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その時その場所の空間を楽しむ【抽象作家・kuroma】

2022年8月5日から香川県三豊市の三豊鶴で実施される「酒蔵Art Restaurant」
150年前に作られた歴史ある酒蔵の中に、現代アーティスト23名による作品が展示・販売されるほか、シェフ8名が週ごとにコース料理を振る舞います。

今回は、9月23日(金)〜25日(日)に在廊する抽象作家のkuromaさんをご紹介します!

プロフィール

1995年高知県生まれ。香川県高松市在住。

猪熊弦一郎先生に影響を受け、香川県にて制作活動中。個展活動の他に瀬戸内リトリート青凪、四国水族館、マックスボウルなどで巨大壁面に制作を続けている。
癒される事。自立した作品かどうか。新しい発見を大切にする事。楽しいかどうかを意識して制作している。

猪熊弦一郎への憧れ

ーこれまでの経歴について教えてください。絵を描くきっかけはありましたか?

小学校の時に、学校の体育館に獅子舞が来てくれて、躍動感がすごかったんです!その感動を伝えたくて、家族や友達に必死になって、言葉で説明しようとしたんですが、全然響かず…ちょうど、「最近あったいいことを絵に描きましょう」という宿題があったので、獅子舞の絵を描いてみたら、(周囲の人に)すごく伝わったな、という感覚があったんです。

これが、一番最初の絵のきっかけです。「言いたかったことを伝えられた!」と思ったんですよね。この満足感や、気持ちいい感じを今でも覚えています。

学校では美術を専攻したのですが、いつの間にか描くことよりも美術の歴史が好きになっちゃって…と思いきや、また描き始めて。(笑)
いつの間にか描いてるやん!ってなってる状態です。

瀬戸内リトリート青凪とマックスボウルではウォールアートをしました。大きくてキャッチーだったのか、それ以来壁に描く依頼が多くなりました。現在は、イベントに年に2回くらい参加しているのと、直島で2022年8月に個展をするので、その準備をしています。

ー猪熊弦一郎先生に影響を受けたそうですね。当時のことを教えてください。

以前は、美術を見るときに、心が苦しくなったり、頭が痛くなったりして。すごいエネルギーのせいで、「疲れた…」となることが多かったんです。もしくは、なんとなく「きれい〜」となるか…
綺麗か、疲れるかのどっちかの印象が多くて。

香川県丸亀市にある猪熊弦一郎美術館に初めて行ったときに、「うわ〜、なんか今までやってきたこと全部よかった〜!」と、助かるような感覚がありました!また、作品が変わり続けていく様も、魅力の塊のように感じました。一人の男性として憧れた感じです。「いい男〜!かっこいい!こんな少女漫画に出てくるような人いるんだ!」って思いました(笑)

作品に影響を受けたというよりも、「作品作りに対しての気持ち」や、「生活水準」さえも憧れたんです。猪熊弦一郎先生のようになるための生活を送るために、食事をとり、家事をし、絵を描いています(笑)

そのとき・その場所の空気感や、空間を包む画風

ーkuromaさんの作風は、線を重ねたドローイングのようなスタイルで、風や空気の流れを感じます。なぜ、この作風になったのでしょうか?

そのとき・その場所の空気感や、空間を包むイメージで描いています。

現場で直接描くスタイルが合っていて、楽しいんですよね。今までは、線をうまく描けるようになりたいと思って、とにかくドローイングを極めようというストイック精神で描いていたのですが、実はそうではなくて、その場のノリを楽しんでいるのかな、と思い始めたところです。その時その場所の空間を意識して描いていることに最近気がつきました。

最初はめちゃくちゃ重い油絵を描いてたんです。ダリアやシクラメンなどのお花を描くのも好きでした。風景画か静物画を抽象っぽく、四角や丸や三角の配置で描いていたのですが、油絵の画材が高すぎて断念することになり…

ボールペンだったらすぐ描ける!と思ったことに加え、キャンバスや画材作りへ執着していた考え方を改めたこともあり、フラットに取り組める環境を選ぶスタイルになりました。今後は油絵もやりたいと思っていますが、今は線が綺麗かどうかの方が気になっています。

制作途中の酒樽

ー三豊鶴の酒樽にペイントした作品について教えてください。

「これは自分だけの部屋!」と思って描きました。あんなに包み込まれるような空間に描くことってないんですよね。ちょうどお腹の中に入ってるような気持ちで、この感覚を大切に、「自分がこの中で小さく踞れるような場所にしよう」と思って描いています。

白地に黒い線と、黒地に白い線のどちらかで今まで描くことが多かったのですが、今回は両方を絡められないか模索中です。まだ制作途中です!

今回展示する作品のコンセプト

ー今回展示販売する作品について教えてください。

最近、炭で描くのにハマっているので、炭の作品を何枚か持っていこうと思っています。

それと、線で書くのが好きなので、三豊鶴の周り見て歩きながら、自分の中で気に入るラインがあったら写真撮ったり、その場でドローイングをしたりして、作品を作っていきたいと思っています。「このラインエロい!」という感覚を大事に、在廊中に枚数を重ねていきたいです。

ご来場いただく方へのメッセージ

「いいところだから来てよ!」と思っています(笑)
参加している作家さんは優しい人が多いので、みなさんいい作品作ると思います、お楽しみに!

また、瀬戸内国際芸術祭が好きな人で、まだ香川のこと、島や地方の魅力を十分に感じ取りきれていない人が来てくれたら、1日だけでもたっぷり濃厚に体験する良いきっかけになると思います。情報量が多くてめちゃくちゃ楽しめると思うし、魅力を感じてもらえるのではないかと思います!

三豊鶴「酒蔵Art Restaurant」とは

皆様のお越しをお待ちしております!