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Vol.1 自分に看取りが出来るのかが心配

「みとりの相談室」ではこんなことをしています

毎月1回第1・第3火曜日に開催している
「みとりの相談室」は
前半と後半の2部構成になっています。

まずは前半
「みとり」にまつわる様々なご相談を
受け付けています

《例えば》
・自宅に迎え入れようとしたときの準備は
何からすればいい?
・家族にできる事はどんな事があるのでしょうか?
・看取った両親の事を思うと
今も苦しくなる事があります。
などなど

個別で相談する環境とは違い
その日に集まった参加者の皆さまからの体験談や
アドバイスをもらえるところもいいところです。

みとりの場面は千差万別。
一つとして同じ場面はないので、いろんなケースにふれることは、
自分自身に知識を蓄えることになり
なにより勇気を与えてもらえます。

後半は「死生観を語ってみる」

みとりの場面において、
死生観を持ち合わせている事は
自分の残された時間を思い通りに過ごすためにも
大切な方に寄り添う時にも支えになります。
オリジナルの《これからカード》を使って
自分自身の死生観について
語る時間を設けています。
場面設定がされているその状況において
自分自身がなんと答えるかを体験していきます。

「みとりの相談室」への参加お申し込みは、
メールアドレスmitorishimachida@gmail.com まで
お電話でも申込めます。電話番号 080-7470-4878

『自分に看取りが出来るのか』

ある日の相談室には、病院に入院中のお母様を
ご自宅に引き取ろうとしている娘さんが
足を運んで下さいました。
2ヶ月前まで喧嘩をしながら同居してきた
90代のお母様が脳梗塞で倒れ、救急搬送。
一命は取り留めましたが、麻痺による嚥下障害
食欲が回復しない事による、
栄養不良の状態で医師に告げられた余命宣告。
面会できない病院での旅立ちを選ぶか
ご自宅に迎え入れる事が出来るのか。
お悩みの中心にあったのは
『自分に看取りが出来るのか』
という事でした。

結論から先にお伝えすると、
看取りは誰にでも出来ます。

でも『どんな?』が
付くとまた少し答えが違ってくる様に思います。
そして、看取りは「する」
のではなく「させてもらう」
ことだと言う事が理解できると
さらに現実味を帯びていきます。
いずれこの話も聞いて下さい!!


『看護師さんや先生がやっている事は私には出来ない』

『自宅での看取りをしよう。』
お母さんは元気な時から
「自宅で最期を迎えたい」「延命処置は要らない」
コロナ禍で面会が出来ない中、
母を一人で旅立たさせる事はしたくない
いろんな思いが、そのような答えに辿り着いたとしても

思い立ち行動に移そうと思った時の熱量が
時間が経ち少し冷め始めると、ふと湧き出てくるのが
じゃあ、どうやって家に迎え入れればいいのか
誰に相談すればいいのか。
何を用意すればいいのか。
などなどの疑問

それらの疑問が一つ一つ解決していく間に
次に湧き出てくるのが、
果たして自分自身に出来るのか
母が息を引き取る時に、
自分は冷静にしている事が出来るのだろうか。

いろいろな準備が整っていく中で、
ご家族さんが思っていたことと
使える社会資源にズレがあったり
気持ちを上手く汲み取ってもらえない
なんて思いをすると
なおさら心配が大きくなっていってしまいます。

足を運んで下さった今回の相談者の方も
準備は整いつつあるけれど
頭から離れない心配の一つはこれでした。

「看護師さんや先生が
やっている事は私はできない」

TVドラマさながらの
救命処置をすることを想像していたそうで
人が旅立つ時には、そのような行為を経て
最期を迎えると思っていたそうです。

自宅死と病院死の割合をみてみると

https://www.mhlw.go.jp/toukei/saikin/hw/jinkou/suii09/deth5.html
厚生労働省HP  第5表 死亡の場所別にみた死亡数・構成割合の年次推移
約70年前頃は自宅で旅立つ方が82.5%
それに対して病院での旅立ちが9.1%
2009年の段階で自宅での旅立ちは12.4%

この数字から何を言いたいかというと
皆さんほとんどが看取りは
未経験であるということ。
まず看取られる世代にあたる方々が、
ご自身の両親を看取った経験が無い人が多く
その子供達である世代は、
なおさら看取るといっても
どういう経過を辿り、
どのように息を引き取るかを
見た事も、聞いた事もないと言う事なんでです。

自宅で安楽にお過ごし頂くベッドを用意して
かかりつけ医の先生が見つかり
24時間体制で対応してくれる
看護師さんとも契約を結ぶことになり
準備は万端整っても、
自宅でご家族を看取る経験を
した事が無い人達ばかりなんです。
たとえ、医師であっても看護師であってもですよ。
(医師や看護師さん達は
現場で対応は沢山してきています)

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