「視点」で混乱してるのは私だけじゃないかもしれない。
少し前に自分の視点の狭さ・個性に気付いてから
いろいろな事に対しての見方が少しずつ変わってきている気がしています。
この38年間、個の視点でしか世の中を見ていなかった私は基本的に「自分は自分、人は人」という考えでした。
個の集まりなんだから誰一人同じなハズがない。
だからこそ「共感」というものに憧れや安心感を人よりも大きく感じていたと思います。
全人類が「個」だと思っているので「共感」がなかなかのレアケースだと思ってたんです。
なので、自分とまったく違う人がいる事の方が「当然」なので、たまに見かける”自分の意見を人に強要する人の存在”が不思議でしょうがなかったんです。
みんな違うのが当たり前で、だからこそ「共感」を見つけた時は嬉しいよね、という感覚でいる私にとって「これに関してはこう思うのが当然だろ!」とか「普通こうでしょ!」「これが常識だ!」と言っている人の真意がわからなかった。
でも、最近気づいた”大衆の視点”で見るとみんなと同じ意識を持つ頃は自分たちの生命や安全を守るために大切だという本能が働くのかもしれないな、という事を思いました。
米文化の国は特にそういう考えがDNAに組み込まれている、というのを何かで見た覚えがあります。
お米を育てるのって機会がなかった昔では、かなり大変な作業で、みんなで同じ目標に向かって、同じ価値観で、協力して作業しないとうまく育たない。米が育たないと食料不足で生死に関わる。
そんな環境が日本人を「集団主義」と言われる背景にある、というような事が書いてありました。
それが、自分と意見の合わない他者に強く「自分と同じを強いる事」に繋がっているのかな、と思っていたんですが、昨日友達と話をしていて違う考えが生まれました。
友達と話していた内容は「本の読み方」の話です。
私、小説を読む時はかなり本の中に没入するんですが、その時本の中の主人公に憑依して物語を読んでいます。
特に憑依がすごかったのがハリーポッター。
性別も国も環境も何もかも違う主人公でしたが、本を読んでいる間、私はハリーそのものです。
額に傷があるような気になるくらい。
なので、かなり感情が持っていかれます。
辛い時いは本当に辛い。
なので、小説はハッピーエンドものしか読みたくないです。
マンガや映画・アニメも割と没入しますが、視覚で自分と違う主人公を確認してしまっているので小説ほど憑依はしませんが心だけ持っていかれる感覚はあります。
小説の時は思考も持っていかれるので、ハリーが自分と違う価値観の行動を取った時に物語からパーンッと弾かれてしまう感覚があります。
「なんでハリーそんな事するの?」とパニックになって、そこからはあまり読み進められなくなります。
小説や物語を読むと私は当事者になるんです。
なんですが、友達は「物語の世界にいるけど、モブのような感じ」という私とは違う視点で物語を楽しんでいました。
そこで思ったのは「文字だけ」という媒体は人によって「どういう視点で言葉を受け止めているか」に差が出やすいのかもしれないな、という事。
私は主張の強い方が多い大阪で長い間生活してきたけど、たまたま飲食店で隣の席とか、声が聞こえる範囲にいる人たちの会話に、他者が「それはどうなの!?」とか「そうじゃないでしょ!」と突然声を掛ける人を見た事はない。
(居酒屋でお酒がだいぶ入ってる場合は除く)
ネットではないリアルの世界で自分と違う意見を聞いたとしても「うちはうち、よそはよそ」という自他境界が引かれているからだと思います。
もし、思う所はあったとしても知らない人に突然自分の価値観をぶつけたり、自分の意見に同意・共感を求める事はしない。
でもそれがネットの世界だとそうではない。
よく「顔がばれないから」みたいな話が出るけど、本当にそれだけの理由なのでしょうか。
リアルとは違う視点で見ている事も原因の1つにあるような気がします。
自分の所有物であるスマホでSNSを見ている、という行為がもしかしたら統治者である自分が民の意見を見ているという、視点を生んでいる可能性がないか、とかSNSを見ている間は現実の自分とは違うキャラクターが自分に降りてきてその人の視点で見ているとか、そういった事がありそうだなーとなんとなく思いました。
人の人格は1つではなくて、親の前での人格、友達の前での人格、職場での人格、子の前での人格といろいろあると思いますが、ネット上での人格があって、その人独特の視点というのも存在するような気がしてきました。
そう思うと「視点」の事で混乱しているのは自分だけじゃなくて、もっとたくさんの人に起きている事なのかもな、と思うとちょっとほっとする所もあります。これを自分なりに紐解くとおもしろい発見もある気がしているので、ゆっくり考えていこうと思います。
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