て、自分もこの世界だったら生きることが出来るのではと、童謡詩を書き始め投稿したものが雑誌にのり、輝くようにその才能を開花させていたみすず

さまざまな理由から、自分のことは一歩引いて選んだ道は、それからの人生をゆがめてしまったけど、最後まで娘のことを一番に考えて決断していくところは、何度聞いても泣ける。

全然、世の中に知れ渡ってないみすずを発掘した方によって、その後現在では世界15ヵ国で翻訳されまでしているとのこと

その方が、今回なんと来られているとのこと。
弟さんが持っていた520の詩がしたためられた3つのノートを預かった時のドキドキな話など、裏話を聞かせていただきました。

よくぞ、守ってくれた、というノートがあり、それを世の中に広めた人がいる。
出版社の人が仕事が終わってから作業してつくったそうです。

そして、今、1000人の前でみすずさんの話が浸透していくこと。

これからの時代、争いではなく、競争ではなく、みすずさんのようなやさしいまなざしで世界を見ていくことが大切になってくる。

京子さんの、心に響く言葉たちがおりなす世界がたくさんの人の心に刺さって、やさしいまぁるい世界が見えてくるようです。

大独演会、おめでとうございます。
次は、25周年、渋沢栄一とのこと。
混沌とした時代を、農家から武士、商人へとそれだけ自分の身分が変わって行った人はいない。
論語と算盤、どう京子さんが料理するのか楽しみです!
次は、武道館でお会いしましょう。

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