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「PEACE SELLS...BUT WHO'S BUYING?」 MEGADETH (1986)

衝撃だった…

"元メタリカ"のメンバーが在籍するバンド、
それだけの予備知識しかない状態で

私はメガデスと出会った。

それが1986年発売のこちらのアルバム

「Peace Sells…But Who's Buying?」(1986)

メガデスのメジャーデビュー作であり
彼らにとっての2ndアルバム

私が初めて聴いたのは発売されて間もなくの
高校1年の秋の終わりくらいだった。

当時1stはまだ聴いたことがなかったので
こちらが私にとってのメガデス"デビュー作"

模倣、とまでは言わなくとも
何かしらメタリカのテイストはあるだろう

そんな期待値薄めな感情で1曲目を聴いた…

衝撃だった…!!

それはこれまで聴いてきたメタルバンドとは
一線を画するサウンド

スラッシュメタルのアグレッシブさを保ちつつ
どこか冷めたようなクールな視点

そしてベースラインを聴くだけで
このバンドのルーツがメタル以外にもある、

そう感じさせた。

彼らはそのスタイルをこのように標榜していた

Intellectual Thrash Metal と
(知的なスラッシュメタル)

メガデスはヘビーメタルに
ジャズやフュージョンの要素を取り入れ

起伏の激しい特徴のある鋭角的なフレーズに
リズムチェンジが繰り返される複雑な曲構成

そして何よりも高度な演奏技術。

正に未知の領域へ一歩踏み込んだ、
そんな感覚に陥った。

そんな中で1曲目の「Wake Up Dead」は
フュージョン色が強いが

ギターサウンドはメタルのそれ、であり
とにかくテクニカルな演奏が耳を引く。

続く「The Conjurig」ではイントロ部で聴ける
非常に難解なギターリフが印象的。

速いパートでの疾走感は凄まじいが

常にスピード一辺倒ではない分
聴かせどころのポイントが多く

とにかく印象的なフレーズが多いのが特徴。

そしてタイトルチューンの
「Peace Sells」
印象的なベースのフレーズで幕を開けるこの曲

盛り上がりの場面で再び同じフレーズが
今度はギターによって奏でられる

ギターとベースがユニゾンで進行しながら
時にシンクロしつつ別世界で音が聴こえる

そんな錯覚に陥りそうになるくらいに
奥の深いサウンド。

「Devil's Island」はキャッチーな曲調ながら
サビでは重々しいギターリフ

その対比が非常に心地よい。

続いては私はとってのハイライト曲
「Good Mourning / Black Friday」へ!

メガデスはそれこそ30年以上聴いてますが
最も好きな曲を1曲選べと言われたら

迷わずこの曲をチョイスします!⬇️

妖しげな音色のアルペジオから始まり
静かな曲調から次第に盛り上がっていく。

複雑なギターリフに乗せ
難解なリズムを叩き出す演奏陣

そこに乗っかる、気だるい雰囲気の
うねるようなデイブ・ムステインのボーカル。

Dave Mustaine (Vo./Gt.)

中盤で強烈なドラムロールを合図に
テンポが速くなってからは正に圧巻、

ギターソロもえげつなくテクニカルで
速くてとにかく"上手い"と言う
陳腐な言葉しか出てこない。

6分弱の曲であるにも関わらず
あっと言う間に聴き終える感が凄い。

リフの刻みが細かくてそれでいて
1音1音が鮮明に聴こえる、

正に珠玉の名曲であると言えます。

この後、「Bad Omen」
(この曲の疾走感も凄い!)

カバー曲の「I Ain't Superstitious」と続き

ラストはスピード曲の
「My Last Words」で幕を閉じる。

「My Last Words」は
曲の始まりと終わりの感じが全く違い

あれ、別の曲?と思ってしまうくらい
それでいてしっかり曲として成立する、

常人ではおよそ思い付かないこのアレンジ力は凄いと言う言葉以外見つからない。

カバー曲は原曲がウィリー・ディクソンで
ハウリン・ウルフやジェフ・ベックも
演奏していたスタンダード曲

80年代に車のテレビCMとして
この曲が使われていて、聴いた時は

「おぉ!メガデスやん!」と
テンションブチ上げになった思い出(笑)

8曲収録で40分少々のアルバムですが
とにかくその密度が濃く

超大作を聴いたあとのような
爽快な疲労感と充足感に包まれる

私にとって今なおメガデスのベスト作品。

個人的にはデモバージョンが収録された
リマスター盤も併せて
いずれ購入したいと思っている。

そしてメガデスのルーツを辿るのであれば
コロシアムⅡあたりも聴くべきかな?と

ジャズ&フュージョン系も奥の深いジャンル、

この歳からそれ、始めても
間に合うのか心配ではありますが(笑)

技巧派タイプのスラッシュメタルを好む方、

またスラッシュメタルのみならず
全てのメタル好きを公言する方の中で

いまだこのアルバム⬆️を聴いたことがない、と
言う方にこう伝えたい

「今からでも決して遅くないので
ぜひ聴いてください!」
と。

きっと私同様に
墓場まで持って行きたくなることは
間違いないと断言出来ます。

さて次回は…
どのアルバムにしましょうかねー?(笑)

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