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MiTOHOKU Program採択者紹介③小川泰佑さん

MiTOHOKU Program採択者紹介。3回目の今回ご紹介するのは、医大生の小川泰佑さんです!これまで学生団体や一般社団法人を設立するなど積極的に活動してきた小川さん。MiTOHOKU Programを通して「医療的ケア児」の支援に取り組むことを目指しています。

〇プロフィール
小川泰佑さん
一般社団法人ari代表理事 医学部3年


〇これまでの活動

医学部に通う小川さんは「どこに住んでいても、人生に伴走する医療福祉を享受できる社会」の実現を目指しています。高校卒業後、最初は別の大学に通っていたのですが、医師を志して大学を中退し、猛勉強の末医大に合格したという経験を持ちます。

小川さんが目指すのは「総合診療医」。幅広い疾患に対応し、患者さんの人生に寄り添う医師のことです。小川さんは「内科の知識もあって外科的な処置もできるような、東北一の総合診療医になりたい」と語ります。特に人口減少や高齢化、がんによる死亡率の高さなど様々な課題を抱える「秋田県」に貢献することを目指しています。

小川さんは医師を目指すための勉強に励みながら、大学1年生の時に学生団体ariを立ち上げ、様々な地域活動にも取り組んできました。ゴミ拾いやラジオ体操をする会を企画し、地元企業と連携して社会的な孤立を解消する地域図書館を開設。さらに、仙台市の助成金を得て100人以上の子どもが制作に参加したアート作品を作成し、地下鉄の仙台駅に展示しました。

アート作品の制作の様子=小川さん提供

なぜ、これほどまでに地域活動を行うのか。それは、「医療の本質は治すことではなく、人の生活をよりよくすることだと考えているから」。患者さんの生活は、病院の中だけではわからないことがある。そこで病院を飛び出し、地域に出て、医療者として、あるいは市民として何ができるかを考えることが大切だといいます。

2023年にはより社会的な信頼を得るために学生団体を法人化し、一般社団法人ariを設立。「医療と介護ごちゃまぜプロジェクト」と題し、医療職と介護福祉職の連携を深めるネットワークづくりを行っています。法人化したことでより多くの団体と連携し、様々な事業に取り組んでいきたいと考えています。

〇MiTOHOKU Programへの応募理由

様々な活動を行ってきた小川さんがMiTOHOKU Programに応募したきっかけは、「医療的ケア児の支援」という課題に取り組みたいから。医療的ケア児とは人工呼吸器や胃ろうなどを用いて日常的な医療ケアが必要な児童のことです。

小川さんはariの活動の中で、医療的ケア児を専門的に診る「小児在宅訪問医」をされている医師の方と出会いました。「宮城県で唯一の小児在宅訪問医」というその医師の方からは、医療的ケア児を専門的に支援できる医師の数が少ないことや、また医療的ケア児には日常的な支援が必要なため、家族の負担が大きいことを知りました。

医療的ケア児は全国に約20,000人いると推計されています。決して多いとは言えないかもしれない数字ですが、小川さんはこの20,000人という数字について、「1人ひとりの現実が積み重なった20,000人、という数字を知った時に少しでも多くの子どもたちが救われるために何をすればいいか考えた」と語ります。

そんな中、MiTOHOKU Programと出会い、医療的ケア児を救うための事業を考えようと応募を決意。特に宮城県にいながら参加でき、メンターが1人ひとりに「伴走」するプログラムに魅力を感じたといいます。

〇MiTOHOKU Programで実現したいこと

小川さんはMiTOHOKU Programを通し、医療・福祉の専門家と連携しながら医療的ケア児とその家族に継続的に伴走する支援のあり方や、事業化の可能性を考えることを目指しています。

 小川さんはタイの病院で実習を経験するなど海外の医療にも触れてきました。MiTOHOKU Programの海外研修についても「全く違う価値観に触れられる機会。特に医療や福祉の領域について、これまで正解だと思ったことが壊されるような、刺激的な経験を楽しみたい」と語ります。

医療への強い情熱を持つ小川さんがMiTOHOKU Programを通してどんな進化を遂げるのか、これからが楽しみですね!!


MiTOHOKU Programとは
「MiTOHOKU Program」とは、東北にゆかりのある未踏的若手人材を発掘・育成するプログラムです。「海外研修を通じた世界レベルの経験」と「起業家・専門家集団による伴走支援」を受けることができる東北にゆかりのある学生向けの特別プログラムです。
公式HP:

<MiTOHOKU Programの運営体制>

主催:
株式会社Wasshoi Lab

共催:
manordaいわて株式会社、七十七リサーチ&コンサルティング株式会社、株式会社日中BHEコミュニケーションズ、株式会社オーナー、国立大学法人東北大学、国立大学法人岩手大学、一関工業高等専門学校

特別協力:
株式会社七十七銀行、株式会社岩手銀行、仙台市、盛岡市、一関市

協力:
一般社団法人EO North Japan主催 GSEA東北大会、NPO法人学生ネットワークWAN主催 学生エバンジェリストアワード、研究コミュニティ ミツバチ

経済産業省
令和4年度 未踏的な地方の若手人材発掘育成支援事業補助金AKATSUKIプロジェクト 採択事業

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