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はのちの壊獣カグヤの教科書(前編)

 こんにちは。はのちです。
 一度自分で骨組みがきちんとした壊獣カグヤの内容をまとめたく、この記事を書くに至りました。壊獣カグヤをお使いでない方はこちらの記事でデッキの仕組みを知っていただき、壊獣カグヤをお使いの方は考察や分析の一助となれば幸いです。

動画でも示したいですが、推敲が難しいのでまずはNoteで。

 まず本稿ではMD2022年6月環境を想定しています。(中編以降は7月掲載予定のため、環境がずれるかもです。)
4月にバロネス、5月に相剣、6月にはエクソシスターが追加されたような状況です。5月はゴールドスタートに拘わらずダイヤランクの実装により最高ランクまでの白星が多く必要だったことと無難に強力な相剣率が非常に高く、ガチガチの環境でしたが、6月はそうでもないようで束の間のぬるま湯に浸かっています。来月ごろ勇者とふわんが実装されると予想されておりますが、そうなるとまた荒れそうな予感です。

 また本稿は前編中編後編に分けております。
 前編では、後攻デッキにおいて各フェーズでの動き、壊獣カグヤを採用する意義と、各フェーズでどのカードがどういった仕事をするかについて示します。後攻デッキ全般の目指すところを示した後、壊獣カグヤに掘り下げていく内容になります。
 中編では具体的に壊獣カグヤでシナジーの強いカード同士の小技集と各デッキ対面の対策などを示します。前編で示さなかった具体的なカードの内容とシナジーを示します。8軸グッドスタッフは必ずしも単品で最高の働きをするカードの集まりではなく、組み合わせた時こそ強力です。
 後編ではランダム6枚ドロー機能による実際の手札の動きと、各小技や8エクシーズの成立確率について示します。デッキを組む時はやはり確率を重視しますので色々な数字の話から、引いてしまったものは仕方がないということで、ランダムで手札を作ってその後の動きを考えてみます。成立確率のところには、遊戯王DBからデッキを取得して手製の小技集DBから確率を計算するツールも掲載予定です。
 また、中編後編の投稿の際、追記修正等生じるかと思いますがご了承ください。

後攻デッキ、フェーズごとの動き

 まずは後攻デッキの動きを次のフェーズに分けて考えてみます。壊獣カグヤに含まれるカードはいずれも次のフェーズのどこかで仕事をするカードになっています。役割が混ざったりすることはありますが、分解すると次のようになると思います。カグヤとヌメロンで例をあげつつ簡単に書いてみます。

1.1ターン目の妨害(誘発)

 ヌメロンもカグヤも先攻展開を妨害するために誘発は必須です。環境によってメタを張っていきたいです。

2.素材を着地させる準備

展開に必要な素材を着地させる準備や、ネットワークなどのサーチを通す準備を行います。壊獣やカグヤが大変強力なのでよくここに入ります。汎用モンスターだとパンクラもこの中に入ります。ライストや妨げられた壊獣の眠りなどの強力な魔法罠もこのフェーズを想定して入ります。

3.叢雲などの素材を着地させる

展開に必要な素材を着地させます。壊獣カグヤの場合8軸モンスターになり、ヌメロンの場合ネットワークとそのサーチ札になると思います。

4.素材により敵盤面を除去する

2や3にも関連しますが、単独で仕事ができる素材を採用することが多いので、素材を着地させると同時に盤面除去なども行います(ex. 叢雲やサージュの破壊効果、アルファのバウンスなど)。8軸にシュヴァルツシルトがあまり採用されない理由はこのフェーズで仕事しないからですね。3の着地には安定感がありますが。
ヌメロンの場合はライストなどで一掃するか、壊獣を残したままにして戦闘破壊を狙っていくものになるので、この部分の概念が薄いと思います。

5.エクシーズ途中で敵盤面を除去する

カグヤに良く採用されるモンスターでは
・ディンギルス→フィールドのカードを墓地送り。
・ペインゲイナー→守備力2200以下のモンスターを破壊。
・銀河眼光波龍シリーズ→コントロール奪取など。
こちらの攻撃をよく通すために準備します。
ヌメロンの場合はフェーズ4と同じく、この部分の概念も薄いと思います。

6.エクシーズ最終盤面

バトルフェイズを終え、メイン2では4ターン目を迎えられるように準備します。壊獣カグヤではアーゼウスを立てたり、ヌメロンではアポロウーサやアストラムを立てたりします。
カグヤではプロートスやエスカトスを立てることもありますが、これらもこの分類に入るかと思います。

7.3ターン目の妨害

相手のハンドも尽きかけで、誘発よりも強力なモンスターがフィールドに立っているかと思いますので、1ターン目より派手な展開をされることは少ないと思います。ただ、相手はコイントスで後攻になることを仮定して、捲るための壊獣やライストなどを使ってくる場合もあるので想定しておきましょう。(2ターン目アーゼウスは守備でエンドなど)

8.4ターン目の動き

叢雲、仙々、カオスルーラーなどの蘇生効果などを使って再度展開していきましょう。

その他後攻デッキについて

 一通りミニマムに書いたものですが、後攻デッキの動きは以上になります。
 要約すると後攻デッキは、強い誘発を積む(相手に妨害を立てさせない)点、妨害を踏み越える点、相手盤面を除去する点に力を入れているということです。先攻デッキでも上記3点はある程度考えると思いますが、それより後攻の相手のターンにいかに強い妨害をできるかというところも考えなければならないのでバランスが難しくなります。先攻で強い手札でも後攻を引いたら展開できなかったり、また逆もありますので、安定しなさそうな印象があります。
 何よりMD環境だとコイントスで譲られない限り後攻になるので、後攻率が8割くらいになり、そういった意味で安定しているともいえます。(ただ相手に有利な状況を渡すことになるので強いとは言いませんが。)
 あとは再現性が良くデータに運が絡まないところが良いと思います。学習効率が良いです。

