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【高円寺】前衛喫茶マチモ

前衛喫茶マチモは、サブカルチャーとアンダーグラウンドしこたま煮詰めタウン・高円寺にある。駅前のうっすい高円寺を感じながらルック商店街を突き進み、アーケードが抜けたあたりから、高円寺が濃くなってくる。ここまでくれば、もう近い。マチモの目の前に無機質なゆうちょATMがあるのは、入店前や入店後、キマりすぎた高円寺を薄めてちょうどよくするためで、夜風のような作用をもたらす。

 わたしがマチモを知ったのは高校三年生の頃だ。田舎でツイッターに毒され、偏屈を拗らせまくっていたわたしは、ツイッターのフォロワーが呟いていた「マチモなう」を見て猛烈に嫉妬。故郷をディスるツイートが止まらなかった。まだ見ぬマチモはアングラデパートなんズラな〜〜と地団駄を踏んだ。当時のわたしは何故か、マチモは4階建てくらいの雑居ビルで、その中身の全部がマチモだと思っていたし、高円寺って八王子の近くだと思ってた。八王子から先の「本当の東京」を知らなかった。八王子だって本当の东京ですよね、失礼しちゃう。

チェーン店の寿司屋でシャカリキバイトして得た雀の涙な賃金で鈍行に乗り、白鶏さんに連れられて初めて足を運んだとき、「アングラのメッカに来ちまった」とめちゃくちゃ緊張したのを覚えている。作家達の「念のような何か」が詰まった作品が、壁一面を覆い尽くすようにギチギチに並んでいる。過圧だ。緊張していて呼吸が浅く、「ここ酸素薄いのでは?」と思った。

今では起き抜け・仕事帰り・変な時間にご飯が食べたい時など、気兼ねせず様々なシーンでマチモを訪れている。东京に住めてよかった。わたしも大人になったものだ。筆舌尽くし難いマチモのスゴさがよくわかるように、(あとみつばちの作品を見てねという気持ちを込めて)動画を貼ります。便利だ。

昨年夏、白黒展のとき。動画作ってくれた真夏夏さんありがとうございます。

白黒展、占われたり肩を揉んだりし、各々展示会を大満喫するみつばち。

ちなみに、マチモのトイレはフーディーで撮ったって盛れるので賢妻賢女の皆さん是非、携帯を持ってお手洗いへどうぞ。


2014年の春、みつばち寫眞舘がはじめて個展をやらせてもらったのもマチモです。マチモ経由で繋がった作家さんと仲良くなって、さまざまの催しに出たり、デザフェスに出たり、イベント喫茶をやったこともありました、とにかくいろんな、外側の世界との関わりをもたせてもらうことができました。ありがたいことです。

 マチモは喫茶店だけど、美術館のようであり、図書館のようであり、博物館のようで、コーヒーとスイーツがおいしい喫茶店である。こんなご時世だけど気をつけて、おしゃれして、前衛で殴られにきてみてはいかがでしょうか。

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