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第3回Wasshoi Student Community交流会レポート!

11月17日(水)、3回目となるWasshoi Student Communityの交流会が開催されました!今回のゲストは、株式会社Co-LABO MAKER 代表取締役の古谷優貴さん。古谷さんは2017年に起業し、研究開発したい研究者や企業と研究リソースをもつラボ(研究室)をマッチングし、機動的な研究開発を支援する「Co-LABO MAKER」を運営されているほか、東北大学客員准教授も務められています。

交流会の最初は古谷さんのプレゼンテーション。古谷さんは東北大学出身で、在学中は「シンチレータ」(X線やガンマ線などの放射線が当たると、そのエネルギーを吸収して目に見える光を発する物質)を中心に研究に励まれました。その後は大学院にも進み、修士課程ではなんと修士論文を8本も書き上げたそうです!

大学院を卒業後は半導体を扱う大手化学メーカーに就職したものの、やりたい研究をスムーズにできないもどかしさを感じたと言います。研究するためには実験環境を整える必要がありますが、予算を出してもらうために「なぜこの研究が必要なのか」というエビデンスをしっかり説明して採択されなければいけません。採択までにもかなりの時間や労力がかかるうえ、実際に採択されたとしても研究設備や環境を整えるまでにはさらに多くの時間がかかります。

そんな時に目を付けたのが、「使っていない研究設備はあるが、研究資金が足りない」という大学や企業の存在だといいます。この存在を「資金はあるものの研究設備が揃っていない」研究者と結び付けることで、互いにWin-Winの関係になると考え、このアイデアで大手企業主催のビジネスコンテストに応募したところ最優秀賞を受賞。会社を辞め、2017年に「株式会社Co-LABO MAKER」を創業しました。

研究者だった自分の原体験を活かしたビジネスを始め、今では経営者としても活躍中の古谷さん。
プレゼンテーションの最後には、「Co-LABO MAKER」を通して、誰もが自由に自分のやりたい研究ができる「研究開発の民主化」の実現を目指したいと話しました。

参加した学生からは「日本の科学技術の進展が停滞気味なのはなぜ?」「大手企業を退職して起業することに不安はなかったか」「一緒に働く仲間はどのように募っているのか」
など、とても深い質問が多く寄せられました。
次に開催されたのが、学生によるプレゼンテーション。まずは岩手大学大学院 修士1年 谷目葉さんの『森林を受け継いでわかった話』。


北海道の田舎町で生まれ育ったという谷目さん。大学進学を機に岩手に足を踏み入れ、現在は「森林科学」という分野を研究しています。谷目さんは元々森林にとても興味があり、プライベートでもよく登山をされているそうです!そんな谷目さんが訴えかけるのは、「経済性・環境性・文化性の3つを両立させた森林を目指したい」という熱い想い。
谷目さんは、自分で実際に見ないと理解できない「生の林業」を知るために、全国各地を訪れました。そこでとある森林所有者と出会い、その交流を通じて、現在ではなんと12ヘクタールもの森林管理を任されているそうです。そのほかにも、幼少期から木に触れる機会を作ろうという思いで子供向け木製玩具を開発したり、林業に関わる資金面についても学びを深めたりと熱心に挑戦し続ける谷目さんに参加者からも感動の声が上がりました。

続いては、合同会社Circular Thanks、山形大学大学院理工学研究科M1 戸叶大地さんの「大好きな東北を盛り上げるために若者ができること」


宮城県出身の戸叶さんは山形大学に進学後、「このまま普通に就活をして、卒業して入社して、そのまま普通の人生を送っていくのだろう」と考えていたそうです。しかし、ある日偶然出会った経営者の方からかけられた「戸叶は起業したら絶対に成功するよ」という言葉で初めて「起業」という選択肢を与えられたといいます。

東北が大好きな戸叶さんは、「将来、地方で活躍する若者のロールモデルになる」という想いで大学3年の冬に起業を決意しました。現在は山形県産フルーツを使用したフルーツハニー「山美果 sanbika」の商品開発や、起業に興味のある学生と経営者のマッチングなどを幅広く手掛けています。参加者の中には「現在は山形県外に住んでいるが、本イベントの前からInstagramで山美果を知っていた」という方もおり、県内外問わず注目度が高まる戸叶さんから今後も目が離せません!

合同会社Circular Thanksホームページ


今回も岩手・宮城・福島など各地からオンラインでご参加を頂き、参加者同士の交流を行いました。MiTOHOKU Programでは、1月13日(土)に開催する最終発表会の参加者を募集しています。詳しくはこちらの投稿をご確認ください!

<MiTOHOKU Programの運営体制>

主催:
株式会社Wasshoi Lab

共催:
manordaいわて株式会社、七十七リサーチ&コンサルティング株式会社、株式会社日中BHEコミュニケーションズ、株式会社オーナー、国立大学法人東北大学、国立大学法人岩手大学、一関工業高等専門学校

特別協力:
株式会社七十七銀行、株式会社岩手銀行、仙台市、盛岡市、一関市

協力:
一般社団法人EO North Japan主催 GSEA東北大会、NPO法人学生ネットワークWAN主催 学生エバンジェリストアワード、研究コミュニティ ミツバチ

経済産業省
令和4年度 未踏的な地方の若手人材発掘育成支援事業補助金AKATSUKIプロジェクト 採択事業

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