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母と私

2度も精神科にお世話になってしまったのだけど、そしてひどいことを沢山言われたのだけど、私は母が好きだ。嫌いになれない、の方がピッタリかもしれない。

母の中には2人の別人のような人格の人がいて、もう1人の母は本当に天使みたいに優しい。こんな良い人いないんじゃないか、というくらいとても穏やか、なのだ。

一方で昔から、とても傲慢で気位が高く、白黒志向で目の前の人の気持ちを一切配慮せず、持論をまくしたて、人を見下すアーティスト気質の人格が表れる。

幼い頃からこの後者の人格の母に何度も裏切られ、傷つけられ心が荒み、自暴自棄になった頃もあった。
でも昔からずっと嫌な人ではなく、朝寝坊をよくする気怠そうな母、返事もゆっくりでのんびりした母もいて、私はそっちの母はとても好きだった。

東京の母の友人宅を訪ねた思い出、ミュージカルのキャッツに連れて行ってくれたこと、映画をみて号泣していた母、就職して体調を崩した時にシチューを作ってくれた母。私の職場にたまに顔を出しランチを一緒に食べていたこと。

私はいつまでも幻想の母を追い求めてるのかもしれない。 

私は思春期、友人関係に悩んでいた。意を決して母に相談したが、誰でも悩みはある、の一言で話を聞いてもらえず、本当に苦しかった。気持ちを吐露するノートを書いていた覚えもある。

母は私が泣くのも許さなかった。「○○ちゃんは泣き上戸」馬鹿にされてるような言い方だった。私が求めていたのは、たったの一言で「わかるよ、お母さんもそんな時もあったよ」。母はそういうことは一切言わない人だった。

私は思いの外、早くに結婚した。母は態度にこそ出さなかったが、急にぬいぐるみを沢山買い集めて一緒に寝るようになった。そんな母の寝室を見て、私が家を出て寂しいのかな、母なりの表現で寂しがってるのかな、そう思った。 

母からも「もう少し一緒に居られると思っていた」と言われ、母なりに私の事を大事にしていたのかな、とも思えた。父は一貫して私の自立を喜んでくれており、反応は対照的だった。

(続く)

#双極性障害 #アスペルガー#統合失調感情障害#医療保護入院

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