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国際恋愛でモラハラにあった話

以前半年付き合った元彼がモラハラだったと思う。

「と思う」というのは、自分ではそうとは思っていなかったが周りに言われたこと、別れたあとネットで調べてもしかしたらモラハラだったのかもしれないと思ったからである。

具体的にどういう辛い思いをしたのか、本当は記憶から抹消したいことなんだが、笑い話でもあり、その後自分が同じ過ちを犯さなかった学習した身としてメモに残しておこうと思った。

その元彼のプロフィールはオランダ人、35歳、会社員である。


オランダ語しか話すな

オランダに住んでいるんだし彼氏がオランダ語なんだからオランダ語を話すのは当たり前だ。

しかし、言葉を強要されるのは違うと思う。だって普段は英語で会話をしているのに「本当は他のカップルみたいにオランダ語で今日何があったとか、普通に会話をしたいのに僕たちはそれができない」といつも言われていた。

英語で同じ会話してるんだからいいじゃないか、と私は何度も言ったがそれがオランダ語でないことがとにかく嫌だということであった。

そして将来子供ができたら子供にはオランダ語のみ話すようにしたい。それまでに私もオランダ語を完璧に話せるように精進せよ、と言われていた。


麺をすする音が汚い

私は日本人なので料理をふるまうときは麺類が出てくることもあったが、麺をすする音がとにかく汚い、不快といつも言われていた。

私が少しでも音を立てようならば睨み付けられ、ありえないと言われた。

私が友達と旅行に出かけて帰って来たら「君が休み中、君が音を立てて食べることについて友達や同僚にも相談したんだけど、みんなが彼女には注意したほうがいい、彼女を教育しないといけないと言われた。」と言ってきた。

「君がこんな食べ方だったら僕の両親にも友達にも両親にも紹介することができない。一緒に食事をしたときに君が音を立てたらどんな育ちの子と付き合っているんだと言われるだろ?僕は素直に言ったんだから君は直すべきだ。」と言われた。

また、その人は箸を使えない人で、箸が嫌いということもあり、麺類を食べるときは私にもフォークを使うように強要してきた。ナイフで切ってフォークで食べる、そうしてくれと。


渋滞にハマったのは私のせい

私が彼の家に泊まったときに私物を忘れてしまった。翌日会社の近くまで忘れ物を届けてにきてくれたのはいいが、その時「わざわざ届けてやったんだぞ。お前がばかで忘れ物をするから。」と言われた。

その後連絡が来て「死ぬほど長い渋滞にハマった。あの時お前に忘れ物を届けなければ渋滞に引っかからずに住んだのに。」と嫌味を言われた。


仕返しをしてくる

以前に待ち合わせに遅れたことがあった。そのあとのデートで家に18時に来てくれと言われ、時間に正確な人だったので急いで18時に行ったのに家に誰もいなかった。

合鍵を持っていなかったので何度も電話をかけたが出ず。結局1時間くらい待ったら元彼が現れて私1時間も待ってたんだよ、なんで連絡くれたなかったの?と尋ねたら「お前は以前俺を待たせた。だから俺は今回お前を待たせてやった。俺は本屋とスーパーに行って好きなことをしていたしわざとお前の電話を出なかった」と言われた。


両親・兄弟にお好み焼きはクソまずと紹介する

元彼の両親・兄弟と食事をしたとき、「あなたは何か料理を作るの?日本食はお寿司以外だとどういうものを作るの?」と質問された。

そいつは私の作ったお好み焼きの写真をみんなに見せて「これ見てよ、オランダのパンケーキみたいなものなんだけど、ソースとマヨネーズの組み合わせがクソまずなんだ。ソースとマヨネーズがなければ食べられないこともなかったけどね」と馬鹿にされた。


日本の家族を馬鹿にされる

私の父がオランダに遊びにくるというので案内することになった。元彼は俺は彼氏なんだから紹介されるべきだといってついてきた。

私たちは一緒にランチをすることになり、オープンサンドイッチを食べた。

父は不慣れなフォークとナイフでオープンサンドイッチを食べていた。会話は別に普通だったと思う。

父が美術館に行きたいというので連れていき、私たちは外で待っていた。そのとき元彼は「君の父親は君とおなじで音を立てながら食べるんだね。」と言ってきた。

また、祖母が私にお金と手紙を父経由でくれ、私はひとり電車の中で泣きながら読んだ。電車の中で泣くもんだから周りの人が心配してくれ、祖母が手紙をくれたんだと話たらその人たちも共感してくれ、一緒に泣いてくれた。とってもいい乗客に居合わせた。

