見出し画像

私が子どもに教えられていること

私は、既に社会人として自立している娘と息子の母であり、保育士であり、身近に子どもがいる生活を30年ほど送っている者です。

母になる前の18年間(子ども時代)は、一人っ子として生活してきたので自分以外の身近な子どもは、数少ない友達ぐらいでした。子ども時代に、“子どもから教えられた”と感じた経験は思い出せません。

私が“子どもに教えられた”と感じた経験は、親業と保育士業の中にたくさんあります。今回は、その中で一番大きいと感じている学びを書いてみようと思います。

子どもに教えられたと思っていることを短い言葉で表すと・・・

“自分の知らないことを学べることの楽しさ”です。

〜親業を通して〜

私は、自分の子どもを育てている時に初めて子どもに対して“愛おしい”という感情を持ちました。“この子の為なら何でもできる”という、謎の自信がムクムクと湧いてくるような感覚を今でも覚えています。

育児真っ只中は、思うように行かないことも多く大変さを感じていたように思いますが、今では学びが多く幸せで楽しい時間だったと思っています。

何故なら、子育てを通して初めてのことをたくさん経験することができたからです。妊娠した喜びと不安から始まり、マックのポテトが無性に食べたくなる妊婦時代や、出産時の痛み、離乳食作り、目を合わせて笑い合う嬉しさ、夜泣きに付き合う大変さ、夜中の救急病院に行く心細さ、幼稚園入園で離れて過ごし始める寂しさや心配ごと、運動会の活躍を見た時の喜び、反抗期の苛立ちやもどかしさ・・・などなど、挙げたらキリがないのですが、自分勝手で幼かった自分が子育てを通して一人前の大人になったような、子どもを育てていると言いながら、自分育てをさせてもらったような感じです。

子育ては、自分が知らない自分の感情に出会い、味わう時間だったと今では思います。

そして、子育て中に幼児期の子ども達が集まる幼稚園という場で働く幼稚園教諭という職業に興味を持ったことがきっかけで、保育士という職業に就きたいという思いを持ち、保育士の免許を取得することに成功しました。

〜保育を通して〜

保育士として、保育の現場に携わる中で育児中には分からなかった子どもの面白さや育つ力に触れ、新しい発見に出会い、刺激的な日々を送っています。

子どもって、ただ遊んでいるように見えても、その遊びの中で色んなことを感じ、考え、試して、発見してまたやってみる・・・ということを繰り返しやっているんです。本当に、繰り返し、繰り返しやっていて、大人から見ると“またやってる”というように見えるのですが、その繰り返しの中で大人が思いもしないようなことを考えている場合もあるのです。

私は、ダンゴムシという生き物が乳幼児期の子どもにとって魅力的で人気がある生き物だということを知りませんでした。冬から春になり、ダンゴムシが園庭に出てくると、子どもは“何か動いているぞ?”“これは何だ?”という眼差しで、ダンゴムシを観察します。

ダンゴムシに興味を持った子どもは、毎日のようにダンゴムシを探し始めます。すると、段々ダンゴムシがどのような場所にいるかが分かってきて、見つけるのが早くなります。そして、ダンゴムシを捕まえ始めます。

最初は、ダンゴムシがどのようなものか分からないからか、怖くて触れない子どもも周りの保育士や子どもが触っているのを見ると、自分も触ってみたくなって指先でつついたり、手の平に乗せてみたりしていきます。そして、シャベルなどの道具や素手でダンゴムシを捕まえ始めると、段々と捕まえるコツが分かり、バケツの中にたくさんのダンゴムシが集まります。

バケツの中にたくさんのダンゴムシ・・・想像すると、ゾッとするような絵ですよね。笑。

ですが、ダンゴムシの興味から経験している中で、色や形、数、大きさの概念を習得したり、動き、感触などから生き物の特性を知ったりするなど、様々なことを学び取っているのです。

そして、ダンゴムシを入り口に生き物への興味が深まり、生き物が生きられる自然環境のことを考えるきっかけになったり、そこから地球の温暖化問題を知って自分の生活を考えることに繋がったりする可能性があるのです。

ダンゴムシへの興味→・・・→・・・→・・・→持続可能な社会を考える人に繋がるって考えるとスゴイことですよね。

自分の興味から始める遊び(学び)や好奇心を満たすような遊び(学び)を見つけた子どもは、とても活き活きと遊び込む(学ぶ)姿があります。その遊び(学び)の中でトライ&エラーを繰り返して、新しい発見を得ているのだと思うと、こんなに楽しいことはないだろうなぁとも思うのです。

親時代に「数を数えられるように◯◯しなさい。」「これは何色?」「字を書けるように練習しなさい。」などと、子どもの興味ではなく親のタイミングで教えようとしていた自分を、ただただ呪うばかりです・・・。泣笑い

〜親として保育士として子どもに教えられたこと〜

たくさんの子どもから“自分の知らないことを学べる楽しさ”を教えられました。

もっと掘り下げて言うと

“主体性が根底にあるからこそ、自分の知らないことを学べる楽しさを感じられる”ということを、私は子どもに教えられました。

いや、今もなお教えてもらっている最中です。笑。

子どもってスゴイ!子ども達よ、最高の学びをありがとう♡


#子どもに教えられたこと

この記事が参加している募集

子どもに教えられたこと

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?