推しのラジオもファンクラブ動画も見ないファンの話

顔ファンについての話題を見たので、こんなファンもいるんだよ、ということを伝えたくて油を注がないように書く。Creepy Nutsの話である。

私はCreepy Nutsのファンクラブ会員だがファンクラブ会員限定動画を見たことがない。それどころかファンクラブアプリもインストールしていない。

ファンクラブ会員になった理由は、bling-bang-bang-bornが有名になって、チケットが取りづらくなりそうなのと、Creepy Nutsの2人からすれば微々たるものだがお金という見える形で2人に恩返しをしたくなったからだ。

そもそもCreepy Nutsのファンになったきっかけは菅田将暉とのコラボ曲「サントラ」だった。詳しくはこちらに書いた。

私はラジオっ子だが、Creepy Nutsのオールナイトニッポン(zero)は聴かなかった。初めてラジオを聴いたとき、地元の友達同士がこっそりと内輪で盛り上がっているように感じた。きっと先輩が来たらヘラヘラするんだろうなあとこっぱずかしくなり、それからあまり聴いていない。

でもCreepy Nutsのリスナーに対する姿勢は好きだった。リスナーを否定せずに共感していた。Rさんがラップについて熱く語っていたが、ついていけなくなって途中で離脱してしまった。すごい人だということは伝わった。Creepy Nutsのファンになった後も、私はCreepy Nutsの音楽のファンであって、2人の性格や関係性のファンではないからと頑なにラジオを聞かなったし、ファンクラブにも入らなかった。2人がうまい棒を食べる姿を見るよりも、楽曲の話が聞きたい。
もちろん、2人の関係性も好きになったらもっともっと楽しめると思う。2人の動画やラジオにハマる自信がある。だから2人の関係性が好きな人も否定しない。気持ちもわかる。ただ関係性も好きになってしまうと、 「今日のライブでは2人の絡みが少なかった」と落ち込んでしまう自分がいるのも事実である。あんな素晴らしい音楽が聴けるチャンスなのに、音楽以外で落ち込んだり満足感が得られないのはもったいない。私は純粋な音楽ファンでいたい。

私にはお笑い芸人の顔ファン時代があった。
その芸人さんのお笑いライブを見ていても、推しが「楽しそう!」「かわいい!」「他の芸人さんといちゃいちゃしてる!」という本題ではないところで楽しんでいたり、出待ちで何を喋ろうかと私は考えていた。
お笑いライブのお笑い部分だけを純粋に楽しんではいなかった。
お笑いライブがどれだけ面白くても、推しがこっちを見てくれなかっただけでライブが楽しくなかったと感じることもあった。

だから今回の顔ファンの気持ちもわかる。顔が好きでライブに来て、抑えきれず、感情を表に出したら、それを非難された。それはそれでかわいそうではある。初めての子どものダンスの発表会で子どもにかわいい~!と言ったら、ダンス見てよ、と怒られたような感じだ。

Creepy Nutsに関しても、餅は餅屋、お笑い部分(フリートーク)はお笑い芸人で楽しもうと思った。Creepy Nutsにお笑いやビジュアル、2人のいちゃいちゃ、天然さを求めるのは、お門違いだ。でも気持ちはすごく分かる。

今更書く必要もないが、私はCreepy Nutsの音楽に感銘を受けた。
せっかくだから語りたい。
私がサントラの後に聴いてCreepy Nutsにハマったのが、「かつて天才だった俺たちへ」だった。曲名を見たとき、「え?私のこと?」と「天才とか無責任なこと言うなよ!」の二つの気持ちが生まれた。私もラジオリスナー同様、ひねくれている。
またいつか別の記事で書く予定だが、歌詞では天才だったと言える根拠を並べてからサビ前の「かつて天才だった俺たちへ」につながるのだ。つまり、天才という言葉に無責任さはないのだ。知らない間に「私って天才かも…」と思っているのだ。ちょろい。
こんなにも歌の中で子音の無声音化をする人がいることにも衝撃を受けたし、First takeを見て初めてfiveが一音節だということも納得できた。
First takeは何回も見たが、Rさんの口の開き方、舌の位置がしかるべき場所なのだ。全部同じ歌詞なのじゃないかと思うほど、見ていて気持ちいい。

これでは私がまた違う変なファンであることを公表しているだけになってしまう。そんなFirst takeの動画はこちらから。


もちろん私にも願望はある。
最前列でライブを見たい。
私の目を見て歌ってほしい。私の名前で韻を踏んでほしい。
ファンサもしてほしい。
最前列センターで、よふかしの歌の「もれなく社会不適合者」や、かつて天才だった俺たちへの「神童だったあなたへ」で私に指を指してほしい。
でもそれはCreepy Nutsに強制するものではないし、私からお願いするものでもない。
宝くじがあたってほしい、と同列の願望である。

ちなみに私がRさん寄りなのは、私が日本語学や音声学を少し学び、韻の踏み方・声の出し方に興味があり、Rさんの歌に分析しがいがあるからだ。もし私にDJの知識があれば松永さんの技術面のすごさも理解できた。何の知識もないことがいつも悔しい。そういう意味でも、ファンクラブの動画で松永さんの技術のすごいところを紹介してほしい。ライブで松永さんのDJパートを聴いても「ぶち上がる」「かっこいい」という心の動きのみで、何がどうかっこいいのかを説明できない。

脈絡のない文章になってしまったが、
顔ファンを経たから、Creepy Nutsの音楽を純粋に楽んでいる。
これからもどうか音楽を続けてほしい。

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