そのエピソードを元彼に話したら「なんで電車の中で泣くわけ?恥ずかしい。」とバッサリ切られた。


私よりも母親、女友達のほうが大事

「世界で一番好きな女性はお母さん、その次が女友達のリサ(仮名)、その次が同僚のマリー(仮名)、その次が同僚のサスキア(仮名)、君はその次ぐらいかな」と言われていた。


サプライズの花束に対するお返しがないのが気に入らない

付き合い始めてすぐのころ、サプライズで花束をくれたことがあった。私はとっても嬉しかった。

だがそれからしばらくして何かの拍子で喧嘩をしたときに「俺はお前に花束をあげたのにお前はなにも俺にくれてない。俺だけお返しをもらっていなくて損しているじゃないか」と見返りを求めてきた。


店の中で怒鳴られる

美容院が終わったら迎えに行くよ、というので時間を知らせた。早めに終わり、もうすぐ着くというのでケーキでも買って二人で食べようと思ったら電話がかかってきた。

「おい、てめぇどこにいやがるんだ!!」

急いでケーキを買ってスーパーの店内で落ち合うと「てめぇ俺がそろそろ着くっていったのになんで大人しく駐車場で待ってねぇんだよ!!!!」と死ぬほどでかい声で怒鳴られ、睨み付けられた。

私はただ二人で食べようとおいしいケーキを買っていただけだったのに。



まとめ

他にも色々と嫌なことを言われていたのだが、この時は泣いたり怒ったりショックを受けたりして不安定ではあったがなぜか別れようとは思っていなかった。

私のあだなは「ドムチェ」で、オランダ語で「馬鹿」の意味だった。いつも馬鹿馬鹿と呼ばれていて、相手は私のことをからかうつもりだったらしいが、常に自尊心を削られていた。

まぁ私もそんな仕打ちを受けていたにもかかわらず別れられず、なぜかある日突然相手に別れを告げられ、突然だったためショックを受けたのだが。

でも別れた次の日にはとても晴れやかな気持ちになり、相手のことを一ミリも好きじゃなかったんだと気付いてスッキリしたのを覚えている。


今お付き合いしている人はその人とは全く違うタイプの人で私は今幸せに暮らしている。

ひどいことは一度も言われたこともないし、私のことを下に見ることもないし、私の家族のこともとても大切にしてくれる。

こんなにいい人に出会えたのは、この最悪なモラハラ男に出会ったからで、その人と別れたときに「これだけは嫌」「これは絶対譲れない」というものが明確になったからだと思う。

今思い出してもひどいエピソードばかりで心をえぐられる思いだが、それがあったからこそ今があるので結果オーライかなと。


私の個人的に海外生活で、相手の国に暮らしているとどうしても相手の力が強くなってしまうと思う。こんなにひどい男はいないかもしれないが、オランダのような白人の国だとどうしても白人至上主義の人がいて、そういう人は少なからず日本人を見下したり、日本人が相手に合わせなければいけなくなることもあると思う。

特に相手と国籍が違うと「この人はオランダ人だから言い方が直接的なのかな?」と都合よく解釈しがちだし、相手も「オランダではこの言い方は普通だ」とかうまいこと言ってくる。

しかし、お付き合いというのは心穏やかに過ごせる相手でなければ長くは続かない。自分がしんどいと思うことがあれば周りに相談すること、周りの人のアドバイスをしっかりと聞くことが大切だ。

相手が外国人だと国際恋愛というカテゴリーに分けられ、日本人との恋愛とは全く違うように考えがちだが、相手が何人だろうと恋愛も結婚も基本的には同じだと思う。

今の彼氏もオランダ人であるが、とても思いやりに溢れているし、オランダ人だから全然違うと思うことも特にない。とても自然に一緒に入れて心地よい相手だ。


人生とは学びの繰り返しなのである。



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