②参加人数が少ないので、個人買収の競争は不動産投資とは段違いに好環境
2014年の日経ヴェリタスの記事によると、株の個人投資家は1200万人もいるそうですが、不動産投資家も急激に増えてきて、320万人になっているそうです。
就業者人口が約6500万人ですので、結構な割合だと感じます。不動産への投資は雇用の不安定化や年金不安などを背景に、この10-15年くらいでサラリーマンによる参加が相当拡がってきました。当然、建てられる場所や建っている家屋が限られているために物件単価も上がり、2012年に取引された物件平均単価は1000万円だったのに対し、2014年は1400万円になっていたそうです。
一方で非上場の企業投資は、そうした株や不動産投資と比べたら、圧倒的に参加人数は少ないです。ですので、個人として買収実績ができてからの私には、月に2-3件以上の小規模事業者の譲渡相談が持ち込まれ続けています。そのほとんどがとりあえずは検討に値するもので、データを見た瞬間に断ったことは自分がやらないと決めている業種以外にはありませんでした。1つ1つ個性があるので、情報を見るといつもワクワクします。
色々なことが手探りですが、買い手の競争相手が少ない一方で、売り手は増えていくので参加者としてはチャンスと捉えています。いわゆる事業承継問題が横たわっているからです。
2012年の内閣府のデータによれば、100人以上の規模の会社は6万社である一方で、従業員数が10~100人の会社は110万社、10人以下は427万社あります。そのなかで帝国データバンクが企業概要情報を保有している115万社を対象に調べたところ、社長の平均年齢は2015年に59.2歳で、3年連続で上昇しているそうです。うち売上1億円未満の会社では60.2歳だそうです。今後、中小企業のM&Aは増えていくことが予想されます。
売上が10億円を超えるとファンドなどの“ちゃんとした”法人による争奪戦になりますが、売上2-3億円以下の世界には、同業他社以外はまともな買い手が本当にいないようです(著者が何人ものM&A仲介者から聞きました)。ですので、ビジネス経験がある程度あって信用があれば、誰にでも機会はあります。
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