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恐怖の館よサヨウナラ

元旦の投稿にどうかとは思うのですが。

母さん12月15日に介護付き有料老人ホームに移るまでの間の、特養での最後っ屁の強烈さについて、忘れないように皆さんにお伝えしておきたいと思います。

わたしは、特養を否定する気はまったくありません。私自身、高齢の方の支援(いわゆる成年後見)を仕事にしている身で、いくつもの施設と関与しています。それで、ヌーと思う場合も、アリガタイと思う場合もあるわけですが、多くの施設は、ほんとうにいつもありがとうございますという手厚さです。しかしながら、なぜか母さんは、命がけで私にネタを提供してくれてるのかなんなのか、びっくりなことばかりな展開が続いていたのでした。

娘の立場で言えば、母さん要介護5、特養に入りましたという時点で、母さんは人生終末のアガリにきちゃったのだと、思っていました。しかしそれは違いました。母さんは現在78歳で、高齢者介護の相場でいえば10年先を行っている女なので、その若さの影響はあると思いますが、人は適切な環境が与えられれば回復、成長する余地があるのだということを、母さんが身をもって教えてくれました。

今回の想定外であった特養から有料に移りましたという経緯は、その成長する余地を生かしてくれるか、つぶしていくかの環境選択によるもので、特養にいても、生存はできました。生活の質の担保について、これは施設の考え方や環境によって大いに異なります。

しかし、職員の人員配置など、いくら手厚くしても報酬はここまでという社会保険事業である限りは、限界があることも事実です。

いろいろな諸条件を差し引いても、母さんがいた特養は、なかなかの恐怖の館でした。それでも施設は施設として成り立つ。施設だからと言って安心とは限らない。特養だからいいということもない。

その点を書き記しておくことが、どなたかのお役に立つかもしれないので、前置きがずいぶん長くなっちゃいましたが、記録しておきます。

母さんおむつ事件になる前提

前述しましたが、母さんは施設入所時には、退院時に装着したまま尿カテーテルが入ってました。それにはあんまり理由が無かった。(入院中の病院では尿量を測っていたし、おむつ交換の手間を軽減するという趣旨もあったであろう)

実際、母さんは施設入所したばかりの4月は、まだまだ「虚弱」の領域であった。

現状維持継続

そしてどうなったかというと、入院中の生活をそのまま継続するというのが、施設のスタイルとなったのであった。母さんは入院中、昼食しか起きておらず、あとは寝てた。車椅子はリクライニング。虚弱なので、カロリー制限なしといった具合。

プラン変更なし

おりしも、コロナ騒ぎ真っ最中。要介護5の母さんは、要介護認定の有効期限が来ても、今、認定調査を入れず延長というのがあるのですが、施設ケアマネは外から人を入れず、延長しますといった。要介護度が変わらないので、プランの見直しもしないと言うたのだった。←これは、相当どうかと思う(要望も出したが、右から左だった)

尿カテ交換は施設でしません

この特養は24時間看護師がいるタイプの特養だったが、尿カテーテルの交換はしないので、家族がどこかのクリニックに連れて行ってくださいというスタイルであった。

たいてい尿カテーテル交換くらいはするんだけどね…。

施設選びの時とか、こういうことは、事前に確認できてるといいですね。

家族も頭がいっぱいなので、24時間看護師がいるというなら、当然そのくらいはしてくれるという期待だと思いますし、ふつうはその期待に応えるくらいのクオリティはあるのが一般的。

母さんは血糖値を測る必要があるわけだが、ヘモグロビンA1Cも測らねばならぬ。これも血液検査は一切しませんというスタイルだった。

なので、外来外来また外来ととにかく外に出かけることになったよ。家族が。

でもそれでもなければ、わたしは母さんと面会もできなかったから(コロナで)、ラッキーだったのかもしれないね。

外来に同行していると、母さんが車椅子からベッドへの移動で、けっこう立てていることも目視できた。

母さんは、虚弱から回復してきていた。

「ご飯食べて太ってきた」という母さん。(だってカロリー制限してないで寝てたんだから)

そして、尿カテで尿がつまりました事件で、尿カテは突然はずれ、母さんは、おむつ生活になった。

そして、おむつは「人手不足なので」「寝たきりの人と同じように」同じ時間帯にしか交換しません。トイレ介助はしません、と宣告され、母さんは時間をみながら我慢するという生活が始まり、これではあかんと有料老人ホームを選択するに至ったのであった。

