あなたが思う「かっこいい」を信じて





まず、キングダムお疲れ様でした!!!



 ………………………いや、キングダムは大分前に終わってるんですよ。6月3日に終わってKCONのキングダム後夜祭も終わりましたよ。どんだけ前の話してんの!?って感じですけど、お付き合いください。


 アイドルもファンもスタッフも擦り切れたキングダムも(大分前に)終わりました。色んな人の感情を揺さぶり続けた木曜限定のジェットコースター、皆さんは楽しめましたか?
 終わった事にホッとする方もいれば、少し寂しいと感じている方もいるかもしれませんね。



 このnoteでは、キングダムでのATEEZの最後のパフォーマンス「멋(The Real)」を観た感想と、そこから感じた事をただ掘り下げて書き留めておきます。それだけです。






「멋(The Real)」のパフォーマンスについて



 「멋(The Real)」のパフォーマンスを通して見えたのは、「どんなものも見方を変えれば別の姿が見えてくる」というテーマです。


 まず、ロッカーに描かれた青色の文字。


 真っ正面から写すとロッカーの角に邪魔されて汚く見えてしまいますが、斜め上の角度から見ると、



 綺麗に「멋」の文字が見えてきますよね。

 続いて、ユノくんヨサンヌソンファさんの人形劇のシーン。




(いつ見ても可愛いなーこの演出)

 下の文字ブロックには「진짜」と書かれていますが、ひっくり返してみると、



 「겸손」の文字が実は隠れていました。見る角度によって文字が変わるように設計されたブロックです。


 最後に、ジョンホちゃんのパートで出てきた大量のマイク達。


 一見何の意味もないようですが、これも角度を変えてみて見ると、


 奥行きを生かして「멋」の文字が見えるようになっています。



 このように、「멋(The Real)」のステージにはそれぞれ


見方を変えれば別の何かが見えてくる


 という一貫したテーマが見えてきました。


 私がこのテーマを感じた時に思い浮かべたのは、キングダムを通して悩んできたアイドルとファンの姿です。



 アイドルを始めとしたエンタメ産業は、産業だからこそ順位が付くもの、比較されるものだと私は思っています。純粋な売り上げやSNSの反響、再生回数、どれだけ良い物を作り上げても数字を判断軸として比較され、それらを見る個人の物差しでも比較される世界です。
 また、「アイドルにはオンリーワンの魅力があり、比べるものではない。戦う物じゃない。」という意見を数多く見ますが、正直私はそれに完全に同意できない部分があります。そのオンリーワンの魅力でさえ、別の物と比較して見つかる物ですから。比較という行動を取り除いた時点で私達は時に「良さ」にすら気付けない事だってあり得てしまうのではないでしょうか。
 逆に言えば、その「比較」をする事でさらにレベルアップできるのかもしれません。また、1位になりたいという闘争心は時に人の技術や精神を育てる事にも繋がります。

 キングダムを肯定しまくるのは気持ち悪いな〜とも思いますが、少なくとも私はこんな感じのスタンスであの番組を見ていました。



 このキングダムでも「アイドル達のパフォーマンスバトル」という企画が根底にある以上、比較して順位が付けられ、投票して順位が付けられました。その順位を見せつけられた事でアイドルもファンも、自分達が持っている魅力などを見つめ直したり不安になる事もあったのではないでしょうか。

 そんな比較と不安が纏わり付き続けたキングダムという番組でしたが、そんな番組に対してATEEZが見せた最終回のパフォーマンスは、まさにそんな感情を取っ払ってくれる物だったと思います。



 この世に生み出されるコンテンツの数々、人によっては好きになったり嫌いになったり、ヘビロテしたり一回きりでさよならしたり、触れ合い方はそれぞれです。誰かにとってはかっこいい、でも誰かにとってはかっこよくない、そんな事はよくあるでしょう。

 ただ、そのコンテンツに対して「かっこいい」と感じた事は何も間違いではないんです。その人の見方ではかっこよく見えた、ただそれだけの事。かっこいいの物差しは人によって違うんですから。
 そしてその「かっこいい」の感情は誰からも否定される物ではありませんし、誰しもが平等に持つ美しい感情であるはずです。

 逆に、自分が当初「かっこよくない」と思ったコンテンツも、見方を変えてみればまた別の感情を抱くかもしれないし、別の視点から見ている人には「かっこいい」ように見えている。人の数ほど見方があり、人の数ほど見えている姿があるんです。



 ここまで長文で書きましたが、読んでいる方は「そんなの当たり前じゃん」と思うかもしれません。ただそんな当たり前ですら不安になってしまう番組でしたし、不安にさせられるのがエンタメの上で起こる競争だと思っています。

 ATEEZのこのパフォーマンスはそんな当たり前、誰しもが持つ「かっこいい」を感じる瞬間を揺るがせない力があったように思います。まるで、「あなたが見るかっこよさを信じて」と言われているような。


 そしてこのメッセージはある意味、番組当初から自分達の色を守り続け、3次共演までやりたい事をやって我を通した、自分達の美学を信じて押し通し続けたATEEZだからこそ打ち出せた物だと思っています。



彼らはきっと自分達のかっこよさを信じていたでしょうし、そのかっこよさを肯定してくれる人がいる事も信じていたでしょうから。



 キングダムが終わった今、番組内で順位付けをする事は終わりましたが、これからもアイドル達には様々な比較と順位付けが待っています。それが終わる事はきっとありません。

 ただ、そういった少し胃が痛い事も自分達のかっこよさを信じていれば、そして人によって色んな見方がある事を心の片隅に置いておけば、もっとアイドルを応援するのが楽しくなると思うんです。少なくともあのATEEZのパフォーマンスを見て私はそれを感じました。



 「멋(The Real)」の歌詞にもあるように、自分達が見るかっこよさに大きな自信を持ちつつ、他のかっこよさにも謙虚に接して見れたら良いな〜と思いました。
 ではこれにてnoteを終わります。日本のシングルと次のカムバ、楽しみですね。


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