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相性良く買える会社には滅多に出会えない

 個人で買える会社なので、ピカピカの会社はありません。ただし譲り受けた後に、うまくいけばお金も入りますが、お金の面ではプラスマイナスゼロだとしても、生きている実感のある時間を過ごすということは、心身ともに健康でいられると思います。

 もちろんお金が目減りするリスクも大いにありますが、株式会社のリスクは本来有限にできますので、自分で「これ以上損が出たら清算する」「個人保証には入らない(あるいは●円以上は入らない)」と線を引いておけば、無一文になるわけではありません。

 「素人が手を出してうまくいくほど、事業・ビジネスは甘くない」というのは正しいご指摘です。ですので、自分一人で色々とできる人はそうすればいい(私はサラリーマン時代の仕事がたまたまそれに相性が良かっただけで、一人で完結できる人は滅多にいないと思います)ですし、自分の不得意なところに関しては他の人の助けを借りればいいのです。

 極端に言えば、お金だけ出して事業のオペレーションは他の人にやってもらってもいいでしょう。もちろんそれを誰にするかというのが最初の最大の課題になりますが、その後必ずいくつも出てくる課題と同じような1つでしかありません。

 何事にも、リスクのないリターンはありませんし、課題のない目標はありません。ただ、あまりにも身の回りのサンプル数が少ないため、聞いたことがない話であるために「個人で会社を買うって、どういうこと??」と思われる方が多いかと思います。私は、資金力がある程度(どの程度なのかは本書内で説明します)ある人で、今の目の前の仕事に情熱が沸いてこない人や、自分の腕を試したい人など、もう一苦労したうえでエキサイティングな日々を過ごしたいと思っている身の回りの人には、本気で勧めています。1つの形を作って共同で取り組んだりもしています。

 私は買収したのは3社ですが、そこに至るまでには1年半で40社ほどの会社を買収できるかどうかを検討していました。具体的に条件を提示したものの、他の会社(買収を検討していた会社の同業他社です)が引き受けたのは2社くらいありました。

 「1年半でたった3社?」と思われたかたもいると思いますが、投資会社で自分たちの資金を減らさないことを前提で活動したとしたら、検討案件数はもっと多くなり、1年で1社の買収成立でも上出来なほうです。こうした活動は今後も続けていきますので、もっと経験を積んだらまた違う話が書けるのかもしれません。

 「個人で会社を買う」ということの流れや効用を、このマガジン「会社員が一生モノの“実のある仕事”を創る方法」を通じて理解を深めていただければ幸いです。

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