連載「須田一政への旅」第4回
それはどこか、江戸川乱歩の「人でなしの恋」という物語を彷彿とさせた
窓の中の麗しいひと
早朝の東京銀座。大通りから少し入ったところにある店の前で、なにやら黒い服のおじさんがショーウインドゥにくっつきながら続けざまに鋭い閃光を放っている。一体何を撮っているのかと思いきやおじさんの背後に回ると、向こうにはなんとも麗しきランジェリー姿の一人の「女性」が露わにそこにいる。おじさんの構える中判カメラのレンズは、しっかり女性のガーターベルトあたりに向けられている。何枚かシャッターを