運勢は変えられるか

まだ、二十代の頃、自分が何に向いているか全然見通しが付かなかったときに、伯母の知り合いに教えてもらった占いに行った時、心を落ち着かせようと入った店、google mapのストリートビューで見ると今でもやっているみたいです。

画像1

みたらし団子がキーワード。喫茶店にみたらし団子がメニューにあったのは後にも先にもここだけです、今のところ。具体的に何になりたかったかといえば、映画監督。一本でもいいから自分の好きなテーマの映画を作りたかった。具体的には何もなかったけど。ある雑誌に、黒澤映画の脚本を担当していた小国英雄さんが何故か愛東町あたりにお住まいだったことも、一因だったかな。映画「生きる」は私にとんでもない影響を与えられた。

さて、あの時、何を占ってもらったかはすっかり忘れているが、部屋に入ると、占ってもらう人が数人いた。順番は一番最後の私に年老いたおばあさんは、一言、「明るくなりなさい。このままじゃ、運が逃げていく」と言われたことは覚えている。それ以降、できるだけ「明るく、明るく」と自分に言い聞かせているのだが、なかなか明るくはなれない。暗がりにいるほど人はよく見える。その人の影の部分も見える。だから、影ある人に惹かれ、自分も同じように影を見せる人になりたいと思っている。確かに今もそうだが。自分が一歩前に出たいとき、新しい場面に進むとき、心のなかで「明るく、明るく」と呪文のようにつぶやくようにしている。

 東京で文芸講座に通うきっかけになったのも、東京で充分満喫していたのに、突然、何のあてもなく滋賀に戻りたくなったのも、結局は誰かに背中を押されたからだと思っている。進む事は、大げさに言葉にするなら生きること。ある寺の住職が言っていた。「運命」とは、君の命をどうやって運ぶのか! 「使命」とは、君の命をいかに使いきるか! 幸い、私には周囲にちょっと知れた人を何人か知っている。身近にいるそんな人の人生を一生懸命なぞって生きていこうとしている。少なくとも、誰かの背中をそっと押してあげられる人にはなりたいと思っている。

 



この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?