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両極端な先輩に挟まれた時の思い出

定期的にふと思い出す事があります。
それは両極端の考えを持つ先輩に挟まれた時の事なんですが当時私は派遣社員として図面を書く仕事をしていました。
その時は建築ではなく、病院内で使われる機械の図面を書く仕事だったので知識もCADの使い方も0の状態でお世話になっていたので、先輩たちのいう事をそのままこなす事だけで精一杯の時期でした。

私がいた部署は施工を担当する部署で、先輩はみんな現場の職人気質の方。
若い人いましたが、私に指示をくれるのは60歳近いベテランの方がメインでとても優しく指導してもらいました。
基本的にはその指導係の先輩から指示をもらうんですが、たまに違う先輩から指示をもらう事もあります。
1度、違う先輩から指示を貰って機械の姿図を描く事になりました。
大きな四角い箱の表面にボタンやスイッチなどがつくんですが、それらがどの位置にあるか、がわかる図面です。
お手本を参考になんとなくバランスを整えて図面を仕上げて指示をくれた人の元に持っていくと
「なんでこのボタンをここにしたの?」
と聞かれて私は何も答えられませんでした。特に意味が強くなく、お手本を参考に自分の感覚でバランスよく付けただけです、と答えると
「僕がこれをお客さんに見せた時にきっと聞かれると思うし、その時に答えられないと困るから、意味を持たせてくれる?今から違う現場に行かないといけないから、また帰ってきたら直したの見せてね」
と外出されました。

こりゃ困った。自分一人じゃ意味を見つけられれない!と思った私は指導係の先輩に
「〇〇さんにこの図面出したら、ボタンの位置関係に説明できる意味を持たせてほしいと言われたんですが、どういう風に考えたらいいですか?」
と質問すると
「ボタンの位置に意味なんかないよ!みつばちゃん、生きてる意味ってある?ないでしょ??そういう事!」
とあっけらかんと言われて、暫くフリーズしちゃったんです。
その時は「この図面を持っていく人の気持ちや指示を優先して図面を書いた方がいい」と思っていたので「意味が欲しい!」と慌てたんですが、とりあえずその図面を提出し終えた時に
「意味をつけてほしい」と言われた事と
「意味なんかないでしょ」と言われた事を思い出して「どっちが正解かって問われると難しいな」と思いました。

「生きている意味あるの!?ないでしょ?」
はなかなかのパワーワードで、思い返すと笑っちゃいます。すごく性格というか価値観が見えた両者の言葉だったなぁと思いました。

プライベートでも話をする中でいろんな方の価値観のお話を聞いていると、
タイミングによっては大きく気持ちがブレたり、苦しくなったり反発したくなったりする事が私にはあります。正解なんかないとわかっているのに。
でも、なんとなくこの時の事を思い出すと「ま、そんな事もあるか」と心が軽くなります。
きっと良い先輩たちだった、というのが大きく影響しているんだと思います。

ただ、部下というか後輩としては先輩のいう事が両極端だと困るなぁとは思っています(笑)

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