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採択者振り返り③鳥居奎吾さん

MiTOHOKU Programで優秀賞を受賞した、東北大学大学院の鳥居奎吾さん。宇宙で活用されるロボット開発をテーマにMiTOHOKU Programの期間にロボットの開発を行い、プレゼンには自ら開発したロボットを持ち込み、多くの注目を集めました。中国研修での学びを経て、すぐに具体的な行動を起こした鳥居さん。MiTOHOKU Programを通し、どんなことを学んだのでしょうか。


プロフィール


鳥居奎吾さん
東北大学工学研究科(航空宇宙工学専攻) 修士1年

最終報告会でプロトタイプを披露

 MiTOHOKU Programの最終発表をする鳥居さん。その傍らには、自ら作ったロボットの試作品(プロトタイプ)がありました。発表会後の懇親会では鳥居君がコントローラーを使ってロボットを動かす様子に、参加者からは歓声が上がりました。優秀賞の受賞についても「実機を作れたのが大きい。形にすれば評価されるのだと思った」と振り返ります。

 大学時代からロボットサークルで開発の経験はあるものの、「はんだ付けだけ、とか電気設計だけ、この部分だけ、などの関わり方」だったそう。最初から最後まで1人でロボットを作ったのは初めてで、自分のロボット開発技術が高まったそうです。MiTOHOKU Programの期間だった半年間はロボット作りに没頭。制作時間は正確に数えていないものの100時間を超えており、当日は朝5時まで最後の調整をしていたそうです。1人でロボットを開発したことに、審査員からも称賛の声が上がりました。

 また、最終報告会の直後にJAXAが打ち上げた無人月面探査機「SLIM」が月面着陸に成功。しかも、着陸目標地点との誤差が100メートル以内となる世界初の「ピンポイント着陸」という快挙でした。その様子をリアルタイムで見ていたという鳥居さんは「月面旅行の時代がやってくる。日本の宇宙開発がもっともっと進んでいくと思う」と期待を寄せています。
 

中国で感じた開発の意義


 そんな鳥居さんは中国研修でロボットの開発について大きな学びを得てきました。常州大学の「Xbot Park」を見学した時、中国では課題を発見し、実機で検証するスピードがものすごく速いことや、学生が利用できる資金も日本とは比較できないほど大きかったことを学びます。

  ロボット開発においても単にロボットを作るのではなく、「課題を解決すること」の重要性を実感した鳥居さんは日本に戻りすぐに行動を起こしました。 
 帰国直後、所属している研究室とは別の研究室や宇宙関連ベンチャーの複数の経営者にアポイントを取り、「宇宙にはどんな構造物が求められているのか。本当に必要なものは何か」をヒアリングしたのです。初対面の方々にアポイントを取ることは緊張したといいますが、話してみると親身になって鳥居さんのプランにアドバイスをしてくれたそうで、「情熱をもって伝えれば応援してくれることを知った」と振り返ります。

MiTOHOKU Programの学びと今後に向けて 

 現在、修士1年生の鳥居さん。MiTOHOKU Programで取り組んだロボット開発について、鳥居さんは修士論文のテーマとして取り組んでいく予定です。もともと修士論文との接続は検討していなかったそうですが、研究室に活動内容のことを話したところ修士論文で取り組むことになったそうです。また、メンターの方に背中を押され、「未踏」へのチャレンジも検討しているそう。
 その後は企業に就職して新しい日常をつくることに挑戦したいという鳥居さん。より社会に影響を与えられるような進路を考え、メーカーに就職してエンジニアとして「実社会でのプロダクトの実現」を目指していきます。

 大学院卒業後の進路を考える際、MiTOHOKU Programで出会った仲間たちからの学びは大きかったそう。特に「社会の課題解決のために」行動している仲間から、社会に役立つプロダクトを開発したいという思いを強くしたといいます。特に小川くんからの刺激は大きく、「医療というテーマに情熱を燃やし、とことん社会課題の解決に向き合い行動する小川くんとの出会いは衝撃だった」といいます。
 「社会を便利で新しく楽しいものにしていきたい」という鳥居さん。研究や開発など多方面で活躍する姿がこれからますます楽しみですね!!

<MiTOHOKU Programの運営体制>

主催:
株式会社Wasshoi Lab

共催:
manordaいわて株式会社、七十七リサーチ&コンサルティング株式会社、株式会社日中BHEコミュニケーションズ、株式会社オーナー、国立大学法人東北大学、国立大学法人岩手大学、一関工業高等専門学校

特別協力:
株式会社七十七銀行、株式会社岩手銀行、仙台市、盛岡市、一関市

協力:
一般社団法人EO North Japan主催 GSEA東北大会、NPO法人学生ネットワークWAN主催 学生エバンジェリストアワード、研究コミュニティ ミツバチ

経済産業省
令和4年度 未踏的な地方の若手人材発掘育成支援事業補助金AKATSUKIプロジェクト 採択事業


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