井出愛希子さん(卒業生)への質問!

🤔どうして水戸黄門に参加しようと思ったのですか。

大学1年の夏休み直前に合唱寸劇水戸黄門の“役者” を募集しているという旨の授業宣伝で企画の存在を知りました。私はそのとき役者ではなく衣裳で着物を使っているというところに興味がわいて、「スタッフ募集はしていませんか?」と舞研の方に尋ねたのを覚えています。
この時期、大学の中で活発に団体に参加している同期を見て「自分は出遅れた」という劣等感に駆られていました。そんな中で、自分の好きな着物の知識を活かせるかも知れない企画に出会えたので、どうしても衣裳として参加したくなりました。
結局その年は枠が無かったのですが、次の年に参加させていただけるように舞研の方と先輩にお願いをしました。

2回目以降の動機は、「また来てね」ー「また行きます」の約束に嘘をつきたくなかったから。


🤔水戸黄門を通して、忘れられないことは何ですか。

・おみつ役だった子(その回はおまつ)が千秋楽を終えて着物に「ありがとう」と泣きなから伝えて畳んでいたこと。

・私たちの作品が、人生で最期に触れる芸術なのかもしれないと知った瞬間。

・和歌山県の真っ白な砂浜

・茨城県の美味しい豚丼

・お客様からの「ありがとう」
これは言葉だけじゃなくて普段は動くことが困難な方からも、表情、仕草などで示して下さったこと。

 


🤔登場人物の全員が和服が衣裳ですが、着物はどうやって集めているのですか?

町田市周辺の着物の古着屋さんで一枚1000円程度で買ったものや、歴代の衣裳の先輩が手作りしてくださったものまであります。
また、訪問した施設で「この日を楽しみにしていた利用者さんが持ってきてくれました!」と、沢山のお着物を譲ってくださったことも何度かありました。



🤔井出さんにとって和服の魅力はなんですか。

演者にとっては、非日常を体感できて、
その色とりどりのお着物は会場を華やかにします。

観てくださるおじいちゃん・おばちゃんにとっては、かつての日常の姿をお見せすることができること。
格好良く着こなせば、おばあちゃんからモテますし、
可愛く着こなせば、👴「初恋の○○ちゃんに似ている~」と手を握ってくれます。(笑)

合唱寸劇水戸黄門では
慣れない着物でダンスしたり殺陣をするのはやはり簡単なことではありませんが、役者さんには自分ひとりで着付けられる喜びを感じてもらえたり、
着る手間がかかる衣裳だからこそ、施設訪問の旅をその一着と共にしていくなかで愛着を盛ってくれたのは私としても嬉しいことで、この企画ならではの魅力だと思います。



🤔衣裳プランはどのように決めているのですか。

1. 最初は役のイメージや演出家の要望に沿って今あるお着物の中から候補を決めます。
※役とあまりに筋違いすぎるとお客さんに不親切なので、的は守っていました。
水戸黄門のドラマを参考にしたり、役職によって着方、帯結びが変わってくるので江戸時代の着物の着こなしについて図書館で調べたりもしました。(👴・👵はすぐに違いを見抜きます(^^; )


2.役者さんに候補を着てもらい、肌の馴染みや印象を見ます。

3.着る本人が描く役柄に沿っているか、慎重に擦り合わせをします。
同じ着物でも着こなし方ひとつでお着物が物語る印象はガラッとかわるので、稽古途中で役者に違和感がうまれればプランも変更していきました。