306号室で久しぶりの展示
銀座1丁目にある「銀座奥野ビル」は昭和7年に竣工された建物。かつては著名人も多く暮らしていたアパートメントでした。その一室は須田良子さんという女性が長きにわたり美容室を営んできた空間。私も会員として活動している「銀座奥野ビル306号室プロジェクト」は、その場所を当時のまま手を加えず保存しています。また、頻繁に展示やトークなどの機会も設けています。
久しぶりに、10月24日(日)の1日だけ306号室で簡単な私の写真作品展示を行います。本来、2020年12月に実施したオンラインでの「写真#306レビュー」により選出した写真家2名のうち1名の写真展(個展)を実施する予定でしたが、都合により延期することになりました。そこで急遽、せっかく使用可能日なので、何かやってみたくなりました。幸い、額装済みの作品がいくつかありましたので、それらを展示するとともに廉価販売という初めての試みをやってみます。
2021年10月24日 (日) 13時-18時 予約制(空いていればおひとりづつ観覧可能)
1 「WONDERLAND 」original 6点 2008 大田区蒲田
2「まちのひかり」 2019 台東区三ノ輪
3「過ぎ行く町のために」2013 墨田区東向島
4「川の流れる町で」2016 墨田区八広
5「少年伝説」1980、2019 豊島区豊島園
6 同 江東区扇橋
7 同 場所不明
8 同 神奈川県三浦海岸
9 「近所論・青い夏」複製 2009 江戸川区葛西臨海公園
10 同 同
ほんの10点程度です。この306号室はギャラリーではありません。また室内保存のために、壁などで釘を打つなどもできません。現状を自然に維持するという約束がありますので、作品などを壁面に飾ることが難しいこともあり、あまり美しく飾れませんが、綺麗に見ていただけるよう努力したいと思います。作品はできるだけその場でお持ち帰りできるようにしたいと思っています。目玉の作品は、2008年に出版した写真集「 WONDERLAND」に登場する1点を複数の銘柄の違う印画紙でプリントしたもの。私の作品としてはとても珍しいものに入ります。
まだコロナ禍でもあり、狭い室内にたくさんの方が入るのは避けたいので、時間予約制としました。しかし、今のところまだ予約はないので、室内に人が重なって入っていなければお一人つづ観覧は可能かと思えます。感染対策を行い注意深く実施する予定です。なお、306号室は毎月6日が室内公開日となつていますが、コロナ禍で公開中止日もあります。また公式サイトなどで催しのお知らせも行なっています。どうぞよろしくお願い申し上げます。
ちなみに、これまで私が306号室で実施した催しは以下のとうりです。
古くから様々な読者に支持されてきた「アサヒカメラ」も2020年休刊となり、カメラ(機材)はともかくとして、写真にまつわる話を書ける媒体が少なくなっています。写真は面白いですし、いいものです。撮る側として、あるいは見る側にもまわり、写真を考えていきたいと思っています。