特養にやめますと連絡をしたら

何が起きたかというと、その夕方に、今までナースコールを押しても1時間も2時間も来ないという看護師が、ふいに部屋にやってきて「〇〇さん(母さん)のこと大好き。ずっとここにいてね」と言いに来たという。


き、きもくねか


そして、翌日看護師から、「お母さんに湿疹があってえ!!かゆみをうったえてるのでえ!!!お母さんも希望しているので外来受診をしてもいいですかあ!!」と今までにない連絡をしてきた。


し、しっしん…?聞いたことなかったけどな。


その後も、看護師から「どこの施設に行っても同じ」

「施設に入ったら3年はいてくれないと、元が取れない」

とか言われたそうな。


新老人ホームが特養に面談にいったのだ

入居することを決めた老人ホームでは、本人と面会マストで

ホーム主体で調整をしてもらい、私はなしで、特養に乗り込んでもらうことになった。その顛末。

母さんの生活状況を、

同席した職員では正確に答えられなかったというのだ。

そして、特養では母さんは「寝たきり」「絶対安静」という見解であると答えたそうなのだ。

そして、

そしてね、

話の流れで、

特養内で、疥癬が出ているということを聴取したっていうんだよ。

疥癬っつのは、ヒゼンダニによっておこる感染症で、感染したら大変なことになるんだよ。かゆみがでる。

おい、湿疹じゃねえじゃねえか。

新老人ホームの職員からは、見解が異なりますと来た。

どうみても、母さん、立てます。

母さん、リクライニングの車いすに座って寝たきりでいる必要ないです。

わたしは、それにかけたいと思ったよ。

疥癬顛末

結果的に、わたしには、一度も疥癬が施設で発生していることは報告が無かった。

母さんにもなかった。

そして、受診させる受診させるといって1カ月。

結局、かゆみがないならいいですね、次のホームに行くしと、

受診もしてくれなかったのであった。

さらなる恐怖

で、そんなこんなの中でも、母さんは、糖尿、循環器、補聴器、眼科、あれやこれや外来受診をしていたわけだ。

糖尿で。

血糖が

350とかになってんだ。

350って…薬もインスリンも打って、それはどういうこっちゃよ…

首をひねる医師

食事は出たものしか食べてない。


あっ


そうだ


虚弱の時の


まんまだ…


カロリーを落としてもらうことを医師に指示してもらうことになった。


受診後、母が、

そういえば

と言ったのだ。

ん?

そういえばね、

一人の看護師さんだけが

秘密だよって、

ジュースをくれるから

飲んでた。

カロリー高くないからって看護師さんが言うし

秘密だからっていうから、悪いと思って

飲んだらおいしいし。

いつからだよ!!

夏からかな。

週何回くらい!?

週4-5日かな。

それ飲んでから、血糖測るから。


・・・・・・・


外来受診後、迎えに来た看護師にそれを伝える

いうないうなと抑えようとする母さん 秘密だから

いやいや

そして看護師は言った。

「私も、おかしいなと思ってたんですよ…。でもわたし、今月入社したばかりで」



私を追う、施設のケアマネ。

「退所理由を教えてください」



「ノーコメントです」


「はあ、、、どうもすみません」





この施設は、歩ける方がショートステイで泊まったら、ずっと車椅子に乗せられて歩けなくなって帰ってきたとか、医師が怒って利用を止めさせたりとか、そういう噂はちょっと入っていたところでした。

でもさ、特養って選択しようがほぼないんですよ、、

母さんは糖尿でインスリンだから、うちの地域ではあの特養しか受け入れなかった

でもなんというのか

しみじみわかった

できますよと簡単にいうところは

まずい

適切なケアを提供すると考えたら

限界があるから

できませんっていうんだ。

なんでもできますは、なんにもできない

こともあるかもしれない。

地獄の沙汰も金次第というのもあります。


特養にいる間の母さんは

ナースコール押しても来ないし

誰にも相談できないし話しもできないし

みなさんにご迷惑ばかりおかけして

あとは弱って死ぬだけ

っていうメンタルでした。


特養全部が悪いのではありません。

でもそういう環境の可能性もあることを、

知っておいたほうがいいと思います。

ほんとうに。


ほんとにです。

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