 また後攻といえばヌメロンやダイーザのようなワンキル要素が挙げられるかもしれませんが、基本的にはプラスアルファの要素(選択肢の一つ)だと思います。基本的には強い誘発を積む点、妨害を踏み越える点、相手盤面を除去する点の3点ができていなければそもそもワンキルのモンスターは出せませんしダメージを与えることもできません。

壊獣カグヤとは

 先述の後攻デッキのフェーズをおさらいします。

  1. 1ターン目の妨害(誘発)

  2. 素材を着地させる準備

  3. 叢雲などの素材を着地させる

  4. 素材により敵盤面を除去する

  5. エクシーズ途中で敵盤面を除去する

  6. エクシーズ最終盤面

  7. 3ターン目の妨害

  8. 4ターン目の動き

 この中で、壊獣カグヤで本来主となる動きは2.素材を着地させる準備、8.4ターン目の動きの2点になります。

 あえて叢雲を例にしていますが、特殊召喚するのに効果発動を伴うモンスターを着地させるのには多くの場合準備が必要になります。例えばバロネスなどの特殊召喚する効果を無効にしてくるモンスターや、デスフェニなど着地しても展開を防いでくるモンスターが先攻展開されていることが多いためです。その着地の準備に非常に都合が良いのが、壊獣とカグヤになるわけです。

 壊獣はリリースにより破壊耐性効果対象耐性など様々な耐性を無視して、しかも効果発動を伴わずに特殊召喚が可能です。かなり広く見れるので、相性が悪いモンスターを挙げる方が早いくらいです。言ってしまうとヴァニティー・ルーラーやロンゴミなどの特殊召喚メタがいると機能しません。あとは大体リリースして盤面を整えられますが、リリースしても暖簾に腕押しなエルドリッチやシャドールなどは相性があまり良くないと言えます。それでもデスフェニやバロネスなどには効果てきめんなので今でも大変強いモンスターとなります。

 カグヤはとにかく相手の妨害を食らって、ターン1を消費させたりうららを消費させるのが仕事です。2ターン目に召喚して、①効果により、同モンスターをサーチできます。4ターン目の後続を嫌ってうららなどで阻止してくることがあります。②効果は相手モンスターのバウンスが行えます。同名モンスターをデッキから墓地に送って無効にできるので、基本は枚数積まないモンスターを対象にします。バロネスなんかは嫌なのでバウンスすると良いですね。妨害食らえばその後の展開ができます。セキショウなど、Exに2枚積んでることもあるモンスターを対象にした場合は、そのまま通してきてExデッキから墓地に送ることで無効にしてくることもあります。しかし恐ろしいのが最後に書いてある文言で、この効果は相手ターンでも発動できるので、3枚目のセキショウがいないとバウンスが通ってしまうような事態になります。1度無効化されても①効果と②効果2回で3回も相手に絡める(この場合4ターン目に繋げられる可能性が高まる)強いモンスターです。

カードテキスト
①:このカードが召喚に成功した時に発動できる。デッキから攻撃力1850の魔法使い族モンスター1体を手札に加える。②:1ターンに1度、相手フィールドの表側表示モンスター1体を対象として発動できる。相手はそのモンスターの同名カード1枚を自身のデッキ・EXデッキから墓地へ送ってこの効果を無効にできる。墓地へ送らなかった場合、このカードと対象のモンスターを持ち主の手札に戻す。この効果は相手ターンでも発動できる。

https://www.db.yugioh-card.com/yugiohdb/card_search.action?ope=2&cid=12952

 壊獣およびカグヤは上に述べた通り、1枚ずつでも強いですが、2枚組むと非常に強いギミックとなります。壊獣を相手フィールドに特殊召喚した後、カグヤでバウンスして手元に戻し、再度壊獣を相手フィールドに出す動きが可能になります。相手は召喚権や手札を数枚使って出すような強いモンスターをこちらは召喚権のみを使って除去できる点が強みです。また同時に次のターンにも同じ手段でフィールド除去する準備が整いますので、非常に強いギミックとなります。
 結論、壊獣カグヤのその名前は妨害を踏み越える力を意味していることとなります。

 やってることは強力ですが壊獣もカグヤも結構地味な役回りで、その後は8軸エクシーズが主体となって攻撃や次ターンの妨害を行います。基本叢雲の着地さえ何とかなる状況ならばよいので、例えば誘発ガン積みして壊獣もカグヤも抜いた構築はまああります。そのため8軸グッドスタッフデッキなどとも言われることもあります。
 後攻デッキでは叢雲ダイーザやヌメロンがありますが、それらは所謂花形を飾るモンスターで、壊獣やカグヤとも役割が異なりデッキ内容も重きを置くところが異なると思います。

 攻撃に重きを置くか、捲り性能に重きを置くか、妨害に重きを置くか、など、コンセプトは様々だと思います(というか遊戯王これしかない? )。壊獣カグヤは捲り性能が高い壊獣とカグヤ以外は基本フリースペースなので、後攻で強いカードは何でも入ります。
 壊獣カグヤの場合、ヌメロンドラゴン9000ダメージや、セブンシンズ4000ダメージ、アクセスコード5300ダメージあたりが主に出せる高火力になると思います。

まとめ

 この記事では具体的なカードの説明がほとんどありませんでした。次の中編では具体的なカードのシナジーと、各デッキの対面について紹介します。そこからデッキ構成を分析していければと思います。
 今回は後攻デッキという大枠から壊獣カグヤでのカードの働きについて説明しましたというところで以上です。


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